第12回:東山紀之主演「大岡越前」新作ウラ話!の巻
寺島進の「月刊 てらじま便り」
東山紀之さんが主演のNHK BSプレミアム時代劇「大岡越前」の新作を太秦の東映京都撮影所で撮影していたアニキ。クランクアップしたばかりの現場の様子をたっぷり語っていただきました!
昨年に続いてパート2がやれるってことも、大好きな時代劇で久しぶりに演じられるのもすごくうれしかった。しかも京都で時代劇を撮れるってすごくいいんだよ。大きなセットもあるし、ロケも近いし、結髪や衣装さんたちもみんなが時代劇のベテラン集団。スタッフも顔なじみばかりだから、生き生きして仕事ができたね。
殺陣のシーンを演じる日は、朝から血が騒いじゃうんだよ。なんかテンション上がっちゃってピリピリモード。役者チームはすごく仲が良いんだけど、若手のヤツらがチンタラしていたら「おいおまえらおせーんだよ! 俺より早く動けよ!」とか説教しちゃったりして(笑)。特に殺陣は、ちょっと気を抜くとケガして危ないから。やっぱり長い間一緒にいると、つい緊張感がなくなる瞬間って出てきちゃうからさ。ちょっと気が緩んでんな~って感じたら、俺はすぐに言うんだよ。「締めるところは締める!」ってことでな。
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©2014 NHK・C.A.L
俺が演じるのは、昨シーズンに続いて「仏の新八」と呼ばれている南町奉行所同心・田所新八。脚本がすごく面白くて、活劇だけじゃなくて人情味あふれているからすごく良いんだよな。脚本が良いと、気持ちも乗っかっていけるんだよ。朝現場に行って、カツラをかぶって着物を着て帯を絞めた瞬間に姿勢がピッとするというかね。
ただ時代劇って言い回しが独特だから、うまく舌が回らなくてNG出ちゃうときもあるけどな(笑)。だってさ「みなみまちぶぎょう」って言いづらいんだよ。その言葉を入れて、2、3行しゃべってみろよ! うまく言えねえんだよ! まあでもほとんどが江戸弁だからやりやすいっちゃやりやすいけどな。
俺の控え室は、高橋長英さんと金山一彦と一緒。でも俺らの部屋は居心地がいいから、そこに勝村政信や近藤芳正さんも来ちゃうの(笑)。テレビやDVDもあるし。ちょうど高校野球の春の選抜をやっていたから、みんなで観ていたよ。
若いヤツらは、山崎裕太に柄本時生、あとアリtoキリギリスの石井正則と加藤頼。裕太はほんっとに元気で一人でしゃべっているんだよ! 酒も強いしさあ。だいたい俺と裕太がムードメーカーなんだ。で、裕太と金山がいっつもうるさくしているから、俺がよく「うるせえんだよ!」って怒るの(笑)。俺さ、自分がしゃべりたいときはしゃべるけど、静かにしてもらいたいときは「静かにしろ!」って言うから勝手なんだよな(笑)。
ベテラン勢には津川雅彦さん。独身時代の祇園浮世話を聞かせてもらったよ。そして主演の東山くん。年下から年上まで本当にチームワークが良いのは、座長の東山くんがブレないから! 演技にはものすごく真面目にストイックに取り組む一方で、「みんなで飲みに行こう」って声を掛けてくれたりするからね。本当に良い現場なんだよ。
フランス短編映画撮影の時の一枚。演者の皆と。
クリストフ監督は若くていい目をしてたなぁ!
1963年生まれ、東京都出身。三船芸術学院で殺陣を学び、殺陣師・宇仁貫三に師事。1986年松田優作監督作『ア・ホーマンス』で本格俳優デビュー。北野武に才能を見い出され、1989年『その男、凶暴につき』以降、北野映画の常連として注目を浴びる。