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『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』特集第4回:「アニメーションで目指すところ」

『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』ができるまで

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『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』特集:ディズニートゥーンスタジオに潜入!~『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』ができるまで~

 いよいよ公開を迎えるディズニーの最新作『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』。「ディズニートゥーン・スタジオとは何か?」というところから始まったこの連載もついに最終回!

 ということで、今回は製作陣に、作品に込めた思いを語ってもらいました。

取材・文:編集部 福田麗

教えて、ディズニー!

テーマは「セカンド・チャンス」

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『プレーンズ2』
ボブス・ガナウェイ監督

 レスキュー隊を題材にしている本作のテーマの一つは「セカンドチャンス」。そのテーマの沿うように、主人公のダスティはレースに出ることを諦めざるを得なくなり、レスキュー隊で「第二の人生」を見つけることになります。同様のテーマは過去にも『シュガー・ラッシュ』(ディズニースタジオ、2012年)や『モンスターズ・ユニバーシティ』(ピクサー、2013年)といったディズニー作品で描かれてきましたが、今作であらためて取り上げた理由について、ボブス・ガナウェイ監督は「今作は、子供だけじゃなく、大人も含めて家族全員で楽しめるアクションアドベンチャー映画だからだよ」と説明します。

 「パラシュート隊やアクションシーンなど、子供が楽しめる要素は山ほどある。でも、もっと幅広い観客に共感してもらいたかったんだ。そして、僕自身は「セカンドチャンス」というアイデアは十分、子供も共感できるものだと思う。子供でさえ、学校で試験に失敗するとか、何かがうまくできなくて、別の道を探ってみるといったことがあると思うんだ。だから、このテーマは、大人だけじゃなくて、子供たちにも通じるものだと思うよ」

『プレーンズ2』
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』より

 その一方で、「セカンドチャンス」というテーマは最初から決めていたわけではなく、思わぬところから転がり出てきたものだったそうです。プロデューサーのフェレル・バロンは、本作の取材のためにカルファイアー(カリフォルニア森林管理消防局)を訪れた時、消火活動に使われる機材、果ては飛行機までもが実は消火活動のために作られたのではなく、別の目的で作られたものを消火活動に再利用していることを発見しました。

『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』より

 「彼らは、ほとんど全ての航空機を、別の目的のために再利用している。それは、人生におけるセカンドチャンスなんだ。空中からの消火作業のために作られた航空機はたった1機しかない。それ以外は全て、他のことに使われていて、違う目的のために利用されているんだ」

誰もが自分の役割を持っている!

『プレーンズ2』
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』より

 本作には、主人公ダスティのほか、ブレード(消防救助ヘリコプター)、ディッパー(水陸両用飛行艇)、ダイナマイト・パインコーン・アバランチ・ブラックアウト・ドリップからなるパラシュート隊(小型消火作業車たちからなる森林消防パラシュート降下隊)、ウィンドリフター(重量貨物ヘリコプター)、キャビー(元軍用輸送機)、マルー(パラシュート隊を機体に収めて現場に運ぶ小型フォークリフト)といったキャラクターが登場しますが、彼らも例外ではありません。そのことを踏まえた上で、フェレルは言います。

『プレーンズ2』
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』のラフ画

 「こうしたキャラクターが教えてくれる大事なことは、空からのレスキュー作業において、誰もが自分の役割を担っているということ。つまり、どんな物(人)にもそれぞれの役割があるということなんだ」

 それは、映画の制作過程にも通じるところがありますね。レスキュー隊にさまざまな特徴を持ったメンバーがいるように、映画の製作現場には監督がいて、プロデューサーがいて、その下には何人ものアーティストがいて……その全員が一つの目的を達成するために、自分の役割をこなしているのです。

ここが、こだわり。
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』
ボブス・ガナウェイ監督とプロデューサーのフェレル・バロン

信頼関係を築くために

『プレーンズ2』
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』ラフ画

 レスキューも映画制作もチームワークが大事!
 では、そうしたチームワークを作り上げるために、『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』の製作陣が大事にしているものとは、何なのでしょうか?

 この質問に答えてくれたのは、プロデューサーのフェレル・バロンでした。

『プレーンズ2』
フェレル・バロン

 「チームを作り上げるために一番大切なのは、十分な信頼関係を築くことだと思う。特に、この映画には、約900人もの人々が関わっている。だから、上から下まで、彼らがやっていることを信頼したい。ボブスと僕は、彼ら全員を見ている。ボブスはクリエイティブサイドを、僕はプロダクションサイドをね。でも彼らはみんな、自分の仕事をどうすれば良くできるか、僕らよりもよくわかっている。もちろん、協力し合うことはある。でも最終的には、彼らがやっていることは、彼らに任せるべきなんだ。そうすることによって、自然にチームが出来上がる。そして、僕らが彼らを信頼し、彼らも僕らを信頼しているということがわかっていれば、みんなでずっと良い仕事ができるんだよ」

 そして、そのようにスタッフを信頼できるのは、ガナウェイ監督やフェレルのさらに上の人々、ジョン・ラセターをはじめとするディズニーの上層部がスタッフを信頼しているからだとフェレルは言います。

『プレーンズ2』
スタッフ一人一人を信頼すること!

 「ウォルト・ディズニー・カンパニーは、映画を作る手段を僕らに完全に任せてくれているんだ。それは大きな責任だよ。彼らはクリエイティブ面、そしてプロダクション面において僕らが最終的にちゃんと映画を作るということを信頼してくれていて、口出しをしない。彼らは映画を作ることを僕らに任せてくれている。そういう信頼があることは、その作品作りに大きな情熱をもたらしてくれるんだ」

『プレーンズ2』
ヘッド・オブ・ストーリーのアート・ヘルナンデス

 そうした思いは、もちろん、ガナウェイ監督やフェレルの下で働くスタッフにも伝わっています。本作には1作目から参加していたスタッフも多いのですが、そのうちの一人であるヘッド・オブ・ストーリーのアート・ヘルナンデスは「僕らのスタッフにはものすごく才能がある。彼らは、自分たちが何をやっているかよくわかっている」と自負。でも、だからこそ、向上心を失ってはいけないと説きます。

 「僕らがいつも心に留めているのは、劇場で観てみたら、『もっと良くできたかも』と思うショットがあるということなんだ。ジョン・ラセターが『僕たちは映画を終えるんじゃない。映画を封切るんだ』と説明するようにね。僕たちは常に、変更できるところや、より良くできるところを見つけることができる。僕たちは自分たちに対して最も厳しい批評家なんだ」

全ての人の心に触れる物語

『プレーンズ2』
『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』

 では、そんな“最も厳しい批評家”たる彼らが、目指すべきゴールはどこにあるのでしょう?

 「アニメーションの歴史を見ると、うまくいっている時もいっていない時もあったと思う」とはガナウェイ監督の言。「そして『アナと雪の女王』のような映画が出てきて、全ての観客の共感を呼ぶと、それはアニメーション業界全体が恩恵をこうむることになると思う。なぜかというと、アニメーションは今も健在で、人々を驚かせることができるものなのだと確かめられるからね」

『プレーンズ2』
いい笑顔! これも信頼関係のなせる技かもしれません!?

 これにはフェレルも「『アナと雪の女王』を例に取るなら、あれは一つの理想的なゴールだろうね」と同意します。「でも、あれは本当に例外的な作品だ。国際的にとてもうまくいき、世界中の観客の共感を呼ぶというのはなかなかできることじゃない。でも最終的には、『アナと雪の女王』ほど成功するかどうかは別にして、全ての人々の心に触れることができるストーリーを作れたらいいと思う」。

 後を引き取ったガナウェイ監督はこう語りました。

 「成功は、興行成績じゃない。素晴らしいストーリーを語り、もっとリスクを負って、予想していなかった世界を掘り下げることだよ。もし、全ての観客の共感を呼べれば素晴らしい。でも、もしもある部分の観客のみの共感を呼べれば、それも素晴らしいことだ。僕たちは常に素晴らしい世界、魅力的なキャラクター、そしてエモーショナルなストーリーを語ろうとしているんだ」

 いかがでしたでしょうか? 全4回・約1か月にわたってお届けした『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』特集も今回が最終回。一つの作品を作り上げるまでには多くの人が多くの時間をかけていることが伝わったかと思います。

 明日はいよいよ公開! そのスタッフたちの汗と涙の結晶を、ぜひ劇場で楽しんで下さい!

映画『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』は7月19日より全国公開

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©KaoriSuzuki

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