第19回:ウーマンラッシュアワーの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』談義
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トークしちゃいます。今回は、全米で大ヒットを記録している映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』をななめ見しちゃいます!(取材:シネマトゥデイ編集部 入倉功一 文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆)
村本:こんなクソみたいなアライグマ(声:ブラッドリー・クーパー)初めて見たわ! アライグマってかわいいイメージだったのに、こいつはほんまにクソ野郎!
中川:でも外見と中身のギャップがええやん。
村本:せやな。しかも最後はこいつに泣かされたし! クズはクズでも熱いハートを持ったクズ! はみ出し者チームの友情に泣かされたわ。この役、日本語吹き替えは極楽とんぼの加藤浩次さんって。めっちゃイメージぴったりやんな!
中川:荒くれ者って感じでな。僕たちが観たのは字幕版だったから、吹き替え版も観てみたい!
村本:アライグマもそうやし、こんなにクズばっかりの誠意のない主人公集団って珍しいよな。
中川:みんな悪いことするのとか、何とも思ってないしな。
村本:主人公のピーター(クリス・プラット)も女好きやしな。僕がライブ終わりの握手会でかわいい子だけにハグしていたら、ハグされた子とハグされなかった子がツイッター上でケンカしちゃってね。そんなクズなわたしが絶賛するくらいですから、クズの中のクズですよ。
中川:全身緑のガモーラ(ゾーイ・サルダナ)といい感じになってたのが信じられへんかったわ。
村本:めっちゃ雑食系!
中川:僕はもうガモーラがほんま怖くて、なんかうちの奥さんみたいやった。うちの奥さんもめっちゃ束縛するし、怒ったらすぐに手が出るから。何か途中から、ガモーラ見ると嫁を思い出してめっちゃ怖かったです。
村本:おまえが浮気するからあかんねん! こないだも札幌のライブのあとに、こっそりファンの子が働いているおっぱいパブ行ってたし!
中川:こんなところで言うな!
村本:芸能界のクズ代表としては、憧れのクズが集まった映画やわ。僕もよくクズって言われるけど、世の中いいやつに見えるが本当はすごく悪くて、悪いことを大っぴらにやってるやつの方がいいやつのことが多い。こいつらはみんな本当はいいやつ! だからね、この映画を観て、何こいつらって思うやつが、ほんまは一番クズやねん! だから、この映画を好きっていう女の子に僕は惹(ひ)かれます!
中川:何で? クズが好きってこと?
村本:違います! 中身がめっちゃ純粋な子なんやと思うから。何かイケメンばっかり出ている映画好きっていう子よりも、この映画みたいにまともなやつが一人もおらんっていう映画の方が好きっていう女の子の方がええわ!
中川:確かに、純粋に映画を楽しめてる感じするよな。
村本:心が子供の大人はめっちゃ楽しめると思うねん。だって最近、こんなふうに単純に楽しいっていう映画あんまりなかったやん。映像もめっちゃすごいし、メイキングとかめっちゃ見たくなったわ。アライグマだって、実際は人間が動いてモーションキャプチャーで演技していたんやろ。すごいよな! 一体どんなふうに撮影したのか気になる。
中川:そういえばそうやな。裏側が気になる。めっちゃ殺風景なところで撮影していたりしてな。僕、ガモーラが全身に色を塗っているのか、CGなのかめっちゃ気になったわ。もし塗っていたんだとしたら、見えるところだけ塗っていたのかも知りたい。ちゃんと乳首まで塗ってたんかな。プロやったら塗ってほしいわあ。
村本:おまえ何の話をしてんねん! 仕事ってこと忘れてるやろ!
村本:前回の『ルパン三世』もそうやったけど、やっぱりイケメンばっかり出ている映画って、嫉妬心が先に出てくると思う。
中川:そんなん自分だけやで!
村本:いやいや、絶対嫉妬してるって、心の中で! でも、この映画に出てくるのはアライグマとか、木とか、全然嫉妬の対象にならんやん。だからめっちゃ見やすかった。こいつら全員、ゲームのステージごとに出てくるラスボスみたいな顔してるよな。
中川:僕が知っている有名なスターが誰も出てこなかったのも逆に良かった。ほら、ブラピとか出てたら、あーブラピ(頼り)の映画やなって思ってまうやん。
村本:すごいB級感っていうか、ファミコン感を感じたわ。めっちゃ単純な楽しさっていうの?
中川:ヒーローのはずなのに、みんな何かさえないしな。
村本:小学校のときみたいに、男子だけでめっちゃ楽しんでる感じがした。確かに主人公は女好きやったけど、でもこいつらが集まると全然モテなさそうな感じしない? 多分誰かにガチの彼女とかできたら、そいつはハブられそうやわ。
中川:何かピュアやったよな。ピーターがお気に入りの曲が入ったカセットテープをガモーラに聞かせたりするシーンとか。そういうのって、昔憧れたりしたやん。
村本:僕はカセットにネタを吹き込んで、隣町の学校で給食のときにかけてもらってたで。自分とこの学校だとさすがに恥ずかしくて! この映画を観た人にはわかると思うんですが、カセットは僕の宝物でしたわ!
中川:ピーターは村本さんそのものやったな。朝起きたら全然知らん女が横で寝ていたって経験あるやろ。
村本:めちゃくちゃあるわ。街を歩いていたら、50歳くらいの金歯のおばちゃんに、「THE MANZAI見てるよ」ってベロベロキスされて。しかも人がいっぱい見ている前でね! あれは見ず知らずの女とキスをした中でも一番すごい体験やった。やっぱり僕、メンバー入り間違いなしやな。
中川:もし吉本の芸人で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』集団作るなら、誰をスカウトする?
村本:やっぱりクズばっかり集めたいよな。まずは平成ノブシコブシの吉村崇やろ。吉村といえば、前にこんなことがあって。沖縄国際映画祭のときに僕がホテルのエレベーターに乗ろうとしたら、ドアが開いて金髪の妖怪みたいな女が出てきてね。僕はそのフロアに宿泊していた吉村の女だと思ってるんですよ。
中川:え~! 何ソレ!?
村本:あとは南海キャンディーズの山里亮太。あいつは仕事をもらえる相手としか、つるまないので。デジタルクズ、ハイテククズですよ。
中川:そいつら集まって、「銀河の守護者」ってありえへん(笑)。
村本:その名前を使ってキャバクラで暴れ回ること間違いなしやな! 映画の中でも全員が集まったときに、お互いの話全然聞いてなかったやん。協調性なくてめっちゃバラバラやったから、そういうとこも似ているよな。
中川:最悪!
村本:ちなみに中川はグルートやな。映画の途中、グルートが中川にしか見えんかったわ。トークができないとことかそっくりやった! 僕がおまえの通訳代わりやん。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
犯罪歴のあるメンバーによって構成された、マーベルコミックス発の異色のヒーロー集団の活躍を、B級映画出身のジェームズ・ガン監督が映画化した痛快SFアクション。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』オフィシャルサイト
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2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。