第11回「実録！映画製作『1人1食100円で』～女優・中原翔子、初めてのプロデュース～」
実録！映画製作
■「実録！映画製作『1人1食100円で』～女優・中原翔子、初めてのプロデュース～」第11回
海外でも高く評価される監督の作品に数多く出演してきた「知る人ぞ知る」女優・中原翔子が、映画を作ると決心！ プロデューサー早川ナオミとして一本の映画を完成させる、立ち上げから劇場公開までの道のりを追う。理想と現実のはざまで揺れながら繰り広げられる予算との仁義なき戦い！ 想像を超える、壮絶な「映画作り」を目撃してもらいたい！
ついにオムニバス映画『つながる』（仮）の最後を飾る3作目『LOVE REVOLUTIONS』もクランクアップ目前！ 加藤夏希を主演に迎えた激動の撮影がクライマックスを迎えます！
■まさに女優の部屋！スタジオが高級マンションに！
渡辺あい監督の『LOVE REVOLUTIONS』も撮影2日目。この日の撮影場所は、新宿区内のマンションスタジオ。加藤ふんする伊万里愛子のマンションに見立てたセットは、とてもおしゃれな雰囲気。
小道具も、さりげなく愛子の写真がいくつか飾られて、シンプルな飾り付けながらも、いかにも女優さんの部屋という雰囲気が漂います。
この日のお昼のケータリングは豚しゃぶおろし丼！ 7月上旬という暑い時期ではありますが、さっぱり風味の豚肉が一同の食欲をそそりました。
■劇中ブログにスタッフ総出でコメント！
昨今の芸能人の活動にブログは欠かせないものとなっていますが、当然、女優・伊万里愛子だってブログを開設しています。「結婚報道の最中に、意味深な投稿をした愛子のブログに、ファンからのおめでとうコメントが殺到」というシーンでは、スタッフ全員が実際におめでとうコメントを投稿。名コメント、珍コメントの数々に、現場は和やかな雰囲気に包まれました。
そんな幸せ絶頂の愛子ですが、本編では、その直後にどん底にたたき落とされる事件が……。そんな愛子をコミカルに演じた加藤の演技は必見です！
■加藤夏希、美麗チャイナドレスで撮影に臨む！
そして、ついに迎えたクランクアップの日！ 埼玉県某所のスタジオで行われた撮影には、加藤をはじめ主要キャストが集合。実力派俳優が顔をそろえていますが、ほこりっぽい空き倉庫のような現場は豪華な控え室とは無縁。
しかし、誰一人不平を言うことはなく、全員が真剣な表情で撮影を見守る姿から、それぞれが持つ映画への飽くなき情熱が感じられるようです。
この日は、加藤ふんする愛子が、女優としてアクションシーンの撮影に挑む、本編でもクライマックスとなるシーン。加藤の衣装は、スリットからのぞく美脚がまぶしい黒のチャイナドレス！ 全体に施された龍の刺繍（ししゅう）が抜群のインパクトを醸し出しています。
■そして…ついにクランクアップ！
実はこの衣装は中原の私物！ あつらえたかのように加藤にピッタリだったそうで、こんな部分にも運命的なものを感じずにはいられません！ その中原は、この撮影前に肋骨（ろっこつ）を骨折。
しかしこの日は、その痛みをみじんも感じさせない表情でモニターをチェック。その表情が、主演のプレッシャーと闘いながら撮影に挑む、加藤と重なるのでした。
そして、ごう音の響く弾着シーンの撮影を終え、ついにクランクアップ！ 自然と全員の顔がほころび、諏訪太朗が渡辺監督を娘のようにハグする一幕も。加藤も女優として一皮むけたかのように、安堵（あんど）の笑みを浮かべ、充実の表情を見せていました。
■早川ナオミの今月の一言！
中原翔子 PROFILE
熊本県出身。明治大学在学中よりモデルとして活動後、女優デビュー。高橋洋作品の常連であり、三池崇史や井口昇など海外でも支持されている監督の作品にも多数出演。国内外を問わず、知る人ぞ知る女優である。ニックネームは“地獄のしょこたん”。
＜近況＞
9月26日発売の「別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄」（洋泉社）にわたしのVシネ史インタビューが掲載されています。俳優の小沢仁志さんや黒澤満プロデューサーのインタビューに、驚がくのセレクション120タイトルのレビュー等々、盛りだくさんの一冊です！
編集部・森田真帆 / 入倉功一 カバー写真：高野広美