第18回:アニキの熱い思いとは!?関西CM撮影ウラ話!
寺島進の「月刊 てらじま便り」
関西圏のみで放映され、ひそかな話題になっているのが、寺島アニキが出演している「本格焼肉チファジャ」のCM! コミカルな設定と手作り感たっぷりなローカルCMになぜアニキが!? という声も上がっているようです。そこで今回は、CMの撮影裏話を本人に直撃! そこには人間・寺島進としてのアツい思いがあったのでした。
チファジャっていうのは京都を拠点とした焼肉屋さん。実はチファジャのオーナーと俺の親友である吉田由一が長い付き合いで、一緒に企画したCMなんだ。吉田はEL DRA(エルドラ)っていう関西を中心に活躍するバンドのボーカルで、何度か彼のPVに友情出演したことがあるんだよね。今回のCMは吉田が監督をして、スタッフも前の(PVの現場にいた)人たちが多かったから、ワイワイやったよ。予算の大きいCMって、スポンサーさんやお偉いさん方がいっぱいいて、気を使ったり堅苦しいんだけど、そういうことが全然なかったから面白かったな!
CMは「焼肉編」「銭湯編」、あと鴨川の河川敷で撮影した「デート編」の3パターンがあるんだ。これを丸々、1日京都でロケして撮影したの。初めは銭湯で撮影して、その後河川敷で撮影してさ。仲間内で撮影した感じだったなぁ。衣装も一緒に買いに行って「これはプレゼントします!」って買ってもらっちゃったりして。大好きな京都に行けて、仲間と一緒に仕事ができて、それに焼肉も食べられて……最高の仕事だったよ!
役柄っていうほどでもないんだけど、設定としては吉田が付き合っている彼女のちょっと怖そうな父親役だね。「好きにやってください」って言われたから、ほんっとに自由に演じて楽しかったよ(笑)。
見どころは「焼肉編」だなあ。俺がさ、吉田が演じる彼氏に向かって「焼肉とうちの娘、どっちが好き?」って聞くわけ。それで吉田が「もちろんお嬢さんです」って答えると、俺が「バカやろ~! 焼肉に決まってんだろうが!」って怒り狂うんだよ。
それまでの撮影では、監督・吉田の言いなりになっていたんだけど、本番でいきなり吉田にビールぶっかけてかましてやったんだよ! そんな予定はなかったから吉田もめちゃくちゃびっくりしていて(笑)。もちろん一発OKで、現場は最高に盛り上がっていた。俺としても一番の見どころだと思うから見てほしいね!
映画『BROTHER』に出演している國本鐘健って京都出身の役者がいるんだけど、吉田は國本の京都の役者仲間だったんだよ。初対面から「愛想のいい兄ちゃんだなあ」って思っていて、遊ぶようになったの。それで俺が京都に行くたびに、いろんなところに案内してくれて、すごく仲良くなってね。それが14年も続いていて、今じゃ家族みたいな関係だな。もともと役者だから、映画『監督・ばんざい!』でもマトリックスのパロディーシーンに出演しているよ。
周りから「何でローカルCMに出ることになったんだ?」って聞かれることもあるけど、ようは金じゃなくて「義」なんだよ。俺の仲間が一生懸命企画して立ち上げたから、それに応えてやりたいっていう気持ちだよ。最近さ、家訓を決めたんだよ。一つ目は「愛」、二つ目は「恩義」、それで最後は「結束力」。この三つ。それを大事に生きていくぞって嫁にも話したんだけど、このCMにはこの三つがずいぶん深く関わっているよ。このCM自体が、吉田がチファジャのオーナーさんに「いつもお世話になっているから、仕事で恩を返したい」っていう恩義から始まって、俺の吉田に対する友情というか、家族への愛だな、それでCMの撮影が決まって、みんなで結束してCMを撮影したんだ。この仕事の仕方はずっと変わらないと思うなあ。
今回、一緒に共演した、俳優の吉田由一がボーカルのロックバンドEL DRA(エルドラ)ワンマンショーの応援に駆けつけてきました! 宮崎にて。(吉田は俺の隣!)
1963年生まれ、東京都出身。三船芸術学院で殺陣を学び、殺陣師・宇仁貫三に師事。1986年松田優作監督作『ア・ホーマンス』で本格俳優デビュー。北野武に才能を見い出され、1989年『その男、凶暴につき』以降、北野映画の常連として注目を浴びる。