ひと足お先にチェック!!2015年、注目の邦画はコレだ!
今週のクローズアップ
今年も残りわずか1か月。そこで、2015年に公開される邦画から注目の作品をご紹介! その勢いが止まらない漫画原作の実写化から大人気シリーズの再映画化まで、気になる作品をいち早くチェック。(文・構成:編集部 浅野麗)
人類VS.巨人、壮大な世界を描くアクションファンタジー
『進撃の巨人』
【監督】樋口真嗣
【キャスト】三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大
累計発行部数4,000万部を突破した諫山創の同名大ヒット漫画の実写化として、製作が発表されるやいなや、大きな注目を浴びた『進撃の巨人』がいよいよ夏に公開。先日解禁となったポスタービジュアルも話題になったキャスティングは、主人公エレンを三浦春馬、戦場を舞う女神・ミカサを水原希子、心優しき賢者・アルミンを本郷奏多、反逆の刃・ジャンを三浦貴大、暴走する無邪気・ハンジを石原さとみ、そして映画版の新キャラクターとして人類「最強」の男・シキシマを長谷川博己が演じる。
監督は、『日本沈没』(2006)『のぼうの城』などで知られる樋口真嗣。その他、特撮監督や特殊造形プロデューサー、キャラクターデザイン、音楽などにアニメ界、特撮界のトップクリエイターたちが集結。日本映画界屈指のスタッフが総力を挙げて挑む、「人類VS.巨人」という壮大な世界観に国内外から視線が注がれる大注目作。
2015年夏、前後篇2部作にて公開
第2シーズンも大成功を収めた人気シリーズ8年ぶりの劇場版
「HERO」劇場版(仮)
【監督】鈴木雅之
【キャスト】木村拓哉、松たか子、北川景子、佐藤浩市
2001年に連続ドラマとしてスタートし高視聴率を記録した、木村拓哉主演の大人気シリーズ。今年7月に放送された第2シーズンでも、昨今のドラマ低視聴率はどこ吹く風と平均21.3%の高視聴率をマークし、その人気ぶりを証明。ついに8年ぶりとなる劇場版の公開が決定した!(視聴率はビデオリサーチ調べ)
本作では、木村演じる型破りな検事・久利生公平が、とある国の大使館が鍵を握る事件を担当することになるが、治外法権ゆえに大使館への捜査が進まず危機が訪れる。久利生と対立する外務省欧州局長役には佐藤浩市が抜てき。日本の司法が全く及ばない大使館や外交という、史上最大の敵「治外法権の壁」に、久利生をはじめ、これまで抜群のチームワークを見せてきた城西支部の検事・事務官らがどう挑むのか。オリジナルシリーズでの名コンビ、松たか子の復活、そして劇場版ならではの展開にも期待が高まる。
2015年7月18日公開
ついにクライマックスを迎える2014年最大の注目作・後編
『寄生獣 完結編』
【監督】山崎貴
【キャスト】染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、浅野忠信
1990年代に一世を風靡(ふうび)した岩明均原作の大人気コミックの実写版として話題を集め、ついに公開された『寄生獣』。その完結編として4月に公開されるのが『寄生獣 完結編』だ。謎の寄生生物ミギーと共生することになった、平凡な高校生・新一の一大変化が描かれた前編に対し、寄生獣(パラサイト)と共存しないことを選んだ新一の真の戦いが描かれる。
自分の右手をかつてないほどに意識し、撮影中には度々「ミギーが見えた!」と言うほどまでに入れ込んだ染谷将太が、まさしく若手実力派の名に恥じない名演を見せている本作。「前編で培われたVFX技術を後編に最大限に生かせることが楽しみ」と山崎監督が語るように、さらなる進化を遂げる後半が待ち遠しくてならない。
2015年4月25日公開
元ヤクザの“ジジイ”たちが主役の北野武監督最新作
『龍三と七人の子分たち』
【監督】北野武
【キャスト】藤竜也、近藤正臣、中尾彬、品川徹、小野寺昭
世界の注目を浴びる北野武監督の最新作。オレオレ詐欺の被害者となって憤慨する元ヤクザの組長が、子分を引き連れ孫のような若さの首謀者たちを成敗していくというユニークな設定のヤクザ映画だ。主なキャストであるベテラン俳優たちの平均年齢はなんと72歳ながら、バスが場外市場を暴走したり、プロペラ機が登場するなどハードなアクションにも挑んでいる。
本作ではおはこのヤクザ映画フィールドで、高齢化社会や詐欺などの社会問題に鋭く切り込んだ北野監督。脚本も手掛けるほか、ビートたけしとして出演も果たしている。「随所にギャグをちりばめ、コメディータッチに仕上げてあるから、世代を超えて楽しめる娯楽作品だな。笑ってくれればそれでいいよ」と監督自ら語るように、エンターテインメントに徹した作品で存分に楽しませてくれそうだ。
2015年4月25日公開
漫画家を目指す高校生が日々奮闘する姿を描いた青春ドラマ
『バクマン。』
【監督】大根仁
【キャスト】佐藤健、神木隆之介、小松菜奈、染谷将太
「DEATH NOTE」の原作コンビ、大場つぐみと小畑健による大ヒット漫画を『モテキ』などの大根仁監督が実写映画化した話題作。週刊少年ジャンプでの連載を目指して日々奮闘する漫画家コンビを、『るろうに剣心』での競演も記憶に新しい、佐藤健と神木隆之介が好演する。
実在の漫画作品や出版社が実名で登場したり、劇中で使用される漫画の原稿を小畑自身が描いているなど、漫画ファンにはうれしい小ネタも数多いが、映画ファンとしては、やはり大根監督ならではの巧みな映像表現に注目したいところ。原作の中でも人気の高いライバル役エイジを演じた染谷将太によると、「CGバトルシーンもある。全体的にアクションが多いので苦労した」そうだ。個性的なルックスにふんした桐谷健太、新井浩文、山田孝之ら脇を固める実力派俳優たちにも注目。
2015年公開
岡田将生が初の本格アクションに挑んだ新感覚アクション巨編
『ストレイヤーズ・クロニクル』
【監督】瀬々敬久
【キャスト】岡田将生、染谷将太、成海璃子、石橋蓮司、伊原剛志
本多孝好のベストセラー小説を『へヴンズ ストーリー』『アントキノイノチ』などの瀬々敬久監督が実写化したアクション巨編。極秘実験により生み出された視力・聴力・筋力などが常人よりも発達した青年が、謎の殺りく者集団との激闘を繰り広げながら自身の秘められた宿命と対峙(たいじ)する様子を描く。
近年、作品ごとに新境地を開拓している岡田将生が本格アクションに挑んだことでも話題の本作。初挑戦ながらアクション監督に「センスがある」と言わしめたその出来栄えに期待が高まる。また、暗殺者集団を率いる同じ異能力者には、注目作にその名ありと言っても過言ではない染谷将太がふんしているほか、脚本を『桐島、部活やめるってよ』などの喜安浩平が手掛けるなど、映画ファン注目のコラボも。
2015年6月公開
園子温×鈴木おさむのタッグで描く歌舞伎町の裏社会
『新宿スワン』
【監督】園子温
【キャスト】綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ、伊勢谷友介
累計800万部を売り上げた同名人気漫画を、綾野剛はじめ、山田孝之、沢尻エリカら、人気俳優たちとの強力タッグで実写化した話題作であり、撮影中にはファンが現場に殺到し一時中断するといったトラブルにも見舞われたこともニュースとなった『新宿スワン』。新宿歌舞伎町を主な舞台に、スカウトマンである主人公の成長と歌舞伎町の裏社会を描く。
作者の和久井健自身が、かつて実在した日本一のスカウト会社の元スカウトマンということもあり、リアリティーあふれる作風が魅力の原作を、園子温監督がどう映像化するかに期待が高まるが、加えて園組初参加の俳優たちや、共同脚本を鈴木おさむが手掛けることがどんな変化を生むのかにも要注目。
2015年春、公開
田口トモロヲ監督5年ぶりの新作はラブストーリー
『ピース オブ ケイク』
【監督】田口トモロヲ
【キャスト】多部未華子、綾野剛、松坂桃李、木村文乃
現代女性の恋や仕事におけるリアルな心情を描き、女性から高い支持を集めるジョージ朝倉の人気漫画を実写化したラブストーリー。個性派俳優としても活躍する田口トモロヲが5年ぶりにメガホンを握ることでも話題の作品だ。
恋愛に依存し、流されるままに男性と付き合ってしまうダメ女の主人公・志乃に多部未華子、彼女と恋人との間で揺れ動く年上の男性に綾野剛がふんするほか、木村文乃や菅田将暉、柄本佑ら若手実力者が名を連ねる。中でも注目を浴びているのが、人気イケメン俳優の松坂桃李演じるおかまの天ちゃん。初挑戦のオネエキャラで新境地を開拓している。このほか、宮藤官九郎や廣木隆一監督の友情出演も。
2015年秋、公開
若手人気女優が新境地を開拓したエネルギッシュな時代劇
『駆込み女と駆出し男』
【監督】原田眞人
【キャスト】大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり、樹木希林、堤真一
劇作家・井上ひさしが晩年、10年以上の歳月をかけて執筆したという時代小説「東慶寺花だより」を、大泉洋の主演で映画化。江戸時代、幕府公認の縁切り寺であった東慶寺を舞台に、離縁を求めて寺に駆け込んでくる女たちの聞き取り調査を行う御用宿の居候が、訳あり女たちの再出発を手助けしていくさまを描いていく。
監督は『クライマーズ・ハイ』などの原田眞人。「江戸時代の離婚は現代の2倍!?」とキャッチコピーにうたわれるように、時代劇ながらも現代にも通じやすいテーマを、あまり時代劇では見慣れない若手人気女優たちで描き、笑って泣けるエネルギッシュな作品に。唯一無二な存在を演じ切ったと監督に言わしめた、ノリにノっている大泉の熱演も楽しみだ。
2015年5月16日公開
日本のシンドラーと呼ばれた男の波乱に満ちた半生
『杉原千畝 スギハラ チウネ』
【監督】チェリン・グラック
【キャスト】唐沢寿明、小雪、塚本高史、滝藤賢一、小日向文世
第2次世界大戦中、リトアニア領事として日本政府に背く形で多くのユダヤ難民にビザを発給し彼らの命を救った、「日本のシンドラー」とも呼ばれた男・杉原千畝の波乱に満ちた半生を映画化。杉原を唐沢寿明が、彼を支える天真らんまんな妻を小雪が演じる。
撮影はポーランド全土にわたって行われ、滝藤賢一、小日向文世ら実力派俳優が脇を固めるほか、ポーランド本国で人気を誇る俳優陣も参加。『ブラック・レイン』や『トランスフォーマー』などのハリウッド大作で助監督を務めてきた、『サイドウェイズ』のチェリン・グラック監督がメガホンを取る国際色豊かな大作として、熱い視線が注がれる。
2015年秋、公開
道ならぬ男女の恋の行方を描いた終戦70周年記念作品
『この国の空』
【監督】荒井晴彦
【キャスト】二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴
『共喰い』『海を感じる時』など「性」に葛藤する若者を赤裸々に描いてきた脚本家の荒井晴彦が、17年ぶりにメガホンを取ることで、映画ファンの注目度も高い本作。終戦が間近に迫る東京を舞台に、19歳のヒロインが妻子を疎開させ一人で暮らす隣人男性の身の回りの世話を焼くうちに、女性として目覚めていくさまを描く。
ヒロインの里子には、作品ごとに新たな顔を見せ、体当たりの演技に定評のある人気実力派女優・二階堂ふみがふんしており、本作でもさらなる魅力を開花させてくれそうだ。またそんな二階堂の相手役を務めるのは、幅広い役柄でその魅力を振りまき、『進撃の巨人』でも注目を浴びる長谷川博己。道ならぬ男女の恋の行方に期待が膨らむ。
2015年夏、公開