第83回『超能力研究部の3人』碓井将大
イケメン発掘調査隊
Q:乃木坂46の3人が女優業に挑戦し、そのメイキング過程をフェイクドキュメンタリーとして追い、彼女たちが出演する劇映画『超能力研究部の3人』と並行して1本の映画にするという、とても変わった作品でしたが、撮影はどのように進んだのでしょうか?
フェイクドキュメンタリー用と劇映画用、基本的にカメラは2台あります。だからスタート! もカット! も2回。1度カットがかかっても芝居は終わらず、2度目のカットがかかるまで僕たちは自分自身を演じる、それが基本的なシステムです。
Q:ずいぶんややこしいですね?
監督の山下(敦弘)さんが大変だったと思います。クランクインして3日間は撮影所で、劇映画『超能力~』のリハーサルをするというフェイクドキュメンタリー部分の撮影をしました。カフェや部室などの仮セットが組まれ、そこで『超能力~』の大半を撮影して。僕らはそれがフェイクドキュメンタリーの撮影だと知っていて台本を2冊もらっていましたが、実は乃木坂46の3人だけは知らされていなかったんです。
Q:山下監督とはドラマ「午前3時の無法地帯」でご一緒されていますよね?
そうなんです。前作で僕の出演シーンはちょっとだけでしたが、よく食事をご一緒させていただいていたのでコミュニケーションは取れたのではないかと思います。それで事前に「いつもの現場より自然な感じでやってくれない?」と言われて。撮影は3日間で台本の20ページほどを一気にやったので頭がもう……(笑)。リハーサルという設定ですからフラットな状態で現場へ行き、その場で演出を受けながら演じていきました。事前に山下さんがいくつか映画をピックアップしてくださったので、それを役柄の参考にしたりして。
Q:演じるときはそんなふうに、いろいろな映画を参考に?
僕は割と多いです。好きな役者や映画が役に影響します。それで今回は宇宙人役なので、『A.I.』などを意識しました。人間じゃないのに呼吸したらヘンだよなと思って、口元を動かさず鼻だけで呼吸したりして。もともと「顔が宇宙人っぽい」とよく言われるんですけど(笑)。それで芝居のリズムも宇宙人を意識しました。まず乃木坂の3人が演じるのを見て「とんとんとん」という芝居のリズムがいいと思ったら「とんとととん」とか「とん…とんとん」とか、ちょっとズラしたりして。最初からズラし過ぎると芝居にならないので、そこはバランスを取りながらちょっとずつトライしました。
Q:完成した映画を観た感想は?
こういう感じになるんだ! なんだこれ? と(笑)。山下さんとも「不思議な映画だね」って話していました。山下さんとご一緒したいという若い役者ってたくさんいるんです。とても面白い方だし、現場にいるのが本当に好きな監督なので、近くで演出を見られて幸せでした。自分がこれからもっと大きくなっていく段階で、ぜひまたご一緒したいです。
Q:映画を観るのは好きですか?
めちゃくちゃ好きです。俳優に注目して観る映画を選びますが、シネマトゥデイで検索すると俳優のプライベートのニュースも表示されますよね。それもめっちゃ読みます(笑)。好きな役者はとことん追うので。
Q:好きな映画は?
1本挙げるのは難しいけど……最近観た中ではレオナルド・ディカプリオの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。アメリカに留学して英語で観られるようになったので、余計に面白かったです。
Q:留学だけで英語をマスターしたのですか?
今も勉強していますし、以前インターナショナルスクールの幼稚園でお手伝いをして勉強したりもしました。いつかハリウッドで仕事ができたらいいなと考えています。野心は、ありますよ(笑)。
Q:好きな役者は?
ライアン・ゴズリング。『ブルーバレンタイン』の監督と再び組んだ『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』で共演したエヴァ・メンデスとの間に子供が……って、これもシネマトゥデイ情報です(笑)。
Q:ライアン・ゴズリングが好きな理由は?
『きみに読む物語』や『ブルーバレンタイン』でキャラクターの長い年月を演じていて、その演技は見応えがありました。彼が作る音楽も素晴らしく、製作者として映画作りに関わる姿勢も尊敬します。
Q:映画を撮る側にも興味が?
はい。今ちょうど仲間内で短編映画を撮りたいなと思っていて。自ら脚本も書いて出演もしたいなぁと。これまで撮った作品は3本あります。ふざけて撮ったようなものですが(笑)。
Q:挑戦してみたい役柄は?
ゆがんだカタチのラブストーリーをやりたい。「ゆがんだカタチの恋愛」なんてほとんどの人は経験ないですよね。それを誰もが共感できるリアルな物語に落とし込めたら、それは本物だと思うんです。
Q:休日の過ごし方は?
トレーニングに行きます。あとジャズダンスと殺陣。『ザ・レイド』を観て格闘技も始めようかと。ジムもほぼ週3で通っていて、丸一日休みがあったら映画を観ています。
Q:気分転換のためにすることは?
舞台を観たりしますね。全てが仕事につながるから、役者って、そこもいいなと思います。人の話を聞くのも仕事につながるので、外食にはなるべくいろいろな人と行きます。
Q:好きな女の子のタイプは?
やりたいことがはっきりした子。僕のために、という思考でなく自分のために生きる中にたまたま僕がいた、みたいな関係に憧れます。
Q:女性のドキっとくるしぐさは?
特にないけど……髪を切って「切ったんだ」と言ったときの、何て言ってほしいのかわからない顔にぐっときます。かわいいと言ってほしいのか照れているのか、その顔を10分くらい見ていたい(笑)。
Q:高校時代はどんな子でした?
戦隊ヒーローの「炎神戦隊ゴーオンジャー」に出演していたので、ほとんどがその思い出です。ゴーオングリーンを演じていたので「緑一色」という感じ (笑)。現場と学校の往復でした。
Q:中学時代は?
サッカーをやっていました。映画好きになる前はサッカー好きでした。熱しやすく冷めやすいところがあって、ここまで一つのことに長く熱中しているのは、俳優業が初めてなんです。
取材・文:浅見祥子 写真:高野広美
ヘアメイク:小山恵
映画『超能力研究部の3人』は12月6日全国公開
映画『超能力研究部の3人』
アイドルグループ、乃木坂46の秋元真夏、生田絵梨花、橋本奈々未が映画で初めて主演を務め、『苦役列車』などの山下敦弘監督がメガホンを取った異色作。うそのオーディションで映画の主演に抜てきされた3人が中心となり、映画のストーリーとメイキング風ドキュメンタリーが混在し、うそと本当が交錯しながら一つの作品を構成する。アイドルである彼女たちが女優として山下監督のむちゃな要求に挑む姿だけでなく、ユニークで野心的なプロジェクトがどんな展開を見せるのか期待。
生年月日:1991年12月3日
出身:東京都
身長:175cm
趣味:サッカー、料理、映画鑑賞
芸歴:2007年 D-BOYSオーディションでグランプリを獲得し、同年俳優デビュー。主な出演作はテレビドラマ「なぞの転校生」「シュガーレス」、 映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』『昼も夜も』『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』。山下敦弘監督作にはドラマ「午前3時の無法地帯」に続いて2度目の出演。「千に砕け散る空の星」「ピアフ」「テンペスト」「eclipse」など、舞台でも活躍している。
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