えっ!?これがムーミン?ムーミン谷美術館で魅力を再発見!【フィンランド取材記Part3】
ムーミンの作者トーベ・ヤンソンらが1986年に寄贈した、約2,000点のイラストなどを収蔵するフィンランド・タンペレ市のムーミン谷博物館。「冒険、そしてムーミン谷へ」というテーマで冒険や放浪の旅から帰郷までを表現した展示では、1930年代初めにトーベさんが、初めて公に描いたとされるムーミン画が1番目の作品として登場する。ムーミンの原点ともいえる作品から始まる同展示を通して、世界で愛され続けているムーミンの魅力を再発見した。
■この絵のどこかにムーミンじゃないようなムーミンがいる……。
雑誌ガルムに掲載されたモノクロの風刺画。ムーミンの前身とされるスノークが初めて公の場に姿を見せたイラストの原画で、下腹に「SNORK」と書かれている。
耳がなく、鼻の長~いスノークは、愛らしく丸みを帯びた現在のムーミンとはまるで別のキャラクターのよう。しかし、長年描き続けているから……。
ムーミンのタッチがより表現豊かに変化している様子がわかる。
修整の跡が残っているのも、原画ならではの味わい。
何もない白い紙に生命が宿り、黒のインクだけで臨場感あふれる絵を生み出すことのすごさに感動!
■門外不出!貴重なカラー原画
会場の一角には、黒のカーテンで仕切られたスペースがある。この中には作品の状態が悪く、保護しているカラー原画などが展示されている。
貸し出しを行っていないため、ここでしか見ることのできない貴重な原画だ。引っかいて色を落とすスクラッチボード画法が用いられた作品などもあり、直立での展示は劣化防止のためNG。作品を次世代に引き継ぐための配慮がなされている。
■高さ2メートル超え!圧巻のムーミンタワー
トーベさんがパートナーのトゥーリッキ・ピエティラさんらと3年の時間をかけて建設したムーミン屋敷。設計図を作ることなく、それぞれのイメージを形にしていったという。
驚くのは、細部までリアルに作り込まれていること。窓にはレースのカーテン、食卓にはパンとナイフ、フォークやスプーンは引き出しの中に収納されている。
ここで実際にキャラクターたちが生活していることを前提に作られたような精巧さ。自分も住めちゃうんじゃないか、むしろ住みたいと思わせる内装や家具は魅力的だ。ムーミンママのジャムの貯蔵庫は、地下の真ん中の部屋にあるという。他にもトゥーリッキさんが手掛けたものなどの立体作品も多く展示されていた。
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『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』オフィシャルサイト
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』作品情報
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(編集部・小松芙未)