ブーム再燃!?「ミュータント・タートルズ」が今アツい!
今週のクローズアップ
ミュータントなカメなのにニンジャでティーンエイジャーの不思議なヒーロー、あの「ミュータント・タートルズ」が今、再び、ちょっとキテるらしい!? そこで、今週のクローズアップは、彼らの歴史をひもときながら新生タートルズの魅力に迫ります!(文・構成:編集部 浅野麗)
◆第1次タートルズブームをおさらい
1984年、ケヴィン・イーストマンとピーター・レアードが自分たちのための1冊のコミックとして生み出したのが「ミュータント・タートルズ」。その後、自費出版で発表されると、業界人の目に留まり、瞬く間にキャラクタービジネスの道を歩み始めます。1987年、テレビアニメシリーズが始まり、これと連動してフィギュアやテレビゲームが発売。1990年には初の実写版映画が公開(その後シリーズ全3作が制作)され、本国アメリカを中心に、世界的に第1次タートルズブームが巻き起こるのです。
この世界的ブーム、日本も例外にあらず。映画が公開されると、テレビアニメが日本でも放送されるようになり、ファミコンやゲームボーイなどのソフトが次々に発売された後、なんとオリジナルビデオアニメが制作されるまでに。「ミュータント・タートルズ 超人伝説編」と題されたオリジナル版では、あの円谷プロが制作に参加し、そのためか、タートルズはさらに変身し、3分間だけスーパータートルズというヒーローになる(!)という、驚きの設定まで誕生したのだとか。アメコミのオリジナル作品が日本で制作されたということからも、この第1次タートルズブームがいかにすごかったのか、おわかりいただけるでしょう!
◆ユニーク過ぎる4人(匹?)の魅力とは?
まず、青のアイマスクをしているのがタートルズのリーダー、レオことレオナルド。長男的存在である彼は正義感が強く、クールで冷静、4人の中で一番真面目。武器は鉄製の二刀流。続いて、赤のアイマスクをしているのが、4人の中で最も暴れん坊であり、特攻隊長のラファことラファエロ。短気でうぬぼれ屋、後先考えずに行動するタイプですが、その恐れを知らぬ戦闘技術でタートルズを有利にしてきた存在。武器はサイと呼ばれる角のような形のもの。
紫のアイマスクをしているITオタクのハイテク頭脳派ドナことドナテロ。彼らの住み家のセキュリティーはもちろん、ガジェットも考え出すデジタル発明家。武器は長い木製の棒で、巧みに操る達人。最後は、オレンジのアイマスクをしているお調子者の末っ子マイキーことミケランジェロ。とにかくピザに目がなく、どんな時も元気いっぱいユーモアあふれるムードメーカー。武器はヌンチャク。
そう、もはや言わずもがなですが、彼らはルネサンス期のイタリア絵画の偉大なる巨匠たちの名から命名されています。ちなみに、世界中のタートルズファンの間では、ミケランジェロとラファエロが人気を二分しているのだとか。
◆過去の話じゃない! タートルズブーム再来
彼らの人気がすごいことを知っていても、それは過去のこと……あくまで1990年代を代表する人気キャラクターの一つ、そんな認識の方も多いのではないでしょうか。ですが、実は2012年頃からふつふつと再燃を見せ始めているのです。その発端は2012年、ニコロデオンで放送が始まったこと。初回の視聴者は1,200万人を超えたといわれ、すぐに世界中で大ヒットとなりました。当然ながらフィギュアがすぐに販売されたほか、おもちゃのアカデミー賞といわれる「トイ・オブ・ザ・イヤー賞」にて男児玩具ナンバー1に。さらに、2013年にはスポーツ用品メーカーのFILAがミュータント・タートルズのスニーカーをオンラインで発売すると、わずか15分で売り切れに。
そしてこの勢いはまたまた日本にもしっかりと入ってきており、新シリーズのテレビアニメが2014年に放映。ハローキティとのコラボや、Hondaのバイク「GROM」とのコラボなど、さらなる広がりを見せ、まさしく「第2次タートルズブーム」ともいえる旋風を世界中で巻き起こしているのです。
◆新生タートルズはココがヤバイ!!
再燃したタートルズブームの究極ともいえるのが、2月7日に公開される実写版映画『ミュータント・タートルズ』。あの破壊王マイケル・ベイが製作を務めていることからも容易に想像できるように、決して子供向け映画ではなく、最先端VFXを駆使した、かなり本気モードの「ニンジャ活劇」です。
『トランスフォーマー』シリーズで、マイケル・ベイがロボットたちに息を吹き込んだように、今回の『ミュータント・タートルズ』では、今までで最もリアルに動いているといわれるカメたちのリアリティーにまず驚かされます。その秘密は、ILMが誇る最新のモーションキャプチャーシステム。実際にタートルズを演じた4人の俳優は、細かい表情を捉えるために、毎日2時間かけて顔に白い粉を塗り、VFX用の点を付け、ヘルメットにモーションキャプチャースーツ、さらには軽量の甲羅までつけて演じたそうです。そのかいあって、劇中のタートルズたちはとにかく表情豊かであり、人間の要素を多分に持っているけどカメ……、まさに「ミュータント」として存在しているのです。
そして、そんな彼らの動きのリアルさが最大限に生かされているのが、本作最大の見どころでもあるアクション! それぞれに武術の達人である彼らにとって、アクションは各キャラクターを表現する重要な要素であるため、俳優たちはニンジャブートキャンプで毎日武器の技術や忍者の規律を学び、スタントコーディネーターは性格から動きを特定し振り付けを行ったといいます。最大の敵・シュレッダーとの戦闘シーンでは、4人がおのおのの力を最大限にぶつけながら打ちのめされる中、最後には本作のテーマでもある「家族の絆」で乗り越える。王道の結末を予想しながらも、そのかっこよさに思わずしびれてしまいます。
さらに、アクションの見どころとして忘れてはならないのが、話題の雪山での追跡シーン。曲がりくねった山道をものすごいスピードで車が駆け下りる中、タートルズたちが敵と戦い、仲間を助け、さらには目的地への制限時間も関わってくる。スリルとアクションが混在する中、彼らならではのユーモアのセンスも光り、ハリウッド大作こその「エンターテインメントのだいご味」を感じさせてくれます。
映画『ミュータント・タートルズ』は2月7日より全国公開