ゴールデンウイーク明けの憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる元気が出る映画
今週のクローズアップ
ゴールデンウイークが終わり、そろそろ五月病なんていう言葉がちまたにあふれそうな今日この頃。新生活にまだ適応できずにストレスがたまっている方、はたまた、楽しいゴールデンウイークが終わって仕事を再開するのが嫌でたまらない方。あるいは、ゴールデンウイーク中もずっと仕事でストレスがたまってしまったという方など、この時期はさまざまな疲れが世の中にまん延しているはず。そこで今週は、それぞれの憂鬱(ゆううつ)な気分を吹き飛ばしてくれる「ゴールデンウイーク明けの憂鬱(ゆううつ)な気分を吹き飛ばしてくれる元気が出る映画」をご紹介しましょう。(シネマトゥデイ編集部・坂下朋永)
学校生活の楽しいエピソードにテンションが上がる!
『映画 暗殺教室』
■元気が出るポイント
「倒されるべき存在」として現れた殺せんせーは地球を破壊しようとする悪魔なのか? それとも、生徒たちを救うためにやって来た救世主なのか? 殺せんせーと生徒の交流が活気にあふれ現役の生徒には新しいクラスなど学校生活への励みとなる映画であり、 かつての生徒である大人には自身の学校生活の楽しいエピソードを思い出させ、新生活への活力を与えてくれる映画だ。
■作品紹介
地球を滅ぼそうとする謎のタコ型生物が、なぜかとある学校の落ちこぼれ生徒が集められたクラスの担任となり、生徒たちのレベルアップのため授業を行うようになるという奇想天外なストーリーの人気漫画を羽住英一郎監督が映画化。未知の生命体に教えられる側となった生徒たちには、地球を滅ぼそうとする担任「殺せんせー」を暗殺するという使命が防衛省所属の烏間惟臣(椎名桔平)から与えられ、授業時間であるか否かを問わず、日夜、殺せんせーを暗殺すべく奮闘する。先生を暗殺するというミッションを達成しようとするうちに、生徒たちの知力は大きく向上していく。原作キャラの潮田渚をHey! Say! JUMPの山田涼介が、赤羽業を俳優の菅田将暉が演じる。
突拍子もない展開に、悩んでいるのがバカバカしくなる
『R100』
■元気が出るポイント
過激なプレイと、ところどころ破綻したストーリー展開を見せられていくうちに、日頃抱えている悩み・ストレスが何だか小さなものに思えてくる。頭の中に発生する雑念を吹き飛ばしてくれる作品だ。
■作品紹介
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志監督による、『大日本人』『しんぼる』『さや侍』に続く第4作。家具の小売店に接客要員として勤める平凡なサラリーマンの男性・片山貴文(大森南朋)が、秘密のSMクラブに1年間の契約期間で入会するところから物語は始まる。通常のSMクラブと違うのは、24時間、いついかなる時も客の目の前に女王様(大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、渡辺直美)が現れる可能性があり、路上であろうと家庭であろうと仕事場であろうと場所を問わずに調教が行われるということ。最初のうちは提供されるサービスに満足するも、徐々に過激化するプレイに不安を抱き始める片山。ついには仕事に支障をきたすようになり、SMクラブにプレイの中断を要求するも、支配人(松尾スズキ)からは、契約期間が終わるまで中断は不可能と袖にされ、さらなる辱めを受け続けることに。そうこうしているうちに、片山が秘密のSMクラブに入会しているという事実を知る謎の男・岸谷(渡部篤郎)が現れ、クラブとの関わりを断つよう片山に迫る。秘密が漏れていることに動揺する片山。しかし、それはその後のクレイジーな展開の始まりに過ぎなかったのだった。
人生に対する前向きな力が静かに湧き上がる
『娚の一生』
■元気が出るポイント
人生に疲れた女性がのどかな環境の中で年上の男性との共同生活を送ることで、少しずつ活力を取り戻していくさまが描かれていく本作。仕事に疲れた心を癒やすのにうってつけの一作だ。
■作品紹介
西炯子の人気漫画を『余命1ヶ月の花嫁』などで知られる廣木隆一監督が映像化。同映画に主演した榮倉奈々がヒロインを務める。多忙な仕事や成就しない恋愛によって人生に疲れ、都会の生活を捨てて祖母が暮らしていた田舎の一軒家に移り住むヒロインが、祖母の教え子で52歳の独身大学教授と同居することになり、双方の心に愛が芽生えていくというラブストーリーだ。仕事を辞め、入院中の祖母の家で生活を始めたヒロイン・堂薗つぐみ(榮倉)。しかし、その祖母は急死してしまう。葬儀が終わると、祖母から家の離れの鍵を預かっていたという大学教授の海江田醇(豊川悦司)が現れ、その離れに住むとつぐみに宣言。追い出すこともかなわず、一つの敷地内で年の離れた男女の共同生活が始まる。人生を懸けた恋が終わってしまい、もう恋をしないと決めたつぐみだったが、奇妙な共同生活を送るにつれて、「誰かに寄り添い生きること」を再び意識し始めるようになる。
「こんな展開、ありえない」と思いつつも「人生捨てたもんじゃない」と励まされる
『モテキ』
■元気が出るポイント
実際の世の中でこんなことが起こるのは、恐らく天文学的数字分の1ぐらいの確率だろうが、主人公の頭の中を表現した森山未來のリアルなナレーションが、徐々に観客を引き込んでいく。テンポの良いストーリー展開の本作は、ゴールデンウイーク中も仕事が続いて頭の中がモヤモヤしてしまった方にお薦めの作品だ。
■作品紹介
テレビドラマのラストから1年後の主人公の様子を描いたオリジナルストーリーによる作品。原作者の久保ミツロウがドラマのラストから1年後を舞台に映画用のオリジナルストーリーを書き下ろし、ドラマと同様に大根仁監督が映像化した。音楽情報のニュースサイトの記者として勤め始めた主人公の藤本幸世(森山未來)は、かつて訪れていた「モテキ」がうそのように過ぎ去り、新しく始めた仕事に忙殺される日々を送っていた。唯一の楽しみは自らの生活を実況したツイートという状況だったが、ある日、何げなくつぶやいた一言に返信が来ているのに気付いた藤本。次第に意気投合し、やりとりを繰り返すうちに実際に会うことになる。そして、待ち合わせの場所に現れたのは、長澤まさみ演じる編集者の松尾みゆき。ツイッターのアイコンから、相手は男性だと思い込んでいたため慌てふためく藤本だったが、そんな挙動不審な様子の藤本に嫌な顔一つせず、気さくに話し始めるみゆき。新たなるモテキの到来と共に、ストーリーは拡大していくのだった。
「立ち止まる」ことで見えてくるものがある
『ツレがうつになりまして。』
■元気が出るポイント
全体的にゆったりとしたテンポでストーリーが展開。頑張ることだけが正解ではないことを教えてくれる。また、二人を支える晴子の両親(大杉漣・余貴美子)が描かれることにより、うつ病という病気の治療には外部からの助けも重要なことがわかる。仕事が忙しい、うまくいかないなどで心が折れそうな時に効く作品といえるだろう。
■作品紹介
細川貂々の人気コミックエッセイを『半落ち』の佐々部清監督が映画化。夫がうつ病になったことから、これまでの自分たちの姿を見つめ直し、絆を深めていく夫婦を描いた作品だ。コンピューター関連企業に勤めるサラリーマンの夫・ツレ(堺雅人)が、ある日、仕事に行こうとするも意欲が湧かなくなるという状態に陥る。何とか出勤を続けるも、症状は日を追うごとに悪化。病院で診察を受け、うつ病にかかっているとの診断が下る。原因は職場が人員整理を行ったことによるオーバーワーク。結婚5年目の妻で漫画家の晴子(宮崎あおい)は、夫の変化に気付かなかったことを反省する一方、うつ病についての勉強を開始。加えて、イラストを添えた日記に夫の経過を記し始める。その後、晴子の勧めもあり、ツレは仕事を辞めて治療に専念することに。良くなったり悪くなったりを行き来するうつ病の症状に夫婦二人三脚で真剣に向き合う日々が始まるのだった。