ウーマンラッシュアワーの映画たて・よこ・ななめ見!第32回:『グリーン・インフェルノ』
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、ジャングルの奥地で若者たちが人を食べる現地部族に遭遇! 衝撃の食人ホラー『グリーン・インフェルノ』をななめ見しちゃいます!(取材・文:シネマトゥデイ編集部・入倉功一)
これは人肉の「美○しんぼ」だ!?
村本:正直もう、こういう系の映画は最後にしてほしいわ……。早く家に帰って、『魔女の宅急便』とか『鉄道員(ぽっぽや)』とかを見返したい! パラダイスが喜ぶと思ってOKしたけど……。
中川:僕は大喜びですわ!
村本:やっぱり……人間がサバかれて目ん玉が飛び出ているのを観て、大興奮しとったしな!
中川:血が出る映画って好きなのよ。なんか生きてるって感じがするやん?
村本:するか! でも、そやな。ホラーじゃなくて、ドキュメンタリーを観ているような気持ちにはなったわ。食人族の価値観でいうと、捕まった学生たちは僕らにとっての豚や牛なわけや。そう考えたら、あの残酷な出来事だって、誰も悪くない日常というか……。
中川:社会派の感じが色濃いよな。文明人が勝手に彼らの文化に飛び込んでしまった結果を描くというか。
村本:人間の肉を食べていたけど、「神の恵みだ」とか言って、食に対する感謝の気持ちが食人族にはあったやんか。そういう意味でいえば、一緒にごはんに行ったときに、いろんなものを食べてちょっとずつ残すような女の子の方が、よほどホラーというか。何か、僕らの当たり前がすごく残酷に思えるようになった! 日本人がこれを観て、食べ物に感謝するようになったらええな……。
中川:人間、何かを殺してしか生きられんからな、結局。って……ちょっと「美○しんぼ」の感想みたいになってるやん!
村本:海○雄山が食人族のリーダーのババアにあたるわけやな。まさに人肉の「美○しんぼ」や!
これだけは言いたい!ななめ見ポイント
中川:人間がTボーンステーキみたいになってるとこは、思わずうまそうと思ったわ。
村本:うまそうとは思わんやろ……。塩塗ったりしとったけども。
中川:蒸し焼きみたいにして。でも目玉と舌は生でいってたよな。生でいくときもあるのかと。そういえば、一番初めに食われるのに、ジョナっていうヤツが選ばれたんは、やっぱり太っていたから? 健康体でうまそうに見えるんかな?
村本:というか、あいつら豚とか鶏も飼ってたからな。そっちじゃあかんのかい!
中川:わざわざ鶏をオリから出して若者たちを入れて……。
村本:まぁ、言葉がわからない食人族からしたら、若者たちも牛や豚や家畜と同じなんやろ。で、また面白いのが、捕まっているのは文明の発達した土地から来た賢い人間というね。もしかして牛や豚たちと会話ができたら、すごく頭がいいのかも……って思わせる。
中川:うち、犬を飼っているんやけど、細かい話とかはともかく、「あっちいけ!」とかいったらちょっと悲しそうにしたり、感覚で何考えているかがわかるのよ。そういう意味では言葉の通じない外国人としゃべっているときより伝わっていると思うで。
村本:牛や豚もシメられるとき、映画の若者と全く同じ感じで「もうやめて、助けて、キャー!」って言っているかもわからんからな……。ていうか、そもそも何で彼らは仲間を食べんのやろ。ヒロインが捕まる場所に、太った食人族のババアがいたやろ。まずあいつを食えよ! 一番太ってて誰よりもうまそうやろ!
村本、アン・ハサウェイ級の美女に大興奮!
村本:そういえば、その主役の女の子がすっごい俺のタイプやった! アン・ハサウェイ以来の衝撃やで。
中川:そんなにか~。 主演のロレンツァ・イッツォさんは、イーライ・ロス監督の奥さんやて! 自分の嫁にあんなことさせてたんか……。
村本:いや、嫁じゃないとあかんかったんやろ。俺がもし嫁と映画を撮っていて、さらには夫婦関係がマンネリ化していたとしたら、同じようなことをやらせとるかもわからん!
中川:ええ?
村本:命からがら脱出してきたからこそ、その日の夜は興奮するというか。あの、食人族の前で裸になってさらされるみたいなシチュエーションを撮るところに、監督の変態性を感じたわ! おまえも、嫁のおっぱい写真をみせびらかしてたことがあったやろ……。
中川:今それ言うなよ!
村本:太った奴が一番初めに食われたやろ? 多分、前のシーンで女の子といちゃつくところがあったから、監督がイラッときて急きょ食われることにしたんとちゃう? 現場で「ちょっと台本変更!」とか言って。
中川:職権乱用で食われる順番か変わるって嫌やなぁ……。まぁ、僕が監督だったら、嫁も含めて全員裸のシーンは入れてみたいわ!
中川は○○族だった?
村本:ただ、そんな食人族に対しても、捕まえた女の子がオリの中で我慢しきれずうんこしているのを見て笑っているのを見たときは、ほんまに性格悪いんちゃうか? と思ったわ。けど、俺らも同じようなことをしとるからな。
中川:あ~、食人族と変わらんと。
村本:芸能人なんてまさしくそういう存在よ。俺なんか街を歩いていて中学生とかの団体に、「村本や、村本や」ってはやされて、無視したら「無視してるー! アハハハ」って。ほんまに動物園の動物と同じ感じで接してくるのよ。だから動物園も、あれが人間を見ていると考えたらすごく残酷やで。この間も、公園でハトに焼き鳥をあげているおじいちゃんがいて、俺らから見れば優しいおじいちゃんやけど、ハト目線になると……。
中川:やばいジジイがおる……と思うよな、ハトは。
村本:優しさも恐怖も、視点を変えれば表裏一体ということや。せやから本当、食べ物を粗末にする人たちにぜひ、観せたい! R18+指定の映画やけど、子供にこそ見せた方が、僕は教育的にいいと思う!
中川:せやな。ホラーというよりドキュメンタリーに近いというか。ご飯を無駄にするようなヤツは……。
村本:いや、最初の俺と同じこと言うな! おまえはさっきから、うっすいうっすいコメントばかり言いやがって。全然核心に迫ってないやんか!
中川:それも僕の見方やから。ホラー映画ではないというのが僕の意見やね。
村本:それをさんざん話してきたのに最後に「ホラー映画じゃない」って。俺が言ったことまとめただけやないか! とんだ「コメント食い族」や、おまえは!
今月の激オシ映画はコレ!
『グリーン・インフェルノ』 『ホステル』シリーズなどで知られるイーライ・ロス監督による衝撃のホラー。食人の風習が残るアマゾンの奥地で繰り広げられる、阿鼻(あび)叫喚の世界をショッキング映像満載で描き出す。不正なアマゾンの森林伐採の実態を世に訴えるため、学生の活動家グループが現地に赴く。彼らの度を越した行動によりあえなく全員強制送還されるが、搭乗機がエンジントラブルを起こして熱帯雨林に墜落。生存者たちは救助を求めるが……。
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ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。