映画『スター・ウォーズ』を愛するコスプレ軍団 第501軍団独占インタビュー
スター・ウォーズ特集
ルーカスフィルム公認の世界的なコスチューム団体、第501軍団(以下、501部隊)の日本支部隊長の天島武文氏が、501部隊とは何者なのか? その実態について語った。普段は語られることのない、部隊の創設秘話や決まり事など盛りだくさん!
501部隊って?
Q:501部隊の始まりは?
1997年にアメリカのスター・ウォーズファンのアルビン・ジョンソンが友達のトム・クルーズ(大スターのトムじゃないです)を誘って、ストームトルーパーにふんして劇場をにぎやかしに行ったのが最初です。そういった写真をネットにアップしていたんですが、それを見た人たちが「おれも、おれも」と仲間に加わってきて、そのうちヨーロッパやオーストラリアからも参加者が増えてきて、じゃあ軍隊を模したファンクラブを作ろう! ってことになって、501小隊(後に名称が「軍団」に変わります)が発足したんです。名前は軍隊っぽくしたいということで、いろいろ考え、401stと501stが最終候補になったんですが、韻を踏み、かつ言いやすいという理由で501stになったんです。意味があるようで、実は数字そのものには特に意味はないんです。軍団って英語で言うと「リージョン」なんですが、「リージョン」というのはローマ軍団などに使われている言葉で、今のミリタリーの名前には使われていないんです。つまり、軍隊を模しているけれど、今存在する軍隊に敬意を表してそちらの名前は使わないようにしようという思いがあったようです。
Q:活動の目的は?
もともとは映画館をにぎわして、自分たちで楽しむだけだったんですが、会場に来られない子供たちを楽しませようと、小児病院を慰問したのがきっかけで、チャリティー活動をするようになりました。
日本支部もあります!
Q:世界全体と日本支部でそれぞれメンバーは何人いるのですか?
世界全体で8,200人を超えました。日本のメンバーは85名です。北は北海道、南は沖縄まで、日本全土にいますよ。
Q:日本の部隊はいつ発足したのですか?
エピソード1の公開から1年後に、セガからアーケードゲームが発売され、それを記念してお台場でコスプレイベントがあったんです。その時に、初代隊長となる林修二がサンドトルーパーをやっていたんです。その会場にいた一人と意気投合したことがきっかけで、2000年の5月に発足しました。林は、創設者のアルビンに「君が日本人初のメンバーだ。君はメンバーを集め、日本に部隊を作らなければならない」と言われていて、そのイベントをきかっけに日本部隊の初代代表になったんです。
Q:天島さんが501部隊に入られたきっかけは?
元々コスプレに興味はなかったんですが、写真撮影が好きだったので記録係として5年くらい部隊とかかわっていました。普段はウェブのデザイナーとして働いているので、部隊のロゴを作ったり、ホームページを作ったりしていました。あるとき、試しにちょっとコスチュームを着てみたんです。その瞬間、「お? 悪くないな」と。その1か月後には自分のコスチュームを手に入れて入隊申請していました。隊長になったのは、2008年のセレブレーション・ジャパンの年で、当時は相当なプレッシャーでした。アメリカだとメンバーが大勢いるんですが、当時日本には30人くらいしかいなかったですからね。
Q:入隊特典は何かありますか?
メンバーしか手に入らないオリジナルグッズがあります。今の時期ですと、メンバー限定のクリスマスカードもあります。非売品なので、貴重なお宝グッズですよ!
501部隊のご法度
Q:501部隊として、やっちゃいけないことはありますか?
スター・ウォーズは子供たちのものだと思っているので、公共の場で子供をがっかりさせる行動はとらないのが基本です。酒、たばこ、アダルト系の発言や行動はしません。あとは、政治や宗教的な発言も控えています。絶対的な決まりではないですが、「イベントによっては、近隣の複数地域に同じキャラクターを複数登場させない」とかもありますね。
Q:ベイダーは何人いるんですか?
メンバーとしては7名くらいいるんですが、ルーカスフィルムのキャスティング基準をクリアーして公式イベントに出演できるのはわずかです。主に身長に決まりがあります。世界的にはルーカスフィルムからは190センチ以上が必要と言われているのですが、日本人でなかなかそういった人材はいないので、日本では若干審査基準を下げてもらっています。そこから2メートルになるように靴などで調整しています。数字はあくまで目安なので、絶対ではないです。公式イベントでなければ、出演条件は緩和されます。
Q:ほかのキャラクターにも決まりが?
ストームトルーパーになるのに身長制限はないんですが、公式イベントの際は一緒に登場する場合はトルーパー全員の身長差が5センチ以内に収まるようにしています。たとえば、ストームトルーパーの白いコスチュームですが、青白いホワイトやクリーム色など、素材に微妙な違いがあるので、そこはできるだけそろえるようにメンバーセレクトしています。公式イベントの際は、事前にルーカスフィルムにメンバーの写真を送って審査してもらって承認をもらっているんです。
Q:最後に、新作への期待をお願いします。
(大声じゃ言えませんが)公開当日は仕事を休みます! ストーリーが謎な分、あーなるんじゃないか、こーなるんじゃないかという話を酒の肴にして楽しんでいます。僕としてはファースト・オーダーが絶対悪なのかそうでないのか、どう描かれるのかが非常に楽しみです。昔は悪者、良い者がはっきり分かれていましたが、最近の映画は悪の描かれ方も違ってきています。その時代に合った悪役がいると思うので、そこが非常に興味深いです。エピソード3から10年経って、時代背景も変わっているので楽しみですね。
(編集部:香取亜希)