大豊作!英国俳優カレンダー【10月編】
今週のクローズアップ
英国出身の俳優たちが映画界を席巻して久しいですが、この10月の日本公開作は特に大豊作。ロマンスからサスペンス、イギリス映画からアメリカ映画まで、英国俳優陣が輝く作品を一挙まとめました。(編集部・市川遥)
『世界一キライなあなたに』10月1日公開
■イケメン×辛辣!サム・クラフリン
ジョジョ・モイーズの恋愛小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」を映画化した本作でサムが演じたのは、バイクにはねられ四肢麻痺となった青年実業家ウィル。事故以前に送っていた生活との落差に絶望しているウィルは、彼の介護に雇われたおしゃべりで明るいヒロイン・ルー(エミリア・クラーク)にもつらく当たります。顔が整いまくっているだけに、不機嫌ウィルが発する言葉はシャレにならないほど辛辣……しかし、それがまた良い!
そして、そんなウィルのこわばった心もめげないルーによってほぐされていき、徐々に和らいだ表情になっていくのもさらに良い!! 外国映画や演奏会といった初めての体験に夢中になるルーを、そっとうかがうように見るウィルのいじらしいことといったらありません。主演二人の魅力でとっても爽やかな作品になっているので、ロマンス物が苦手な人でも感動の涙を流せるはず。ルーの恋人役で『ハリー・ポッター』シリーズのネビルことマシュー・ルイスも出演しており、彼のすっかり大人になった姿も見ることができます。
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『アイ・ソー・ザ・ライト』10月1日公開
■トム・ヒドルストンがカントリーソングを熱唱!
トムが本作で演じたのはアメリカ人。しかも、数々のヒット曲を放つも人間関係に悩み、有名になるにつれて酒とドラッグに依存していき29歳で夭逝した伝説的なカントリーシンガー(ハンク・ウィリアムス)という難しい役柄ですが、実際にカントリーシンガーと5週間一緒に暮らすといった徹底した役づくりで見事にハンクを体現しました。劇中では実際に全ての歌を自分で歌っており、トムの南部アクセントと圧巻の歌声は必聴!
『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』10月14日公開
■もはや恋人の域!コリン・ファース&ジュード・ロウ
編集者マックス・パーキンズと彼に見いだされた小説家トマス・ウルフというアメリカ文学界を代表する二人にふんしたのは、これが意外にも初共演となるコリンとジュード。息子を熱望するものの娘にしか恵まれなかったマックスと、尊敬できる父親的存在を求めていたウルフが、小説の編集作業を通じて友情とも父・息子の愛情ともいえぬ特別な絆を育んでいきます。
その濃密な関係にはウルフの愛人(ニコール・キッドマン)やマックスの妻(ローラ・リニー)も嫉妬し出す始末で、もはや二人は恋人の域に達したといっても過言ではないほど。気分屋のウルフに喜んで振り回されながらも、避けられない別れに傷つくマックスをコリンが静かに演じるさまは、どうしようもなく胸に迫ります。そして1920年代ニューヨークファッションに身を包んだコリン&ジュードも見応えたっぷり!
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『スター・トレック BEYOND』10月21日公開
■サイモン・ペッグが脚本家としても活躍!
エンタープライズ号のエンジニア、スコッティ役を務めてきたサイモンが脚本も兼任する(ダグ・ユングと共同脚本)という活躍ぶりを見せたのが、シリーズ第3弾となる本作です。「スター・トレック」誕生50周年やテレビシリーズからスポックを演じてきたレナード・ニモイさんの死を物語に反映させつつ、これまで一緒に画面に映ることの少なかったエンタープライズ号のクルー同士をペアにして彼らの新たな一面を引き出しました。
スコッティ自身、なぜだか愛さずにはいられないその魅力を遺憾なく発揮して、危険な惑星ですぐさま味方を作ってしまうなど大活躍! ちなみに、ダニエル・クレイグに続く7代目ジェームズ・ボンドの有力候補とされているイドリス・エルバもシリーズ初出演で悪役という大役を果たしていますが、特殊メイクが大掛かりすぎて一見しただけでは彼と気づけないところはちょっと残念。
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『われらが背きし者』10月21日公開
■返り討ちに遭ってもすてき!ユアン・マクレガー
『裏切りのサーカス』などで知られるスパイ小説の大家ジョン・ル・カレの小説を映画化したサスペンスでユアンが演じたのは、スパイではなく平凡な大学教授。たまたま知り合ったロシアンマフィアの「資金洗浄をめぐる情報が入ったUSBメモリーをMI6に渡してほしい」という頼みを聞いてしまったばっかりに危険な亡命劇に巻き込まれることになります。
そんな役目を引き受けたのも、彼の家族が組織から命を狙われていると知ったから。弱いのに困っている人を見つけたら放っておけないのです。巨体のチンピラに女性が暴行されているのを目にするや考える前に飛び出すも、やっぱり速攻で返り討ちに遭うユアン……大好きだ!! ユアンは翌22日公開の西部劇『ジェーン』にも出演しており、お人よし大学教授から一変、ヒゲ面で情け容赦のない悪役にふんしています。
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『奇蹟がくれた数式』10月22日公開
■デヴ・パテルとジェレミー・アイアンズの42歳差の友情!
後にアインシュタインと並ぶ天才と呼ばれることになるインド人ラマヌジャン&彼を見いだしイギリスに招いたケンブリッジ大学の数学者G・H・ハーディに、デヴとジェレミーというイギリス出身の二人がふんした本作。数学にしか興味がないハーディは、学歴がないラマヌジャンのこともほかの教授陣とは違って簡単に受け入れますが、ラマヌジャンが偏見や差別にさらされた末に重い病を患ってしまうことに全く気付かない! それだけに不器用なハーディがようやく二人の間の友情に気付き、熱を測ろうとしているのか、病床に伏せたラマヌジャンの額にそっとタッチするシーンは最高です。
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『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』10月29日公開
■『キングスマン』ちょっと入ってる?コリン・ファースのダーシー再び
コリンが『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ第3弾にして12年ぶりの新作で、当たり役となったマーク・ダーシーを再演。若干『キングスマン』風味で「マークってこんなにあか抜けていたっけ……?」と思ってしまうほど、年を重ねるほどに輝きを増して戻ってきました!(第2弾の後にブリジットと破局し別の女性と結婚するも、現在は離婚協議中、といろいろあったことが影響したのでしょうか)
そんな本作で描かれるのは、ブリジット(レニー・ゼルウィガー)の予期せぬ妊娠で巻き起こるドタバタです。再会を果たしたマークとの子供なのかと思いきや、ブリジットは音楽フェスで出会ったアメリカ人IT社長(パトリック・デンプシー)ともいい感じだったためどちらとの子供なのかわからず……。突然の妊娠の知らせにびっくりするものの、堅物な彼なりに十分喜んでいることがビシビシ伝わってくるシーンでのマークの愛らしさといったらありません!
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