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『土竜の唄 香港狂騒曲』生田斗真インタビュー

「男ってバカね」って優しく見守ってもらいたいかな

『土竜の唄 香港狂騒曲』

高橋のぼる原作の人気コミックを、監督・三池崇史、脚本・宮藤官九郎というコンビで映画化した大ヒット作の第二弾『土竜の唄 香港狂騒曲』。ヤクザの世界に入り込み、組織撲滅に向けて大奮闘する潜入捜査官・菊川玲二が今度は香港を舞台に大暴れするアクション・コメディー。前作で、正義感が強く、気高い志を持ち、そして童貞という主人公・玲二をパワフルに演じた生田斗真が再び同役を熱演。シリーズの魅力と役への思いを語った。

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■逆に服を着ている方が恥ずかしかった!?

『土竜の唄 香港狂騒曲』

Q:第二弾が決定したときは正直どう思われましたか?

三池監督もあまり続編に対して前向きではない方だと思うんですが、この映画に関しては前作の撮影が終わった後に、「玲二がその後どうなったのかは見てみたいよね」とおっしゃっていて。だから実現したらいいなとは思っていたんですけど、あまり期待しすぎると実現しなかったら哀しみが倍増しちゃうんで、実はひた隠しにしていたんですよ。だから決まったときはホントにうれしかったですね。

Q:玲二にはすぐに戻れました?

同じ役をもう一度演じるのは初めての経験だったので、一応パート1を見返したりしていたんですよ。でもなんかふわふわした状態というか、若干の不安を残しながらクランクインで。ところが撮影初日に撮影したシーンで、追手から逃げて猛ダッシュで坂道を駆け上がるところを撮影してみたら「あ、これだ!」と玲二が一瞬で戻ってきました。やっぱりド派手なスーツに袖を通して、髪の毛金髪にしてオールバックにしたら玲二にすっと戻れるんだと、ちょっと自分でもビックリしました。実際は3年も空いているんですよ。

『土竜の唄 香港狂騒曲』

Q:映画もオープニングからお約束という感じで、シリーズモノらしい始まりでしたね。ほぼ真っ裸で。

前作よりも裸でいる時間が長かった気がします(笑)。前作のときは撮影が冬だったのでかなり厳しかった。でも、今回は温かい時期の撮影だったのでちょっとホッとしました。ただ、今日も衣装はないのかなという日々が連日続きまして(笑)。逆に服を着ているときの方がちょっと恥ずかしい、みたいな気持ちになりましたね(笑)。

Q:もともと強烈なキャラクターの玲二が、さらにパワーアップしている印象もありました。

物語で玲二は、組織の若頭という大きな立場になっているので、成り上がった感じは出せたらいいなあと思っていました。今回は前作で着ていた赤いスーツに刺繍を入れて、男が上がったイメージも出しています。

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■玲二には男の夢が詰まっている

『土竜の唄 香港狂騒曲』

Q:改めて演じてみて感じた菊川玲二の魅力はありますか?

玲二には、「こういう風に生きることができたらいいな」と思える男の夢みたいなものが詰まっている。すごく真っ直ぐで、正義感にあふれていて、ちょっとバカで、ちょっとエッチで。でも心の中はすっごくピュアなところが魅力的ですね。ホントに玲二みたいに真っ直ぐカッコ良く生きてみたいと思います。観てくださるお客さんにもそんな風に思ってもらえたらうれしい。それから女性の方には「男ってバカね」って優しく見守ってもらいたいかな(笑)。

Q:一見シンプルに見えるキャラクターですが、ヤクザ世界に引き込まれないようにギリギリのところで踏ん張っている葛藤を抱えているところも魅力的です。

そこに関しては、すごく気を使っています。ヤクザの世界にどっぷり浸かっているんだけれど、なぜここにいるのかという部分は要所要所で感じさせていかないといけないと思っていて。本物のヤクザにはなってはいけないということを意識しながら、逮捕すべきターゲットの命を救ってしまうとか。そういう葛藤も玲二らしい真っ直ぐさで演じたいと。そういうところが玲二の男としてのカッコ良さだと思いますから。

Q:共演者の堤真一さん、古田新太さん、瑛太さんたちがのびのびと楽しそうに演じているのも印象的でした。

やっぱり玲二がシンプルで真っ直ぐなだけに、皆さんが自由に好き勝手に暴れてもらえたことは僕にとってはうれしいことでした。そういう部分も全て正面から受け止められる玲二でいたいと思っていましたし。ただ古田先輩はかなり暴れていましたけどね(笑)。

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■菜々緒の蹴りもくらったアクション

『土竜の唄 香港狂騒曲』

Q:今回は女優陣も暴れまくっていましたね。

前作は仲(里依紗)さんが紅一点でお色気担当をされていたんですけど、今回は本田(翼)さん、菜々緒さんが参加してくださったことで、男性スタッフも生き生きするし、現場の空気も物理的にも良い香りがたくさんしていて良かったです(笑)。仲さんは今回も玲二を激しく叱咤(しった)してくれますし、本田さんなんて彼女の将来が心配になってしまうくらい、「こんなシーンやるの?」というところも体当たりで堂々とぶつかってくれて。菜々緒さんはかなり露出度の激しい衣裳を着こなしてアクションにチャレンジしています。男たちがカッコイイ映画ではあるんですけど、今回は女性陣もすごくカッコイイ映画になりましたね。

『土竜の唄 香港狂騒曲』

Q:菜々緒さんとのバトルシーンは迫力がありました。アクションシーンの撮影は大変でしたか?

作品によっては撮影前からリハをして殺陣を決めてしっかり体に覚えさせてからというパターンもあるんですけど、三池監督の場合は現場に入ってから殺陣を決めて、演じる側がちょっと気を抜いたら間違えてしまうかもしれないというギリギリの精神状態も含めてアクションを撮影する監督だと思っています。そのときの目のギラツキ、ちょっとしたアクシデントも含めて、フィルムに収めてしまうような。だから実際に当たったりすることもあります。菜々緒さんとのシーンで、カメラ位置の関係で実際に蹴りを当てなきゃいけないシーンがあって。普通、人なんて蹴ったことないですから、彼女もすごく緊張していて。受け手の僕は「大丈夫ですから当ててください」と話したんです。そしたらバコーン! って入って(笑)。気持ちが良い人だなと思いましたね。かなり気合いの入った蹴りをいただきました(笑)。

Q:劇中で歌う「土竜の唄」で「3番もあります」という歌詞がありましたが、シリーズ化への期待はありますか?

続編を作ろうと思って作ってはいませんから、そこは観客の皆さんに委ねるところですが、もし作られることになったらうれしいです。三池監督と「寅さんみたいに、毎回マドンナとの恋がうまくいかずに、どんどんヤクザの世界にはまっていくというのは面白いかも」なんて冗談として話したりもしました。それぐらい玲二というキャラクターは僕にとっては魅力的ですね。クランクアップのときにメイキングコメントを求められたんですけど、もしカメラが回っていなくてもう1回撮影やり直しになっても、全然オッケーなくらい楽しかったです(笑)。

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■取材後記

撮影現場のことを思い返しながら一つ一つ言葉を選んで語る生田。そこにはこれまでにも役者としていろんな役と向き合ってきた彼の、真摯(しんし)な姿勢が感じられる。ところが、本シリーズの主人公である菊川玲二の話になると、笑顔を浮かべながら次から次へとエピソードが飛び出してくる。まるで玲二が自分の分身であるかのように。そのギャップがとても新鮮だった。(取材・文:永野寿彦)

映画『土竜の唄 香港狂騒曲』オフィシャルサイトはこちら

(c)2016フジテレビジョン 小学館 ジェイ・ストーム 東宝 OLM (c)高橋のぼる・小学館

映画『土竜の唄 香港狂騒曲』は12月23日より全国公開

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