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ハリウッドが『踊る大捜査線』をやるとこうなる!本当に起きた事件を描く感動作

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 ヒーローではない普通の刑事・青島俊作が、縦割り組織のしがらみに苦悩しながら、派手さゼロの地道な捜査で正義を求める伝説の刑事ドラマ「踊る大捜査線」ですが、まさに舞台をそのままアメリカに移したという映画があります。しかも実際に起きた爆弾事件が描かれ、青島俊作よろしく地元密着のヒラ警官たちが未曽有のテロに立ち向かいます。実際に行われた警察の捜査の裏側もまる見えで、「警察24時」を観ているかのような緊迫感でありながら衝撃・ユーモア・感動、全てを詰め込んだ『パトリオット・デイ』というこの映画を、「踊る大捜査線」的に観てみました!

■まるで青島?ヒラ警官のプライド!

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主役はヒーローじゃない普通のおまわりさん!

・まさに事件は現場で起きている!ヒラだからできた地道捜査!

 2013年4月15日、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンで爆弾テロが発生したことは、遠く離れた日本の人々にも衝撃を与えました。愛国者の日=パトリオット・デイに開催され、約50万人の見物客が集まったボストンマラソンの渦中に発生した爆発は、282人の負傷者と3人の死者を出す大惨事となりました。

 犯人は事件発生から102時間後に逮捕。具体的な犯行声明もなく、犯人像も全くわからない状況でありながら、5日足らずで解決にこぎつけた裏側には、地元を良く知る警察官たちの地道な捜査活動と、組織の枠組みにとらわれないエリートたちの協力関係があったのです。

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主役はヒーローじゃない普通のおまわりさん!

 爆弾事件発生時、被害にあった人々を救うため誰よりも活躍したのが現場の警備にあたっていたヒラの警察官たちです。マラソン警備にあたっていた主人公トミー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)は、妻を愛する地元の警察官。現場は混乱し、見物に来ていた妻の身を案じながらも、毅然と無線で指示を叫び続けます。事件解決には、地元住人たちの目撃証言が不可欠だと判断したトミーは、仲間たちと病院に直行。それこそ青島刑事のように、ショックも冷めやらぬ被害者や被害者親族を相手に地道な聞き込みを重ね、事件を解決に導くことになります。

・まるで室井さん!エリートFBI捜査官がヒラと協力!

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冷徹ながら熱い正義を胸に秘めたFBI特別捜査官リック・デローリエ (C) 2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 事件後の現場に到着したのはFBI特別捜査官のリック・デローリエ(ケヴィン・ベーコン)。状況を見てテロ事件と断定したデローリエは、自分が指揮をとることを決意。犠牲になった子供の死体を「現場検証に必要」という理由でその場に放置させるなど、冷徹に職務を遂行する姿は、まるで「踊る」に登場するキャリア組の官僚・室井慎次のようです。

 パッと見ると冷たい上司にしか見えないデローリエですが、心の奥には室井さんと同じように正義を求める熱い思いを秘めており、監視カメラに映った不審な動きを見せる「白い帽子」の男の行く先を推測するため、迷うことなく、ボストンを知り尽くした地元警官のトミーに協力を求めます。地元の通りの全ての店を知り尽くしたトミーの記憶力によって、そうそうに犯人たちの写真を入手。エリート捜査官と地元警察がタッグを組んで事件解決に挑む展開は胸熱の一言です!

■ここまで似てる?逮捕劇にも共通点!

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一般市民の中に犯人は潜んでいた?

・犯人は若い兄弟だった!?凶悪事件衝撃の真相!

 エリートとヒラが手を取り合った捜査によって判明した犯人は、まだほんの20代前後のチェチェン系の兄弟たちでした。遊び半分の若者たちや大手企業をリストラされた人々といった、「踊る大捜査線」の犯人たちと同様、巨大な組織に所属しているわけでもない一般市民だった彼らは、その出自ゆえに西側の文化になじむことができず、インターネットを通じて誤った過激派思想を育てていき、西側に対する憎悪を募らせていったのです。

 2人が犯行に使用した「圧力鍋爆弾」もイスラム過激派のウェブサイトから仕入れた情報で作られた可能性が高いといわれており、誰でもテロリストになってしまう恐ろしさを体現した存在といえます。

・レインボーブリッジどころじゃない!ボストンを完全封鎖!

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犯人の凶行についにボストン封鎖が決定!

 犯人が特定され即、逮捕……! といかないのが現実の捜査。本作でも犯人たちは拳銃を奪おうと警官を射殺したり、一般人の車をカージャックしたりと、凶行を重ねながら逃亡を続けます。次の犯行を食いとめるべく、マサチューセッツ州知事は異例のボストン封鎖措置を決定。『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』では犯人を追い詰めるためレインボーブリッジを封鎖しようと青島たちが奮闘しますが、関係各所の許可など縦割り行政に阻まれることに。しかし、『パトリオット・デイ』では、テロによって傷ついた街の住人それぞれが一致団結することで、見事に封鎖が実現。これにより、包囲網から逃れられなくなった犯人をあぶりだすことに成功しました。

■さすがハリウッドな大迫力のアクション!

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銃撃戦の迫力はさすがハリウッド!

・爆弾と銃で武装した犯人と銃撃戦!街中で車が吹き飛ぶ激しい戦い!

 住宅街で犯人たちの車を発見したことをきっかけに、犯人の兄弟は銃を乱射、さらにお手製の爆弾を爆発させ、警察官が次々に倒れていきます。ボストンはアメリカでも比較的治安が良い地域で、文字通り閑静な住宅街で突如勃発した大銃撃戦は観ているだけで手に汗握る興奮を味わうことができます。警官に「これ使え!」とトンカチを渡してくる住人や、犯人と間違えて仲間の車を撃ってオシャカにする警官たちなど、ドリフ的なユーモアあふれるやりとりも見どころ。邦画ではなかなかできないであろう、ハリウッドならではの大迫力の場面です。『踊る』の和久さんよろしく、犯人を取り押さえるベテラン警官ジェフ(J・K・シモンズ)の活躍も見どころ!

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まるで和久さん? 渋さが光るベテラン警官ジェフ

■警察が一致団結!本当に起きた感動の物語

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悲劇の先に描かれるものとは?

 「踊る大捜査線」と本作の決定的に違う部分といえば、あちらは映画、そしてこちらは現実に起こった出来事だということでしょう。地元エキストラにも見分けがつかないほどボストンの街中をセットで再現し、当時の監視カメラや報道映像を使用するなど、とことんリアリティーを追求した『パトリオット・デイ』の爆弾事件では、架空の映画の殺人事件とは違い、現実に多くの人が傷つき、命を落としたのです。

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悲劇も希望も、全て本当に起きた出来事。

 しかし、被害者の中には、爆弾で足を失いながらも、義足をつけて再びボストンマラソンに出場した人たちがいます。この映画で何よりも重要なことは、組織の枠をこえて協力し合った警察官たちや、勇気をもって犯人に抵抗した市民たち、そうした絶望の中で支え合う人々のつむいだ希望の物語も全て本物だったということではないでしょうか。悲劇の先に、希望の光を照らす、必見の泣ける刑事ドラマとなっています。(編集部・入倉功一)

映画『パトリオット・デイ』は6月9日より全国公開
映画『パトリオット・デイ』オフィシャルサイト
(C) 2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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