オトコマエすぎるオンナ!ワンダーウーマンってなにもの?
強い! 美しい! みんなが待ってた世界最強の美女、『ワンダーウーマン』がついに日本上陸!(8月25日公開)全米大ヒットでもう映画の面白さは証明済み。でもこのスーパーヒーロー、どんなキャラなんだっけ? 映画がもっと楽しくなるかもしれないワンダーウーマンの基本情報や魅力をサクッとチェック!(文:平沢薫)
1.コミックでの誕生は1941年!スーパーマンらと並ぶ古典ヒーロー!
ワンダーウーマンが初めてコミックに登場したのは、なんと今から76年前の1941年。他のDCコミックスのヒーローたちの初登場はというと、スーパーマンが1938年、バットマンが1939年、フラッシュは1940年、アクアマンは1941年。ワンダーウーマンは、彼らと同じくらい古くから愛されてきたキャラクターなのだ。1960年にDCコミックスのスーパーヒーロー・チーム“ジャスティス・リーグ”が初めて結成された時も、ワンダーウーマンはチームの一員。唯一の女性メンバーだった。
2.実写版テレビシリーズでも活躍!主演のリンダ・カーターは人気者!
ワンダーウーマンが主人公の映画は、意外なことに今回の映画が初めて。1974年にプロのテニス選手キャシー・リー・クロスビーが主人公のテレビ映画が作られたが評判はイマイチで、人気を集めたのは1975年と1977~79年まで3シーズン計60話製作されたテレビシリーズ「空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」(1975年のタイトルは「奇想天外! 空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」)。舞台は初期コミックと同じ第二次世界大戦で、敵はナチス。ワンダーウーマンは故郷の島にしかない謎の物質からスーパーパワーを得ていて、ベルトを奪われるとパワーを失うという設定だった。このテレビ版でワンダーウーマンを演じて人気を集めたのが、元ミス・アメリカのリンダ・カーター。彼女は今もテレビドラマ「SUPERGIRL/スーパーガール」などで活躍中。今回の映画版は彼女にカメオ出演をオファーしたが実現せず、製作陣は続編でもオファーすると発言している。
3.ワンダーウーマンの誕生にはいろんな設定がある!?
ワンダーウーマンが生まれ育ったのは、女性だけの種族アマゾン族の住む島。しかし彼女がどうやって誕生したかという設定は、時代によってさまざまに変化してきた。1940年代のコミックではシンプルに、女性だけの種族アマゾン族の女王の娘という設定。1980年代には、母が粘土で作ってギリシャ神話の神々に力を与えられたという設定に。そして2011年のDCコミックス全体の設定がリセットされて、アマゾン族の女王とギリシャ神話の神ゼウスの間の娘という設定。今回の映画ではどの設定になっているのか要チェック。
4.スーパーパワーは怪力と武術!愛用アイテムはこの3つ!
ワンダーウーマンは、優れた身体能力と持久力、そして怪力の持ち主。さらに幼い頃からアマゾン族の戦士たちに鍛えられた、剣や弓などの武術の達人でもある。また、コミックでは、動物とテレパシーで意思を通わせる能力や、飛行装置も持っている。愛用アイテムは3つ。アマゾン族のプリンセスの証で、ブーメランのような武器にもある“ティアラ”。巻きつけると真実しか話せなくなる“真実の投げ縄”。そして、銃弾をも弾く“ブレスレット”。コミックでは、このブレスレットはゼウスの盾から作られているという設定。
5.コミック原作者はウソ発見器の発明家!“真実の投げ縄”はここから?
ワンダーウーマンを生み出したのは、DCコミックスのコンサルタントだった心理学者ウィリアム・モールトン・マーストン。彼はウソ発見器の発明家。ワンダーウーマンの愛用アイテム“真実の投げ縄”は、ウソ発見器の理論から発想されたとの説がある。またモールトンは、心理学者の妻と自分の教え子で恋愛関係にある女性と共に、3人でユニークな共同生活していた。ワンダーウーマンは、この常識にとらわれない女性2人がモデルになったとも言われている。ちなみに、この3人をルーク・エヴァンス、レベッカ・ホール、ベラ・ヒースコートが演じ、テレビドラマ「Lの世界」のアンジェラ・ロビンソンが監督する『プロフェッサー・マーストン・アンド・ザ・ワンダーウーマン(原題)/ Professor Marston & the Wonder Women』が10月27日全米公開。こちらも話題を集めそうだ。
6.映画の舞台は第一次世界大戦!ワンダーウーマンが2つの魅力を発揮!
コミックでは、最初にワンダーウーマンが活躍するのは第二次世界大戦だが、今回の映画の舞台は、それより前の第一次世界大戦、終結直前の1918年だ。当時はワンダーウーマンが最初に訪れる英国でも、まだ女性の選挙権が認められていなかった時代。そんな時代を背景に、ワンダーウーマンの自由な精神が際立つ。また、当時のヨーロッパ戦線では過酷な塹壕(ざんごう)戦が展開中。ワンダーウーマンはその最前線に向かい、激しい銃撃戦の中でずば抜けた戦闘能力を発揮する。
7.ワンダーウーマンのココがオトコマエ!彼女の信念に揺るぎはない!
スーパーヒーローの中には、自分の使命は何なのかと悩むヒーローもいるが、この映画のワンダーウーマンは違う。彼女は迷うことなく、自分の信念を貫いていく。彼女には性別による差別意識はないから、ロンドンで女性蔑視の偏見に出会っても、ビクともしない。オヤジだらけの軍事会議でも自分の意見をきっぱり発言し、意見が賛同されなければ、さっさと自分で行動するのみ。それは戦場でも同じ。圧倒的に不利な戦況の下、彼女は恋人となったスティーブ(クリス・パイン)に「全員を救うことはできない」と、その戦闘に加わらず避難するよう助言される。だが、彼女の信念では、困っている人々を見過ごすことは出来ない。そこで彼女はただ一人、塹壕から飛び出して敵に向かっていくのだ。
8.初めて体験する世界にビックリ!ピュアでキュートな一面も!
今回の映画は、ワンダーウーマンが生まれて初めて故郷の島の外に出た時を描いているので、彼女がカルチャーギャップに驚く場面もいっぱい。ロンドンのレディーの服装をした時も、似合っているかどうかではなく、相撲のシコのような動作で動きやすさを確かめるのが彼女流。また、コミックでも描かれているが、生まれて初めてアイスクリームを食べて感動するシーンもある。強いだけではない、ワンダーウーマンのピュアでキュートな魅力も見どころ。
9.主演のガル・ガドットは実生活でもワンダーウーマン!
ワンダーウーマンを演じるガル・ガドットは実際に兵役経験がある。イスラエル出身なので、18歳からの2年間、イスラエル国防軍で戦闘トレーナーをしていたそう。また、本作のために、6か月間もマーシャルアーツを特訓し、約8キロも筋肉を増やした。さらに私生活では2児の母。彼女は1985年生まれで本年32歳、2004年度のミス・イスラエルになり、映画デビュー作『ワイルド・スピード MAX』(2009)の撮影中の2008年にイスラエルの不動産開発関係の実業家ヤロン・ヴァルサノ氏と結婚。11年に娘アルマちゃん、17年に娘マヤちゃんが誕生。美しくて強いうえに母でもある、まさにワンダーウーマン!
10.監督は『モンスター』の女性監督!ワンダーウーマンは念願の企画!
今回の監督は、女性の連続殺人犯を描く『モンスター』(2003)でシャーリーズ・セロンにアカデミー主演女優賞をもたらした、女性監督パティ・ジェンキンス、46歳。彼女は『モンスター』公開時からワンダーウーマンの映画化を企画していたが実現せず、今回、念願叶っての映画化となった。ちなみに彼女がスーパーヒーロー映画の監督候補になるのは初めてではなく、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)でも監督候補になったことがある。
11.数々の歴代記録を更新中!もちろん、続編企画も進行中!
まず6月2日の全米公開時に、女性監督によるオープニング週末の興行成績を、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015)の記録を超えて更新。また、6月23日(現地時間)には、実写版映画の歴代興行収入記録を、『マンマ・ミーア!』(2008)を超えて更新。また、7月1日(現地時間)には、DCコミックスのスーパーヒーロー映画の歴代北米興収を、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)を超えて更新した。さらに本年の夏休み映画の北米興収トータルも、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を超えて第1位に! すでに続編が2019年12月13日全米公開と正式発表され、ガル・ガドットの続投も決定済み。パティ・ジェンキンス監督の公式発表はまだだが監督は「やりたい」と発言している。舞台は第二次世界大戦かと思われていたが、80年代の冷戦時代になるとの噂もある。今度はどんなワンダーウーマンが見られるのか、期待大!
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