岡田将生が語る「ジョジョ」本気でDIOや吉良になりたかった中学時代
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7月某日、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの一冊を手に取り、「露伴先生だ!!」と満面の笑みを見せた俳優の岡田将生。そう、実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』で虹村形兆役に挑んだ彼は、芸能界きっての漫画「ジョジョの奇妙な冒険」ファンなのであるッ! オファーを受けた当初を振り返り、「観たいという気持ちと、本当にやっていいんだろうかという気持ちがありました」と本気で悩んだという岡田が、「ジョジョ」との出会いや原作の魅力、そして映画への思いを語った。
■出会いは中学生…岡田将生のジョジョ歴
Q:岡田さんとジョジョの出会いはいつ頃なのでしょうか?
中学生の時かな……もともと漫画が大好きで。漫画好きの友達からジョジョは必ず通らなければならない道だと言われていて(笑)。古本屋さんなどに行って、少しずつ買い集めていきました。
Q:岡田さんの中学生時代というと、「ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン」からですか?
そうです! でも、そこに行くまでにはまず1巻から買わないといけないんですよ! だから本当に大変だった……たどり着かないんです……。ようやく追いついた時にはぎりぎり「ストーンオーシャン」の最終巻(80巻)が出た時くらいかもしれないです。
Q:「ストーンオーシャン」ということは、「週刊少年ジャンプ」(集英社)での連載時から?(シリーズはその次の「STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン」連載時に、月刊誌「ウルトラジャンプ」に掲載誌を移行している)
そうですね。中学校1年生くらいからジャンプを買うようになって。しかし第5部完結まででも63巻もあるんですよね……いや~懐かしいな……。しかもジョジョって文庫版も出ているじゃないですか。だから仕事をし始めて、少しずつお金が入るようになってきた時に全巻買い直しました。
Q:全巻ですか!? ちなみに文庫とコミックスどちらを?
コミックスで買いました! やっぱり何回読んでも面白いし、ジョジョはつながっていく感じが面白いんですよね。承太郎の物語は第3部で終わったはずなのに、第4部でまた出てきた時にはすごく興奮しました。
Q:第4部には(第2部の主人公の)ジョセフも登場しますよね。
そう、ジョセフも出てきて……岸辺露伴先生も出てきて……そして吉良吉影も……しかも今(連載中の)「ジョジョリオン」にも「吉良吉影」というキャラクターが登場するじゃないですか。そのつながりがいいですよね……。荒木飛呂彦先生は本当にすごいんですよ……荒木先生の絵が本当にほしいです……。
Q:岡田さんほどの方なら何かしらの機会があったのではと思っていました。
昔はフィギュアも家の中にたくさんあったんですよ……でも一時期増えすぎてしまって。今は自制しています。でもコミックスは買っています!
■大人になると読み方が変わるジョジョ
Q:中学生の頃に読んだジョジョと、大人になってから読むジョジョは違いますか?
そうかもしれないです。まず読むスピードが変わりましたよね。遅くなった(笑)。全部一コマ一コマチェックするようになりました……僕、なんだかんだで一年に一回読み返している気がします。スペインでの撮影時にも、携帯電話にダウンロードして「明日このシーンだ!」と読んでいましたね。
Q:結構な頻度ですね!
康一がどんどんたくましく成長していく様子に、ウルッとくるようになりました(笑)。読むたびに、登場人物が与えられたきっかけを経て成長していく姿に、自分もいろいろな経験をしなければいけないなと感じるんです。自分にとって今回がそのきっかけなのかな……と。自分と重ねて読んで考えることがあります。本当にステキな作品なんです。
Q:ちなみにテレビアニメ版もご覧に?
たまに(リアルタイムで)観ていました! そう、荒木先生の色も大好きなんですよね!
Q:コミックスの表紙も色鮮やかですよね。
本当にすごいんです! あとは(ファンの間で)ジョジョ立ちと言われているポージングも、学生時代にみんなでやっていました。そして今回の映画の撮影現場でも、主演の山崎賢人くんに「ちょっと(コミックス表紙の仗助のポーズを)やってよ!」とお願いしていました(笑)。
Q:撮影時の衣装のままでということですか?
そうです! それで「おお~! かっこいいよ!!」「いいじゃん!!」と言っていました(笑)。
Q:スタンド(特殊能力)も「ジョジョ」の魅力の一つですが、岡田さんの一番好きなスタンドは?
スタンドは、そのキャラクターの人柄によって変わるもの。だから「なおす」という能力の、仗助の「クレイジー・ダイヤモンド」が一番好きだったんです。それと同時に、仗助のような男になりたいと思っていました。あんなに気持ちのいい男はいない。しかもかっこいい。でも人気なのは、吉良吉影の「キラークイーン」なのかな。でもジョルノの「ゴールド・エクスペリエンス」も人気がある気がする。うーん……やっぱり僕は仗助だな。
Q:岡田さんにとってジョジョの魅力とは?
難しいですね……中学生ながら僕は、敵が最大の魅力だなと思っていましたね。もちろん承太郎も好きですし、仗助も好きなんですけれども。それでも敵役に魅力があればあるほど、主人公がなおさら際立つ。その対照的な関係性がとても好きで。DIOや吉良を見て「なんてかっこいいんだろう、こんな悪役になりたい」と中高生の時に本気で思っていたんです。そしたら、第5部で今度はDIOの息子が主人公になっていて!! そういうことも含めて大好きなんですよね。
■荒木先生の願いから実現したセリフ
Q:それでは映画で虹村形兆を演じられることに、大きな喜びを感じられたのでは?
そうですね。仗助にとっての初めの敵ですから。しかも完全な悪ではなくて、自分の信念がある。家族との関係性もステキだなと思いますし。初めて漫画で見た時以上に、年齢を重ねてからあらためてグッときました。ジョジョは見る年齢によっても深みが違ってくる作品ですよね。だからこそ形兆を演じることができてすごくうれしかったですし、完成した作品を観て、本当にやってよかったなと思います。本当に……関われてよかった……。最初に実写化の話を聞いた時には「何!?」と反応してしまったところはありましたが、今は本当に成功すると思っています。
Q:形兆アニキの「誰だってそーする おれもそーする」のセリフも最高でした!
実は初めの方で僕が登場するアンジェロとのシーンで、「出会いとは重力」という言葉が出てくるんです。このセリフは荒木先生から、第6部のプッチ神父の言葉をどうしても入れていただきたいというリクエストがあったことから実現したんですよ。でも僕がそれを知ったのは、本番前に三池崇史監督に言われた時で。すごく重たいセリフをいただいてしまったなと思いましたね……。確かに重力という言葉は第4部では出てこないので、ジョジョの世界観がより一層深まった作品になっているというか。今回は特にセリフに関しては、ほかの作品と比べても思い入れが違うかもしれません。
Q:先ほどは仗助が一番お好きということでしたが、山崎さんが演じられると知った時にうらやましく思われたことも?
いや~、ありました! 仗助のセリフを言っているのを見て、僕も「『ドララララララーッ!!』って言いたい!!」と思いました(笑)。山崎くんは本当に素直で、真っすぐな人なんですよね。彼は「気合い入れます!」って言った後に、「ドララララララーッ!!」とさけぶんですよ。その時にも「おお、さけんでる……かっこいい……僕も言いたい……」と思いました。今回僕は「いけー!」「撃てー!」という命令が中心なので(笑)。やっぱりクレイジー・ダイヤモンドはかっこいいですよね……。
Q:今回は「第一章」という位置づけですが、ほかに演じてみたかったキャラクターはいましたか?
噴上裕也も演じてみたかったんですよね……(スタンドが)ハイウェイ・スターの。違う役でも呼んでくれないかな……さすがにダメなのでしょうけれども……出たい……。噴上も人気ありますよね。
Q:噴上といえば、第4部には仗助と出会ってから敵から味方に…など立ち位置が変わるキャラクターが多いですよね。
そうなんです、露伴先生もそうですし。やっぱり主人公の仗助がいいキャラクターなんですよ。こんなかっこいい男に生まれたかったですよ……。
Q:本当に岡田さんにとって仗助が憧れの存在だったんですね。
そうです! こんなに心がきれいで、人を助けられる人間になりたいと本当に思います! リーゼントはムリかもしれないですけれども(笑)。
Q:その仗助が主人公の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が公開されますが、ジョジョファンの岡田さんから見ていかがでしたか?
本当に裏切らない作品になっていると思います。ファンの僕も興奮する作品でしたし、もちろんファンの方以外も楽しめると思います。やっぱり登場人物たちも魅力的で面白いので。そして何より仗助役の山崎賢人が魅力的なので、ぜひ観ていただきたいです。あとスタンドがすごいカッコイイです! CG最高ですよ!
■取材後記
取材後に「もう一度読みたくなりますよね……好きだな~ジョジョ……」とかみしめるようにつぶやいていた岡田。現在東京ドームシティ アトラクションズで開催中のリアル脱出ゲーム「ジョジョの奇妙な遊園地からの脱出」には、プライべートで行く予定だと目を輝かせていたそんな彼が、スタンドの登場シーンで思わず前のめりになったという映画『ジョジョ』。大の原作ファンの岡田さえも夢中にさせた映画『ジョジョ』がついに幕を開ける。(取材・文:編集部・井本早紀)
映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は8月4日より全国公開