『トランスフォーマー』の疑問を検証!『最後の騎士王』撮影現場に行ってきた!
ついにその全貌が明らかになる日が来た映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』! 「マイケル・ベイって現場じゃ怖いのか!?」「実際にはCGだらけで、爆発してないんじゃないか!?」などなど、頭に湧いたさまざまな疑問を「これって、ガチなんか!?」と検証すべく、昨年行われた本作の撮影に突撃。ハリウッド超ド級大作の裏側を探ってきました!(取材・文:森田真帆)
■予告編に出てくるでっかいお城は本物?←YES!実在します
映画の中ではアンソニー・ホプキンスが演じるイギリス貴族、エドマンド・バートンの自宅という設定で、実在するのかよ! ってくらい美しくて荘厳な建物は、本作の予告編にも登場します。今回お邪魔した撮影現場も、まさにこの場所! スコットランドのエジンバラから車で数時間の場所にあるアニック城で撮影されました。
1096年に建てられたという長い歴史を持つこのお城は、映画『ハリーポッター』シリーズでホグワーツ魔法魔術学校の一部として登場したり、ハリーたちがクィディッチの練習をしたシーンでも使用されたりと、ファンにとっては聖地のような場所。しかし『トランスフォーマー』では、“マイケル・マジック”によって全く違う場所に変ぼうを遂げています。
ベイ印のハリウッド超大作とあって、現場では信じられない数のスタッフたちがあわただしく働いておりました。城のお庭には、バンブルビーをはじめとするトラスフォーマーたちが変形するスーパーカーも駐車中。中世のお城とスーパーカーというと、なんだかミスマッチな気もするけれど、目の当たりにするとクール! の一言。本作では、タイトルに『騎士王』とあることかららも、中世とトランスフォーマーが密接に関わってくることは間違いないですが、何よりも驚いたのは、お城の前に、大きな第2次世界大戦時の戦車まで用意されていたこと。この戦車、大戦時に使われていた本物の戦車だそうで、近くにいたスタッフの方に「これ実際に動くの?」とコッソリ聞いたら「ふふ。あとちょっとしたらわかるよ」と不敵な笑いを向けられました。一体何が始まるんだこの現場!
■マイケル・ベイ映画の爆発ってCGじゃないか説←NO!ガチでした
不敵な笑いを浮かべたスタッフのおじさん、いろいろと現場のことに詳しそうなのでお仕事を聞いてみたら、爆発系のアーティスト(?)という一風変わった役職。「火薬を仕掛けたり、ベイ監督がほしがるデカさの爆発を計算して作ったりしてるんだよ」と説明してくれました。そこで、『トランスフォーマー』シリーズのド派手な爆発がガチなのかどうかを訪ねてみたら、「次のシーンがまさに爆発シーンだよ」とのこと。ワクワクです。
撮影の準備が始まると、はるか遠方を誰かが歩いてる! 目を凝らして見ると、主演のマーク・ウォールバーグじゃないの! さらにベイ監督も、城の門のすぐそばから「戦車を捉えたカメラはOKか? マークを写しているカメラはもうちょっと左だな! あとドローンも飛ばそう」と各部署に指示を飛ばしている真っ最中。いよいよ本番となると、ピリッと張り詰めた空気がその場を包みます。このタイミングで私たちマスコミには綿みたいな頼りない耳栓が配られました。こんなので防げんのかよ……と不安に思っていると、先ほどの戦車が「ゴオオ~!」とすごい音で動き出し、いきなり「ドオオーン!」と火を噴いた! と同時に今度は遠方にいるマークのすぐ近くで「ドッカーン!」と大爆発。どうやら、戦車がマークたちを狙うシーンのようでしたが、あまりにも役者の近くで爆発が起きたので、見ている方はビックリ。「火柱が立ってたけど大丈夫?」と先ほどの爆発おじさんに聞いてみると「ちゃんと計算しているから余裕」なのだそう。綿みたいな耳栓は、なんの役にも立ちませんでしたよ!
■ハリウッドの大物俳優って怖い?←NO!びっくりするほどフレンドリー
さて、大爆発を撮影した後に登場したのは大ベテランのアンソニー! レクター博士ですよ、『羊たちの沈黙』ですよ。間違いなく怖いんだろうなぁ……と遠巻きに見ていると、こちらを向いたアンソニーが笑顔で「君はどこから来たんだい?」と逆に話しかけてくれました! 「に、日本です!」と答えると「いいね日本。大好きだよ」とびっくりするほどフレンドリー。手に持っているココナッツジュースを見せて「これ知ってる? すごい健康にいいんだよ。撮影中ずっとこればっかり飲んでいるんだよ」となぜか営業トーク(?)まで披露してくれました。
また、先ほど大爆発の真っ只中にいたマークは、この日の朝から晩まで出ずっぱりで、取材を受ける時間は全くなし! のはずが、撮影終了後にマスコミの方へ駆け寄って来るナイスガイぶりを発揮! 「とてもクリエイティブな現場だよ。マイケルは頭の中にいろんなアイデアを詰め込んでいるけれど、それだけじゃなくて、スタッフや役者からの提案をすごく面白がって取り入れてくれるおおらかさもある。そのバランス感覚は前作から変わっていない」と本作の現場について語っていました。
■撮影現場にトランスフォーマーはいる?←NO!いるのは車だけ
『トランスフォーマー』シリーズの魅力といえば、テクノロジー機器から変形するクールなロボットたち! 当然ながら彼らはほぼCGで描かれていて、現場にはいません。撮影では、いたるところにエレキバンみたいな丸いシールをつけた全身タイツの女性がアンソニーの横をキビキビと歩いていたのですが、「あれ誰?」と聞いても「言えない」と誰も教えてくれない! 城の中のシーンでは、ソファに座っているマークに飛びかかり、椅子ごと後ろにひっくり返ったりと大変な暴れっぷりでしたが、彼女の正体がわかったのは、作品の映像が公開されてから! 劇中に登場する人型トランスフォーマーの役だったんです。
続いては、ヒロインのヴィヴィアン(ローラ・ハドック)が、トランスフォーマーを相手に「なんなの! あんた!」と追い払おうとして、芝生から転げ落ちてしまうというシーンの撮影がスタート。実際に現場で彼女が立ち向かっていたのはでっかい光る球。それに向かって「コンニャロ!」と追っ払う演技をするのだから、大変です。こちらのシーンも、完成した映画ではものすんごいトランスフォーマーを相手にしていたり、完成版では、現場ではお会いできなかったロボットさんたちが何体も登場しておりました。
この日はまだ撮影段階だったため、何一つ教えてもらえない超極秘体制だったのですが、ロボット担当のお兄さんをとっ捕まえて話を聞いたところ、トランスフォーマーに登場するロボットのデザインには世界中のデザイナーが関わっているそうで、今回初登場する1964年版のベスパロボット君、スクイークスのデザインには中国、南アフリカ、ロシア、スペイン、デンマーク、カナダ、アメリカ、イギリスの様々な分野のロボットデザイナーたちが同時に動いているのだとか。中には医療ロボットのデザイナーもいるらしく、「トランスフォーマーたちのようなロボットが開発されるのも時間の問題かもね」とのこと。バンブルビーを早く作ってください~!
■マイケル・ベイは現場だと鬼畜らしい←NO!めっちゃいい人だった
「スタッフを泣かせるほど怖い」とか「みんなから嫌われている」とか、巨匠マイケル・ベイにはさまざまな伝説が飛び交っております。しかし撮影中、ずっと観察していたベイ監督はいたってクールで、モニターを見ながら各部署に的確な指示を出していました。大声を上げるのは撮影の規模が大きすぎるためでそうしないと指示が伝わらないから。
実際に現場では何台ものカメラが回り、ドローンも飛んでいるので仕方がありません。しかも、誰よりも忙しいのにもかかわらず、時間が空くたびにマスコミの方へ駆け寄ってくれて「楽しんでる?」と声をかけてくれる余裕のイイ人ぶり! この日は、里親が見つからず“世界で一番孤独な犬”として話題になり、愛犬家のベイ監督が「『トランスフォーマー』に出演させる!」と約束したフレイヤを、「よしよし、イイ子」となでなでする場面もたくさん見られました。ベイ監督、優しいっす。
完成した映画を一足早く観たとき、「IMAXで観たら最高だわ!」と思ったのですが、その瞬間、ベイ監督が撮影現場でこんなことを言っていたのを思い出しました。それは「最近の若い子たちは、みんなスマホで映画を観ているだろ? でっかいスクリーンで楽しむのが映画の醍醐味なのに、それをしなくなっている。大人もみんなそうだ。僕は『トランスフォーマー』シリーズは、みんなが映画館で観たいって思えるコンテンツだと思っているから、劇場で最高に興奮できる映画になるように頑張っているよ。でもシリーズをいくつも作っていると、マンネリになることが一番怖い。だから、常に新しくて、エキサイティングで、さらにかっこいいものになるように心掛けているのさ!」と映画への愛がひしひしと伝わる言葉。迫力満点のこのハリウッド大作には、スクリーンへの大きな愛が込められているのです。
映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』は8月4日より全国公開
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