アベンジャーズとはまた違う!「Marvel ザ・ディフェンダーズ」デアデビル役チャーリー&アイアン・フィスト役フィン来日インタビュー
この夏もアメコミ映画大作が続々封切られているが、もう1つアメコミ&海外ドラマ好き待望の作品が上陸! 8月18日から配信のNetflixとマーベルが手を組んで贈る「Marvel ザ・ディフェンダーズ」。それまで配信されていた「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアン・フィスト」でNYの犯罪と戦ってきた4ヒーローが共演するのだ! まさにストリートヒーロー版アベンジャーズとも言うべき注目作。それに出演の2人、デアデビルことチャーリー・コックス、アイアン・フィストことフィン・ジョーンズがそろって来日し、本作の魅力をとことん語った。(取材・文:杉山すぴ豊)
■ヒーロースーツ着るまでをじっくり味わえる!
Q:ヒーローの映画やテレビドラマがいろいろありますが、「ザ・ディフェンダーズ」のユニークなところはどこでしょう?
フィン・ジョーンズ(以下、フィン):この4人がもともとヒーローでないところだろうね。ヒーローになることに躊躇しているというか、もともとヒーローなんかになりたくないし、ヒーロー仲間を作りたいなんて思っていない(笑)。そんな4人がどう目覚め、チームになっていくか、その過程を楽しめる作品だと思うよ。
チャーリー・コックス(以下、チャーリー):この作品に限って言えば、出てくる4人のヒーローたちの背景はそれぞれの単独シリーズできちんと描かれているわけだから、“この4人がどういう奴らなんだ?”をはしおって、“この4人が集まったらどうなるか?”というところからドラマを始められる。観ている人はそこから楽しめるわけで、そこがこのドラマの面白いところだろうね。
Q:マーベルは様々なヒーローを映画でも描いています。しかし、「ザ・ディフェンダーズ」に出てくる4人は、映画よりドラマで描いた方がピッタリくるキャラということでしょうか?
フィン:そう思うね。「ザ・ディフェンダーズ」の4人は、いわゆる宇宙をまたにかけたり、SF的な敵と戦うスーパーヒーローではなくて、ストリートで活躍する、クライムファイター(犯罪者と戦うヒーロー)だからね。超人というより人間だから、彼らの葛藤・悩み・成長をジックリ描いた方が面白い。そう考えると長い尺のあるドラマシリーズの方があっていると思う。
チャーリー:さすがにギャラが高いロバート・ダウニー・Jr(アイアンマン)をテレビドラマの撮影で長時間拘束できないからね(笑)。冗談はさておき、フィンの言う通りだと思う。「ザ・ディフェンダーズ」のキャラは、みんなが共感できる人間味にあふれるキャラだ。例えば、いまのスーパーヒーロー映画で観客が本当に楽しんでいるのって、アクションシーンもさることながら、ヒーローたちがあのコスチュームを脱いで人間に戻って、家とかで弱みを見せたり悩んでいたりするシーンじゃないかと思うんだ。ドラマではその部分を掘り下げて描くことが出来る。僕は最初の『スパイダーマン』の映画で、スパイダーマンになるまでの過程がすごく好きだった。主人公が自分の能力に気付き、とまどい、いろいろあってヒーローになる決意をする。それで、コスチュームを自分で作って。『スパイダーマン』は話が始まって20分ぐらいでスーツ姿になるけれど、デアデビルは13話目でやっとコミック通りのコスチューム姿だからね、その長さがいいでしょう?(笑)
フィン:アイアン・フィストなんてまだコスチュームも着ていないよ!(笑)
■ディフェンダーズ全員でお寿司!
Q:こうしてお話を伺っていると、お2人の仲の良さが伝わってくるのですが、撮影現場でも出演者のみなさんは仲がよかったのですか?
フィン:実は撮影中に4人でこっそり抜け出したんだよね!(笑)あまりにお腹が空いて、4人でバンに乗り込んで、チャーリーおすすめのNYの寿司レストランに行ったんだ。それが初めて4人で食事した機会になったんだけど、すごく楽しかったよ! 印象的だったのは、帰り際、お店を出る時に男の子が僕らに気付いて……「わ、デアデビル? え、ジェシカも!? うお、ルーク! アイアン・フィストまでいる!」とビックリして(笑)。で、また4人でバンに乗って撮影現場に戻った。
チャーリー:そういう風に撮影現場でうちとけて4人の関係はどんどんよくなっていったね。だから脚本家もプロデューサーも僕ら役者同士の相性や絆をわかってきて、それをドラマ作りの中に反映させていったんだ。そういう現場の空気を“呼吸”できるところがドラマ作りのいいところだと思う。実は「ザ・ディフェンダーズ」って撮影が始まるまで、どういうトーンの作品になるのか、誰もわかっていなかった。なぜなら4人のそれぞれのドラマはまるで違うし、どれもシリアスだから。でも4人が共演して初めて、個々のシリーズよりも、なんか軽妙な感じというか、ユーモラスな部分も出てきた。それが「ザ・ディフェンダーズ」の“いい味”になった気がする。僕らのキャラってみんなシリアスだけど、「ザ・ディフェンダーズ」になって初めて「自分を自分で笑える」余裕が出てきたね。そういうケミストリーが面白い。
■ヒーローを演じることに“大いなる責任”!
Q:他のヒーローものと比べて、超能力やすごい武器を使わない肉弾戦が多いのが魅力だと思います。その分、トレーニングやアクションの撮影が大変ではないですか?
フィン:そうだね。ただ僕は「アイアン・フィスト」の撮影が終わって翌日から「ザ・ディフェンダーズ」の撮影だったので、肉体的にそのまま撮影続行という感じだった。ただ殺陣とかトレーニングは現場でやることも多いので日々修行だね(笑)。
チャーリー:今までと違うのは、例えば「デアデビル」なら、基本主人公と敵だけのアクションなわけだけど、「ザ・ディフェンダーズ」では、デアデビルの後ろでもジェシカが誰かと戦っているというようなシーンも多いので、かなり計算された殺陣が必要になってくる。どこの映り込みまで本人とスタントダブルを使い分けて撮るかみたいなことも含めてね。
フィン:そう言えば僕らが初めて4人で戦うシーン(第3話)は、演じているときは夢中だったけど、本当によく撮れてたね。4人の立ち位置とかそれぞれのかっこ良さがよくでていた。
Q:先ほどドラマは時間をかけて視聴者とキャラクターとの関係を築いていけるとおっしゃっていましたが、そういうファンとの絆感じることありますか?
フィン:例えばコミコンとかにいくと、熱狂的なファンが僕を歓迎してくれる! 本当に役者冥利につきるし、恵まれていると思う。ドラマって映画よりもファンとの絆がつくりやすいのかもしれない。ともに長く時間を過ごしているから。よりキャラと観ている人との“個人的”関係がうまれやすいよね。
チャーリー:そうだよね。僕はテレビドラマ「フレンズ」のファンで、自分が7人目の登場人物と夢想して観ていたもの!(笑) だから自分がドラマに出ている時に、自分の演じているキャラが誰かに影響を与えているんだろうなと思ってプレッシャーになることもある。でも、こう思うんだよね。自分は決して人の命や世界を救えるヒーローではない。でも自分はそういう役を演じている。その役が観ている人に、特に若い人に勇気や希望を与えるなら、それはとても大切なこと、それが僕にとってのヒーロー的な“大いなる責任”だと。
【取材後期】
アイアン・フィストのTシャツを着て、デアデビルのマスクを被って行ったら、2人とも笑顔。フィンには写真を撮られ、チャーリーには「そのマスク、快適?」と聞かれたので、「YES!」と答えたら、「嘘だろう!」とツッコまれた。2人とも本当に気さくでナイスガイ! そんな2人が本作について繰り返し語っていたのは、ドラマだからこそ、ヒーローと視聴者とのより深い絆を作ることが出来る、ということ。それこそが“ヒーロー映画”ではなく”ヒーロードラマ”の醍醐味。「アベンジャーズ」とはまた違う「ザ・ディフェンダーズ」だが、彼らの冒険にじっくり付き合いだしたら、すっかりこの4人のヒーローの虜になっていることだろう。
Netflixオリジナル「Marvel ザ・ディフェンダーズ」より8月18日全世界同時オンラインストリーミング