ブレードランナーって何だっけ?~『ブレードランナー』から『ブレードランナー 2049』への道~
SF映画史上に燦然と輝く名作『ブレードランナー』(1982)の30年後を描く続編『ブレードランナー 2049』が10月27日に日本で公開する。主人公も時代も新しいが、前作と同じ世界の出来事で、予告編でも分かるように前作の主人公も登場する。『ブレードランナー』を観ておくと『ブレードランナー 2049』はずっと面白くなる! 「でももう観てるし手っ取り早くおさらいしたい!」というあなたは、このページをチェック! (平沢薫)
<注意>オリジナル作『ブレードランナー』のネタバレがあります。オリジナル作をこれから観る場合は、観た後でお読みください。
『ブレードランナー』のアイテムって何だっけ?
『ブレードランナー 2049』の時代背景は『ブレードランナー』の30年後。なので、オリジナル作に登場したアイテムやその進化型が出てくる。そもそも主人公Kの職業は、オリジナル作の主人公と同じブレードランナーだ。アイテムは多いので、重要アイテムだけおさらいしておこう。
・ブレードランナー
人造人間レプリカントを排除する、警察の特別捜査官の名称。ハリソン・フォードが演じたデッカードも、今作でライアン・ゴズリングが演じたKもLA警察所属のブレードランナーだ。
・レプリカント
人間そっくりの外見で、機能は人間以上の人造人間の名称。人工の記憶が移植されている場合がある。『ブレードランナー』には寿命が4年のネクサス6型が、『ブレードランナー2049』には寿命の規定がないネクサス8型、9型が登場する。
・フォークト=カンプフ検査
レプリカントと人間を見分けるための検査。検査官が対象者に感情を刺激する質問をし、それに対する瞳孔や呼吸などの変化を測定して調べる。検査の記録は保存される。
・人工動物
この世界では動物はほとんど絶滅し、人工動物が売買されている。人工蛇のウロコに、製造番号が記載されているのを発見する場面がある。
『ブレードランナー』の登場人物って誰だっけ?
予告編でも描かれている通り、『ブレードランナー 2049』の主人公Kは、ある質問をするために『ブレードランナー』の主人公デッカードに会いに行く。彼を含めてオリジナル作の主要登場人物を思い出しておこう。
・デッカード(ハリソン・フォード)
レプリカントを始末するのが仕事のブレードランナーだが、レプリカントのレイチェルと恋に落ち、一緒に逃亡する。
・レイチェル(ショーン・ヤング)
レプリカントの創造者タイレルが手元に置いていたレプリカント。彼女は自分がレプリカントだと知らずに暮らしていた。
・ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)
デッカードの同僚のブレードランナー。デッカードとレイチェルが逃亡するのを知りつつ見逃す。趣味は折り紙。
デッカード=レプリカント説って何だっけ?
ファンの間で、デッカードはレプリカントではないかとのうわさがあったが、これについてリドリー・スコット自身が言及。監督は、劇場公開10年後、1992年のディレクターズ・カット発売時に、主人公デッカードはレプリカントだと発言している。監督はディレクターズ・カットに新たに「デッカードがユニコーンの夢を見る」というシーンを追加。このシーンがあることで、映画の最後にガフがユニコーンの折り紙を残すのは、ガフがデッカードの見る夢を知っているという意味になる=つまり、デッカードの記憶は偽造記憶である=デッカードはレプリカントである、と語ったのだ。ただし、デッカードを演じたハリソン・フォードは、オリジナル作の撮影時に彼がレプリカントだと言われたことはなく、人間として演じたと発言している。
オマケ
2019年~2049年の間の出来事を見る
オリジナル作で描かれた2019年から、今回描かれる2049年までの間の出来事を描く短編3作が動画で公開中だ。短編には『ブレードランナー 2049』の登場人物も出てくる。この短編のうち、実写版2作の監督は、オリジナル作の監督リドリー・スコットの息子で、SF『モーガン プロトタイプ L-9』の監督のルーク・スコット。アニメ版監督はTV「カウボーイビバップ」の渡辺信一郎だ。
・『2022:ブラックアウト』
多数の記録が失われた"大停電"が起きる
・『2036:ネクサス・ドーン』
新型レプリカント"ネクサス9型"と、その創造者ニアンダー・ウォレス(ジャレッド・レト)が登場
・『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』
レプリカントのサッパー・モートン(デイヴ・バウティスタ)登場