ウーマン村本、ガッキーの王道ラブコメに人生を見た!
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、新垣結衣が元天才卓球少女のアラサー女性を熱演! 村本の心もキレイに洗われた!? 珠玉のロマンチックコメディー『ミックス。』をななめ見しちゃいます!(取材・文:シネマトゥデイ編集部・入倉功一)
■やっぱりガッキーはかわいい!
中川:めっちゃ王道のラブコメって感じで面白かった! 観ながらニヤニヤしてもうたわ。
村本:大味な笑いもあれば、感度の高い人だと気づきそうな少しシュールな笑いも入っていて、監督はおもろいバラエティーとかの作り方を知っている人やなって気がした(脚本・監督はドラマ「リーガルハイ」の古沢良太と石川淳一)。それでいて心が洗われるようなお話になっていて、何回か泣きそうになったわ。それに、やっぱりガッキーはかわいい!
中川:普通の女の子やったらちょっとぶりっ子に見えそうなそぶりも、ガッキーがやると魅力的やな。
村本:いろんな衣装で出てくるけど、どれもめっちゃ似合う! 女の子たちみんなでチアガール衣装を着てるシーンも、1人だけ目立ってかわいかった。
中川:コギャル化もしてみたり(笑)。ガッキーの演じた多満子も、江島(瀬戸康史)っていう卓球エースの彼氏に手編みのマフラーを渡したり、中身ぐちゃぐちゃな手作りのお弁当を渡したりして、陰で「重いんだよね」とか言われて、情けなさがかわいくて面白い。
村本:むしろ俺は、ああいう華やかな世界を知らん多満子みたいな娘のほうがええなぁ。オリンピック選手やら女子アナがいる派手なクラブじゃなくて、田舎の実家の部屋が落ち着くみたいな。ホンマ、観終わった後でガッキーみたいな彼女がほしいと思ったわ!
■ここだけは言いたい!ななめ見ポイント
中川:広末涼子さんもかわいかった! 赤い髪にしてるとこなんて、昔(映画『WASABI』のころ)を思い出したで。ガッキーと広末さんと田中美佐子さんがいる卓球クラブやったら、弱くても人気出そうやけど(笑)。
村本:ガッキーと瑛太さんが映画のPRで吉本新喜劇に出てはったけど、新喜劇って、出てる人がみんな面白くなるやん? この映画も一緒で、役者さん全員がおいしくなってるのよ。子役の鈴木福くんと谷花音ちゃんも、かわいいだけじゃない、ちょっと生意気なキャラで出てきて、演技の幅の広さがわかったり、全員が得してる。
中川:生瀬勝久さんのドラァグクイーンもすごかったな。
村本:ひとつ思ったのは、生瀬さんのキャラクターとか、田舎に帰ったガッキーが人生のドン底にいるような状況をけっこうデフォルメして描いてたりしていたけど、今ってそういう描写に怒る人もおるんかなって。工場で働いてることをかわいそうみたいに描くな! とか。
中川:そういうヤツもおるんかなぁ?
村本:でもそういうのって、単なる思い込みな気がするねん。例えば世の中で多くの人が当たり前に「普通」って言葉を使うでしょ? 「私なんて普通だから」とか、「普通の友達」「普通の彼氏」「普通の学歴」って。でもそれって、自分にとっての普通なだけであって、人ってみんな違うわけや。俺やったら、一生懸命考えたボケをそれ普通とか、悪口やん? そこにきてこの映画のヒロインは、まさに「普通の幸せってなんだろう」って考えるやん。
中川:確かに、セリフでも言うてた!
村本:やろ? 私は人生がぜんぜん順風満帆にいかなかったけど、自分の好きなことをやっている今が幸せ。今の人生を私なりに一生懸命生きているって考えんねん。「みんな自分だけの特別な人生を一生懸命生きてる」って言う。これやなと。思わずメモってしまったわ。この映画は、そんなみんなの人生がミックスされている、最高の一本なんじゃないかなと思いました!
■村本、挫折ばかりの人生だけど…?
村本:卓球といえば昔、吉本の事務所に謎の卓球台があったんやけど、売れてない不遇の時代に後輩を集めて、売れてる芸人の悪口を言い合いながらラリーする“悪口卓球”っていうのをやってたなぁ。
中川:そのラリー、続くんか?(笑)
村本:みんな悪口を言いたいからすっごい続くねん! ホンマに爽快で、あのときはちょっと卓球にハマッたわ。それこそ、映画の中で挫折して田舎に帰ったガッキーみたいな気分。
中川:俺なんて、挫折したと思ったことなんて1回もないで。
村本:お前には悔しいとかっていう思考がないからな。
中川:挫折って、もうこれは立ち上がられへん、人生終わったわ……みたいなことやろ? それを感じたことがまずない。
村本:お前でも、おやじの会社、倒産してるやん! 借金までして。
中川:そん時も、なんも思わへんかったわ。気持ち的には1日寝たら大丈夫やろくらいの感覚やで。
村本:いやでも、昔M-1グランプリで落ちて、解散するみたいな話になったときに泣いてたやん。
中川:それは感極まっての涙やからなぁ。
村本:挫折ちゃうんかい! 俺なんかしょっちゅう挫折しとるで。M-1なんて、1年かけてネタ仕上げて、たった2分くらいで全てを否定されるわけやんか。芸人なんて顔がすごいよかったり、勉強がめっちゃできたりするわけでもない。俺なんて学歴も中卒や。だから漫才で落とされるなんて、ぶら下がったクモの糸が切られるようなもんやで。毎年のように地獄に落とされるわけや。
中川:俺はプラス思考なんやって。
村本:プラスっていう意味では、俺も毎回、挫折しながらも自分の可能性に対してどこかわくわくしてるで。より手の届かないものに挑戦してる気持ちになって興奮する。だから本来、挫折っていうのは燃えるものやねん。
中川:まさに多満子のスパルタなお母さん(真木よう子)が言うてた「前に出ろ!」みたいな考えやな。
■中川パラダイス=瑛太?
村本:パラダイスは、瑛太さんの役とキャラ(離婚された元ボクサー)がかぶっとったな。
中川:かぶってるか(笑)? まぁ確かに吉本の瑛太やからね、俺は。
村本:ちゃうで、瑛太が映画界におけるパラダイスなんや! お前の奥さんも(瑛太の妻の)木村カエラさんそっくりやん。
中川:何やねんその情報は! でもなぁ、うちは夫婦仲ええけど、もう5年くらいたつから……。自分も萩(瑛太)みたくなるかもって、切なくなったわ。もし離婚なんて言われたら、俺も未練たらしく家族の写真とか持ち歩いてしまいそう! よっぽどいい人に出会わん限りは新しい恋にも踏み出せんと思う……。ガッキークラスでようやくやね。
村本:でも萩かて、重要なタイミングでガッキーの頭ぽんぽんしてあげたりしてたやん? ああいうことがシレっとできる男は、意外と江島君みたいな感じになる可能性もあるで!
中川:『ミックス。』の話、全部崩壊してしまうわ!
『ミックス。』
元天才卓球少女のアラサー女性が、亡き母ののこした卓球クラブの再建と、失恋相手とその恋人のペアの打倒を目標に、男女の混合ダブルスで試合に挑む! テレビドラマ「リーガルハイ」の脚本家・古沢良太と石川淳一監督が全ての人の人生を照らす、かわいすぎるガッキーにも注目のロマンチックコメディー。
(C) 2017『ミックス。』製作委員会
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。「AbemaNews」チャンネルのニュース番組「AbemaPrime」(毎週月~金曜日21:00~23:00生放送)にて月曜レギュラー出演。
中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。