3連休は映画館へ行こう!洋画がびっくりするほど大豊作!
今週のクローズアップ
11月3日(金・祝)は洋画が7作公開されるのですが、これがびっくりするほど良作ぞろい! ピエロホラーから笑えるマーベル大作、美意識ほとばしるトム・フォード監督作からゴッホの油絵アニメーションまで、「文化の日」の名にふさわしく全方面をカバーしたラインナップとなっています。この3連休は映画館に入り浸りだ!(編集部・市川遥)
ピエロと対峙する子供たちが愛しくて泣ける!『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
ホラーなので怖くはあるしオープニングからなかなか残虐な描写もあるのですが、青春映画としても素晴らしい本作。学校では残酷な上級生から目を付けられ、家庭でも息の詰まる毎日を送り、負け犬を自称して「ルーザーズ・クラブ」を結成した子供たちのキャラクターがみんないい(イチオシは眼鏡のリッチー&病弱なエディー)! 頼れるのは互いだけという状況で、自らの恐怖に立ち向かう(ピエロのペニーワイズは相手が恐怖を感じるものに姿を変化させ、相手を食らう)ことになる子供たちの姿は痛ましくも美しく、思わず泣いてしまいます。
飲んだくれアン・ハサウェイが怪獣を操る!『シンクロナイズドモンスター』
インターネットで叩かれてライターの仕事はクビ、酒浸りになって彼氏に家を追い出され、失意の帰郷を果たすや、韓国に現れた怪獣となぜか行動がリンクして街を破壊してしまう……というハチャメチャヒロインを演じたのが、まさかのアン・ハサウェイ。アンがそんなめちゃくちゃな役柄を演じるのも、怪獣を操るさまも面白いですが、本作の魅力は何より先の展開が読めないこと! 「え、どうなるの!? どうなるの!? ひえー!!!!」となる久々の映画で、ある意味『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』よりホラーでした。
ロック様&ケヴィン・ハートのコンビに爆笑!『セントラル・インテリジェンス』
高校時代はスーパースターだったが今やしがない中年会計士のカルヴィン(ケヴィン・ハート)が、1日6時間の筋トレを20年続けたことによりおデブのイジメられっ子からマッチョなCIAエージェントへと変貌を遂げたボブ(ロック様ことドウェイン・ジョンソン)によって大騒動に巻き込まれるコメディー。「世界一稼ぐコメディアン」の肩書は伊達ではなく、ケヴィンの“巻き込まれ型”主人公ぶりに笑わされっぱなし! そしてムキムキエージェントとなるも心はナイーブな少年のままのロック様もキュートです。
読書の秋にぴったり?元夫が暴力的な小説を送り付けてくる『ノクターナル・アニマルズ』
20年前に離婚した夫(ジェイク・ギレンホール)から突然、暴力的な内容の小説が送られてきたスーザン(エイミー・アダムス)の姿を描いたノワールスリラー。スーザンの現在と過去、そして現実とリンクした小説のシーンを巧みに織り交ぜながら展開するストーリーに知的好奇心を刺激されまくり! ファッションデザイナーのトム・フォード監督第2作だけあって、登場する衣装もアートも全て一級品(スーザンは成功したアートギャラリーのオーナーという設定)で、読書の秋のみならず、芸術の秋にもぴったりハマる良作です。
ゴッホの油絵が…動き出した!『ゴッホ 最期の手紙』
自殺したゴッホが弟テオに宛てた最後の手紙を託された主人公が、その責務を果たそうと奔走するうちにゴッホの死の真相に迫る姿を、全編動く油絵でつづった意欲作。キャストが演じた映像をもとに、世界から集められた画家たちが描いた油絵はなんと6万2,450枚! ゴッホの名画の数々が動き出すというのは感動的な体験で、彼の絵がモチーフになっているのにもかかわらず、ダグラス・ブース、クリス・オダウド、エイダン・ターナーらキャストの存在もしっかり感じられるのには感嘆。アートサスペンスとしても一級品です。
ソー&ロキの兄弟がたまんないね!『マイティ・ソー バトルロイヤル』
現代のニュージーランドでシェアハウスに住むヴァンパイアたちの日常をゆる~く描いたコメディー『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』のタイカ・ワイティティ監督がメガホンを取っただけあって、かつてなく笑えて楽しいマーベル映画に! 1本の単独映画としてちゃんと仕上がっていますが、『アベンジャーズ』と『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を復習しておくと小ネタも楽しめるかも。アドリブ推奨で生まれたソー&ロキの兄弟の幼少期の小話、ソー&ハルク/バナー博士のやり取りは本当にたまりません。
すさまじい疾走感!ロバート・パティンソンの演技をカンヌも絶賛『グッド・タイム』
逮捕された弟を助け出そうと、ニューヨークのアンダーワールドの深みにはまっていく主人公の一夜をすさまじい疾走感で描いた本作。『トワイライト』シリーズのイケメンぶりで人気を博したロバート・パティンソンが、振る舞いからアクセントまでニューヨークの下層で生きる男そのものになっており(それはそれですっごく魅力的なのでご心配なく)、彼のキャリア史上最高の演技とも称されているのも納得。『トワイライト』で感情を押し殺した印象の強かったロバートが、本作を引っ提げ出席したカンヌ国際映画祭で生き生きと輝く姿を見た時は心からうれしかったです。『神様なんかくそくらえ』のジョシュ&ベニー・サフディ兄弟監督との撮影が充実したものになったことがうかがえました。