歴代仮面ライダーってどんな存在?ビルド犬飼貴丈が見る先輩の背中
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46年の歴史を持つ東映特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズ。最新作「仮面ライダービルド」と前作「仮面ライダーエグゼイド」を中心に描く劇場版『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(公開中)では、“レジェンドライダー”として歴代の仮面ライダーたちも登場することが大きな話題を呼んでいる。仮面ライダービルドとして、仮面ライダーの世界に飛び込んだ犬飼貴丈が、歴代仮面ライダーたちの存在、共演で見えた先輩たちの背中を語る。(取材・文:小山美咲)
■あこがれの仮面ライダー!
犬飼が演じるビルドは、天才物理学者・桐生戦兎が実験のように二つの成分を組み合わせてあらゆる姿に変身していく仮面ライダー。テレビシリーズは9月より放送がスタートし、劇場版に本格的に参加するのは本作が初めて。犬飼にとっては、テレビ・映画共に初めての主演という大役に挑んでいる。
Q:平成仮面ライダー19作目で主演を務める犬飼さん。オーディションの段階で過去の仮面ライダーは意識していましたか?
もちろん知っていましたし、もしもチャンスがあるならば自分も仮面ライダーを演じたいとずっと思っていました。1年間、主演させていただくということは、その間ずっとテレビに出させていただき世間から評価を受ける立場になるということ。そういうプレッシャーはありますが、特に意識せずにやっていこうと心がけていて、楽しくやれればなという風に自分の中でうまく変換してやっています。
Q:犬飼さん自身があこがれていたライダーはいますか?
子どもの頃は「仮面ライダーカブト」が好きでした。あこがれていた仮面ライダーに自分がなるということはうれしい気持ちがありましたし、高岩さん(スーツアクターの高岩成二)の存在も知っていたので、会える喜びもありました。
■一つ先輩・エグゼイドチームとの共演は刺激
「ビルド」と前作「エグゼイド」の世界観・登場キャラクターを中心に物語が展開する今回の映画。近年の「仮面ライダー」シリーズでは、前後のライダーが競演する劇場版の製作は恒例となっている。
Q:ビルド役に決まったときは「エグゼイド」が放送中でしたね。医療とゲームがモチーフという異色のライダーが一つ前……。
エグゼイドってどんなライダーなんだろう? という興味から入り、「え、うそっ!」と驚きました。自分が演じるビルドはどんなライダーになるのか想像を膨らませていたら、逆に原点回帰的な作品に。僕が知っている仮面ライダーだ! と思いました(笑)。
Q:そんな一つ先輩の「エグゼイド」(主演・飯島寛騎)の面々とは共にメインどころを担いました。共演はいかがでしたか?
エグゼイドチームでは、パラド役の甲斐翔真くんとは撮影がずっと一緒でした。ほぼ初対面でしたが、仲良く話したりしました。1年間「仮面ライダー」をやってきて、いろんな経験を積んできている人たち。そういう意味で、この撮影はすごく刺激になる1か月ちょっとでした。
■レジェンドライダーの存在は心強い
タイトルに“withレジェンドライダー”とあるように本作には、ゴースト(西銘駿)、鎧武(佐野岳)、フォーゼ(福士蒼汰)、オーズ(渡部秀)とその相棒アンク(三浦涼介)というレジェンドたちが登場する。この事実は、仮面ライダーファンの間で大きな反響を呼んだ。
Q:レジェンドライダーたちとの競演を知ったときはどう思われましたか?
歴代ライダーの方々がたくさん出てくださることで、過去のライダー作品は好きだけれど「ビルド」をまだ観ていないという方も、これを機に興味を持って観てくれるのを期待できるのかなと思いました。
Q:レジェンドライダーたちの存在はプレッシャーでしょうか?
むしろ心強いです。正直、自分たち「ビルド」だけでは……という不安はぬぐいきれなかったので、先輩の力を借りられるというのは自分にとって励みになりました。そのおかげで、リラックスして演じられた気がします。
■改めて感じた仮面ライダーを演じることの重み
本作は、凶悪な科学者が企てる人類消滅計画を阻止すべく、仮面ライダーたちが立ち向かう物語。「ビルド」「エグゼイド」のキャラクターたちは、劇中でかつてのシリーズで活躍したレジェンドライダーたちと遭遇し、力を合わせることになる。
Q:撮影現場ではレジェンドライダーを演じる先輩に影響を受けることはありましたか?
佐野岳さんとは1日だけ一緒になりましたが、面識があったので、一緒に仕事ができることがうれしかったです。ジュノン(ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト)の一つ先輩でご飯に行ったりしたことがあり、『仮面ライダー』の現場で会うというのは新鮮でした。そんな岳さんが仮面ライダーになる姿を目にして、実際よりもすごく大きく見え、1年間ライダーを演じることの重みを改めて感じました。
Q:同じ仮面ライダーを経験している先輩と共演して、何を感じましたか?
僕が先輩方をスゴイなと尊敬しているのと同じ分、僕も数年後に同じように思ってもらえるようになっていないといけないなと思いました。僕は、半端に3年くらいキャリアがある上でライダーという世界に入らせてもらいました。だから、長い目での意識というのは、初めから持っていないといけないと思っています。
■いつかレジェンドの一員に…
Q:先輩ライダーたちがこうしてレジェンドになっているということは、いずれ犬飼さん自身もレジェンド的な存在になるということですね。
先は常に考えながら、この1年に全力を注ぐというのは大前提で、それができなければその先もないということを胸に留めて、まず1日1日を真剣に過ごしていかなければと思っています。ビルドを演じはじめてからの5か月はあっという間だったので、あえて意識して取り組んでいかないと過ぎて行ってしまう。一つでも多くのことを学んで外に出て行かないと、レジェンドになれないなと思っています。
■取材後記
先輩たちとの共演で、「自分も同じようにあこがれてもらえる存在になっていかなければ」と感じたという犬飼。「ビルド」の物語では、赤楚衛二演じる万丈龍我が、ついに2号ライダーである仮面ライダークローズに変身するようになったばかり。犬飼は、2人そろっての変身シーンを印象的だと語っていたが、「隣で赤楚がまだ慣れない変身に苦戦しているのを見て、すごく感慨深い思いがわきました」と目を細める姿には、すでにちょっぴり“先輩”な顔が垣間見えた。