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今年最初の泣ける映画はダークなサスペンス!…切なすぎるその純愛とは?

 「悪」になる運命を背負いながら、愛する人を守るために孤独すぎる人生を選んだ男の運命を描く芥川受賞作家・中村文則の同名小説を映画化した玉木宏主演の『悪と仮面のルール』は、ダークすぎるサスペンスでありながら、最後は泣けるラブストーリーです。タイトルからは想像ができないほど切ない純愛を描いた本作は2018年初泣き映画の筆頭と言い切ってもいいでしょう。なにがそこまで泣かせるのか? 本作の切なすぎポイントをご紹介します!(編集部・森田真帆)

愛のための殺人!残酷な宿命を背負った男

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 日本の国家を動かすほどの財閥という大金持ちの久喜家に生まれた少年の久喜文宏は、11歳のある日、父親から彼の今後の人生のすべてを変えてしまうほどの秘密を告げられます。その秘密とは、代々久喜家には、「絶対的な悪=邪」となるために生まれてきた人間が必要とされるというにわかに信じがたい事実。そして、文宏が次の「邪」になるべき人間であるというとてつもない話だったのです! 父はさらに文宏を「邪」に染めるため、14歳の誕生日に「地獄を見せる」と宣言します。

 そんな恐ろしい宣告をされた文宏でしたが、実は彼には幸せな時間がありました。初恋の相手である久喜家の養女である香織といるときです。しかし最愛の香織もまた、父からつらすぎる役目を負わされていました。その事実を知った文宏は、香織を守るために自らの手で父を殺害してしまいます。

10年以上胸に秘めた幼馴染への愛が切なすぎ!

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  憎悪でしかなかった父親の幻影に苦しむ文宏は、自分が父に似ていくことに気が付き香織の前から姿を消し、父親の面影が残る顔を捨てるため、顔面整形手術を受けて、顔を別人に変えてしまうのです。新しく生まれ変わった彼が背負った使命は、たった一つ。かつて同じ屋根の下で暮らし、初恋の相手だった香織の幸せを守ること。

 文宏は子供の頃に抱いていていた香織への愛を、10年以上もの間胸に秘めてきたのです。愛する人を傷つけようとした父の血が流れる自分自身を呪いながら、彼は自分自身を消し去り、彼女の周りに漂う空気のような存在になることを決意します。もう二度と文宏として会えることはないのに、自分の全てを犠牲にして彼女を守ろうとする文宏のピュアな愛に胸がしめつけられます!

あまりにもダークな世界観…その中のひとかけらの想い

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 生まれ変わった文宏は、香織を守るためであれば、手段を選ばず自らの手を汚します。そんな中、文宏は彼と同じく「邪」」の道へと父親に導かれた人物が香織を狙っていることを知り、彼との対決を覚悟するのです。

 香織を演じているのは、最近映画、テレビで注目の新木優子。つらい過去を背負いながらも、運命に負けることなく凛と生きる女性を演じており、その透明感のある美しさは、まさに文宏が命懸けで守るにふさわしい女性を表現しているといえます。また、香織を狙う謎の人物を演じているのは、人気ロックバンドであるブランキー・ジェットシティのドラマーとして活動し、役者としても唯一無二の存在を確立している中村達也。映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』や『野火』などで、異様な雰囲気を存分に役柄へと反映させてきた中村ですが、この役柄は怖い! 怖すぎる! この圧倒的な狂気を前に張り詰める緊張感は唾を飲み込むのすら忘れるほどです。そんな強敵を前に、香織のためであれば命さえも惜しまず立ち向かっていく文宏の姿はあまりに刹那的です。

切なすぎるラストに涙腺崩壊

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 本作を彩るキャストには、日本映画界を牽引する実力派が集結。文宏が自分自身を投影させる孤独なテロリスト役の吉沢亮の儚げな美しさ、無言の迫力で恐怖を与えると各キャストたちの個性的な魅力が物語を盛り上げています。

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 そして、何と言っても玉木宏の、物言わず表情だけで孤独を表す演技はさすがの一言! 大好きな女性を命懸けで守っているのに名乗り出ることもできない切なさが文宏の表情から痛いほど伝わってきます。ただただ彼女を守るために殺人を繰り返してきた文宏の最後の決断は……涙腺が崩壊すること間違いありません。あまりにも切なすぎる純愛に涙が止まらない一方で、この映画は「人を愛することの切なさと優しさ」を、心の中に落としていくことでしょう。

映画『悪と仮面のルール』は1月13日より全国公開
オフィシャルサイト

(C) 中村文則/講談社 (C) 2017「悪と仮面のルール」製作委員会

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