マーベル版スパイアクション!ブラックパンサーでマーベルの歴史が変わる!
提供:ディズニー
『アイアンマン』(2008)以来、新たな試みに挑戦し続けてきたマーベル映画の歴史において、最も重要な存在と言っても過言ではないのが、3月1日に日本公開される『ブラックパンサー』です! 本国アメリカでは、公開4日間の興行収入が映画史上歴代3位となる約2億3,500万ドル(約258億円・1ドル110円計算)を達成。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に次ぐ数字をたたき出しました。社会現象級のヒットとなった本作の魅力とは? アカデミー賞も夢じゃない! マーベル版『007』ともいうべき、興奮のアクションと深いテーマを兼ね備えた秘密を徹底解説します!
まるでキャップ×アイアンマン!ブラックパンサーってそもそも誰?
ブラックパンサーは、アフリカの国家ワカンダの王が受け継ぐ称号です。発展途上国とされているワカンダですが、実は希少鉱石ヴィブラニウムの産出国で、ヴィブラニウムが秘めた力をテクノロジーに転換し、医療・科学・教育などあらゆる面で西洋諸国を超越した文明国家! その国土には超近代都市が広がっています。歴代の国王は、ヴィブラニウムの影響を受けた神秘のハーブで身体能力を飛躍的に上昇させ、“ブラックパンサー”としてこの国の秘密を守ってきたのです。
現ブラックパンサーのティ・チャラは、アベンジャーズ同士の激突を描いた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で初登場。当時は王子でしたが、爆破テロで前国王の父を失い、容疑者だったウィンター・ソルジャーことバッキーを捕えようと、彼の親友だったキャプテン・アメリカと対立しました。
漆黒のスーツはヴィブラニウム製で、あらゆる衝撃を吸収して攻撃に変換する優れモノ。ヴィブラニウム製の爪は、あらゆる物を切り裂きます。バイクに追いつく俊足と驚異的なジャンプ力など生身の身体能力も異常に高く、頭脳も明晰。国民からも信頼される、キャプテン・アメリカとアイアンマンの良いとこどりをしたような完璧超人です。しかし、父を失った心の傷は癒えておらず、いきなり王になることへの不安はぬぐえません。
まさにマーベル版ジェームズ・ボンド!
ワカンダは、国の秘密を外敵から守るため、世界中にスパイを派遣しています。ティ・チャラも自ら任務に出向くことがあり、「007」のコードネームを持つジェームズ・ボンドのマーベル版と言っても過言ではありません。そんな彼を支えるのはたくましい女性たち。その活躍は、まさにボンドガールです。
ティ・チャラの元恋人であるナキアは、世界をまたにかけ活動するスパイの一人。力だけではなく精神的にも、新米の王である彼を支える頼れる女性の姿は必見です。さらに、ティ・チャラを守る親衛隊ドーラ・ミラージュの女性たちを率いるオコエは、屈強な悪党どもをヴィブラニウム製の槍で手玉にとる最強の戦士として、時にブラックパンサーの見せ場を奪う(?)大活躍を見せます。
ティ・チャラの妹シュリは、小型EMPや足音を無くすシューズ、あらゆる乗り物を遠隔操作する装置、通信から傷の治療にまで使える数珠状のアイテム「キモヨ・ビーズ」など、ジェームズ・ボンドもうらやむグッズを一手に開発している天才少女。もちろん、ブラックパンサーのスーツも彼女が改良したもの。ユーモアのセンスも抜群で、まるで『007』のスパイグッズを開発しているQのようですが、王国のピンチに自ら戦いに出向く根性は、彼以上かもしれません。
007並みのスパイ映画?脅威のアクションと本格ドラマの融合!
アカデミー賞監督のサム・メンデスが手掛けた『007 スカイフォール』『007 スペクター』は、見応えのあるドラマ展開で、アカデミー賞ノミネートもささやかれる程のクオリティーが話題になりました。『ブラックパンサー』もその可能性を秘めています。監督・脚本のライアン・クーグラーは、『ロッキー』のスピンオフ『クリード チャンプを継ぐ男』が絶賛された新鋭。31歳にして、ドラマ展開で観客を惹きつける名手でもあります。
アフリカ系アメリカ人であるクーグラー監督は、『ブラックパンサー』の舞台を南アフリカにすることにこだわり、キャストにも次世代のアフリカ系のスターをそろえました。本作は、黒人のヒーローが主人公となる初のマーベル映画であり、真の意味でアフリカ系のルーツに対する多大なるリストペクトと、偉大なメッセージを込めた、エポックメイキングな一本でもあるのです。
ブラックパンサーのミッションは、ヴィブラニウム密輸を企む武器商人の確保。事件の裏には、ワカンダの“ある秘密”をにぎる元アメリカの秘密工作員エリック・キルモンガーが関与しています。ワカンダを支配しようとするキルモンガーとの戦いを通して、「真の王とは何なのか?」という問いかけに向き合うティ・チャラ。クーグラー監督の発言を借りれば、“『007』と『ゴッド・ファーザー』のヒーロー版”ともいうべき圧巻のクオリティーを誇っているのです。
ちなみに、ティ・チャラ役のチャドウィック・ボーズマンをはじめキャストのほとんどはアフリカ系。『ロッキー』スピンオフ『クリード チャンプを継ぐ男』のマイケル・B・ジョーダン(キルモンガー役)、アカデミー賞女優のルピタ・ニョンゴ(ナキア役)、「ウォーキング・デッド」のミショーンを演じるダナイ・グリラ(オコエ役)、『ゲット・アウト』で第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされているダニエル・カルーヤ(ウカビ役)など、次代を担う若手実力派がそろっています。さらにCIAエージェント、エベレット・ロス役のマーティン・フリーマンと、武器商人ユリシーズ・クロウ役のアンディ・サーキスが数少ない白人キャストとして出演しており、キャストもオスカー級です。
『アベンジャーズ』新作のキーマンは彼!
『シビル・ウォー』の戦いでバッキーの疑いが晴れた後、ブラックパンサーはキャプテン・アメリカと和解。戦時中の洗脳からバッキーを解き放つため、彼らを外界から隔絶された、秘密の地であるワカンダに連れて行き、冷凍状態に置きます。
最強の悪役サノスとアベンジャーズの戦いを描くシリーズ最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(4月27日公開)の予告編では、ブラックパンサーが、キャップとバッキー、ブラック・ウィドウ、ハルク、ファルコン、そしてワカンダの戦士たちと共に、敵の大軍に立ち向かう姿が映し出されています。『シビル・ウォー』でアベンジャーズを離れ、世界のお尋ね者になったキャップは、ワカンダに潜伏していたのでしょうか? 予告では、トレードマークの盾を手放したキャップが、新しいシールドを装着している姿も登場していて、シュリお手製のアイテムと思ってよさそうです。
本来、秘密の存在であるワカンダはサノスの軍勢から世界を守るため立ち上がることになるのか? ブラックパンサーが『インフィニティ・ウォー』の戦いを左右する重要なカギになるのは間違いありません。『インフィニティ・ウォー』に続く『アベンジャーズ』4作目で、『アイアンマン』(2008)からスタートしたマーベル・シネマティック・ユニーバスの物語は一段落するとされています。『ブラックパンサー』は、迫るフィナーレを迎えるうえでも、必見の一作となりそうです。(編集部・入倉功一)
映画『ブラックパンサー』は3月1日より全国公開
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