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絵画のように美しい!3月の5つ星映画5作品はこれだ!

今月の5つ星

 アカデミー賞ノミネート作品が授賞式開催月の3月になんと5作も公開! そのうち4作と、末次由紀による大人気漫画の実写映画完結編をピックアップ。これが3月の5つ星映画5作品だ!

社会の片隅で生きるアウトサイダーに向けた、デル・トロの愛のまなざし

シェイプ・オブ・ウォーター
Fox Searchlight Pictures / Photofest / Getty Images

シェイプ・オブ・ウォーター

 『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督が、声を出せない女性と不思議な生き物の愛を描いたファンタジーロマンス。種族を超越した愛という設定は『美女と野獣』を彷彿させるが、ヒロインも孤独な存在であるという点には、これまでも社会の片隅で生きるアウトサイダーたちへの愛を描いてきたデル・トロ監督らしい温かなまなざしが感じられる。そのヒロインはサリー・ホーキンスにあて書きされたというのも納得。実年齢41歳ながら、少女のようなヒロインを声なしに繊細な佇まいで演じきっている。また、悪役を務めたマイケル・シャノンは、主人公たちを追い詰めていく中でも“社会に押しつぶされてしまった者の悲哀”をにじませ、単なる悪役で終わらない魅力がキラリと光る。レトロでファンタジックなビジュアルは一幅の絵画のように美しく、人ならざるものの姿を借りて人間の本質を浮き彫りにする監督ならではの“ほろ苦い大人の童話”的な要素は今作でも健在だ。(編集部・吉田唯)

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』は3月1日より公開中

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レリゴーの次はリメンバー・ミー!

リメンバー・ミー
(C) 2018 Disney / Pixar. All Rights Reserved. (C) 2018 Disney. All Rights Reserved.

リメンバー・ミー

 おもちゃ、モンスター、海、車とさまざまな世界を描いてきたディズニー/ピクサーが最新作では死者の世界を描く。夢と希望の代弁者たちが死者の世界を表現すると、こんなにも彩り豊かなのかと衝撃を受けるほどのカラフル祭り。日本人おなじみの三途の川は、見るも鮮やかなオレンジのマリーゴールドの花びらで出来た橋という斬新さ! そして、子供も観る映画にガイコツが大勢登場して大丈夫? と案ずるなかれ、どのガイコツも個性的かつ陽気で「生き生き」としていて、怖さは感じられない。『トイ・ストーリー3』でアカデミー賞を受賞したリー・アンクリッチ監督ほか、歴代のディズニー/ピクサー作品を手掛けたクリエイターらが脚本や作曲に名を連ね、アニメ界のアカデミー賞といわれるアニー賞で11部門受賞したことからも、作品の完成度の高さはお墨付きだ。さらに注目は物語で重要な意味を持つ主題歌「リメンバー・ミー」。『アナと雪の女王』で「レット・イット・ゴー」を大ヒットさせたクリステン・アンダーソン=ロペスロバート・ロペスの黄金コンビが作り上げた曲は、「レリゴー」みたいに歌いたくなる。(編集部・香取亜希)

映画『リメンバー・ミー』は3月16日より公開

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全員ハマリ役!若いキャストたちのパワーに感服

ちはやふる
(C) 2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

ちはやふる -結び-

 2016年に公開された『ちはやふる -上の句-』『-下の句-』に続くシリーズ3作目にして、完結編となる『-結び-』。広瀬すず野村周平新田真剣佑らメインキャストが再び集まり、競技かるたに熱中する高校生たちの青春が描かれる。前作のヒットから2年という時が経過しているが、描かれる物語もあれから2年経った「現在」。キャラクター、そして役者たちの「2年の成長」が、『-上の句-』『-下の句-』が映し出した熱量をさらに上昇させ、臨場感あふれるかるたの試合シーンは、息を止めてしまうほどの緊張感で生々しい。3作目とあって、広瀬、野村、新田のおなじみの3人は、ほかに代わりはいないと言い切れる貫録を見せつけているのはもちろん、本作から参加した優希美青佐野勇斗清原果耶らがかなり良い味を出している。出来上がった世界観、しかも完結編にいきなり飛び込んだにもかかわらず、違和感はまったくない。広瀬をはじめとするキャスト全員が役を飲み込むことで、自分自身の力で自らをハマリ役に仕立て上げたのではと思わせるような、みずみずしくもパワフルな才能の集結は見ものだ。(編集部・小山美咲)

映画『ちはやふる -結び-』は3月17日より公開

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この赤ちゃん、ナメていたらガツンと来る!

ボス・ベイビー
(C) 2017 Dreamworks Animation LLC. All Rights Reserved.

ボス・ベイビー

 『マダガスカル』シリーズのドリームワークスアニメーションから新たな傑作が誕生した。ボス・ベイビーは7歳の主人公ティムの弟として家にやって来た赤ちゃんなのだが、中身はどう考えても大人(スーツも着ている)。日夜問わず泣きわめいて両親を言いなりにする姿は、まさしくボスで……。現実と空想が入り混じった子供時代を、トム・マクグラス監督が縦横無尽に描くアニメーションには笑顔にならないようにする方が大変で、アニメーションという表現方法の醍醐味を堪能できる。これまで両親の愛を独占していた子供が新しく生まれる兄弟をどう受け入れ、どう愛するのか。ティムとボス・ベイビーの凸凹コンビぶりが楽しく家族向けでもあるのだが、仕事を頑張るボス・ベイビーが「おまえは仕事をわかってない!」とティムに声を荒げるシーンなど、バリバリ仕事をしている人の心の琴線にも触れる。ドリームワークスアニメーション作品が日本で広く劇場公開されるのは実に6年ぶり。同スタジオの映画を映画館で観て、大笑いして大泣きできる幸せにもグッときた。(編集部・市川遥)

映画『ボス・ベイビー』は3月21日より公開

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面白い映画に賞なんて関係ない!

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
(C) Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

 名優メリル・ストリープトム・ハンクスが巨匠スティーヴン・スピルバーグとタッグを組んだ社会派ドラマ。アメリカ政府の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」にまつわる実話を基にしている。業界ナンバーワンではない地方紙が「国家機密」という未知の領域に踏み込んでジャーナリズムの最前線に躍り出ていくさまがスリリングで、組織も人もゆるかった前半から徐々に引き締まっていく後半のギャップがたまらない。リアリティーとドラマ性をテンポよくストーリーに織り交ぜ、バランス良くまとめ上げたスピルバーグ監督の匠の技には、史実をさておいても映画としての面白味がある。そして専業主婦からアメリカ主要紙初の女性新聞発行人となったキャサリンにふんしたメリルは、思ってもいなかった職に就き、重責に苦悩する一人の女性・母親を繊細に表現。メリルであることすら忘れるほど引き込まれる名演はさすが。第90回アカデミー賞では作品賞と主演女優賞にノミネートされているが、たとえ受賞しなかったとしても「面白い映画に賞なんて関係ない!」と思わせる、人の視覚や脳・心を十分に楽しませる秀作だ。(編集部・小松芙未)

映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は3月30日より公開

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