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悪役もハマる!清水尋也、変幻自在な生まれながらの俳優

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『ちはやふる -結び-』清水尋也【第121回:イケメン調査隊】

清水尋也

インタビュー INTERVIEW

清水尋也
(C) 2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

Q:小学生のころから『ちはやふる』の原作ファンだったそうですね?

女の子の幼なじみから借りて読んだのが最初です。それで自分も競技かるたをやろうと、原作で千早が所属するかるた会のモデルとなった「府中白妙会」に電話をかけたんです。そのとき対応してくださったのが、國村隼さん演じる原田先生のモデルになった方で。結局は中学受験と重なってタイミングが合わず、入会は出来ずじまいだったんですけど。

Q:競技かるたの魅力をどのように感じていますか?

異次元の世界なんですよ。まず100枚の札をすべて覚えるわけですが、その時点で難しい。時間をかければ出来るでしょうが、競技かるたでは上の句を聞いて一瞬で下の句を連想出来ないとダメなんですよね。しかも試合で使うのは100枚の字札のうち50枚で、それを自分の陣地に並べて位置を暗記し、競技が始まるんです。競技が進むと札の位置はどんどん変化しますから、その状況に対応するためにとても頭を使います。原作や映画で千早が試合のあとに倒れたりグッタリしたりする描写がありますが、決して大げさではありません。だから自分は、あのときに入会しなくてよかったかも(笑)。見ているぶんには楽しいですが、本気でやっていたら地獄を見ていたかもしれません……。

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清水尋也
(C) 2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

Q:『ちはやふる』シリーズやテレビドラマ「anone」と、広瀬すずさんとの共演が続きますね。

不思議とそうなのですが……広瀬さんは相変わらず天才です。僕自身もそうですが、誰にもお芝居を始めたころは足りない部分が絶対にあるはずなんです。でも広瀬さんは、そこからプラスに転じるスピードがあまりにも速過ぎる。それでいて監督が何を求めているのか? 映画で自分がどう見えるべきなのか? 求められているものを理解したうえで、それをドンピシャに提供していく。インプットからアウトプットまでの時間が短く、本当に天才だなと。シンプルに、芝居がうま過ぎる。僕の兄(清水尚弥)も役者なのですが、先日もドラマ(「anone」)のオンエアを観ながら「21世紀で一番(の女優)だね」って。彼女を超える人はそうそういないと思います。

Q:千早のような女の子をどう思いますか。

好きです。僕自身は誰かと一緒にいるときは、イジってイジられて、人を巻き込んで楽しみたいタイプなので、アクティブな人が好きなんです。小さいころから背が高かったので怖がられるというわけでもないのですが、僕が一方的に上から何か言ってるように見える構図になることが多くて。頭を1発叩いたら、2発叩き返してくれるような子がいいです。

Q:『ちはやふる』では全国大会常連の名門・北央学園のエース、須藤暁人を演じられていました。

原作で一番好きなキャラクターだったんです。今読めば須藤の中にある優しさや人間味を感じられますが、小学生で読んだときは、いつも余裕そうに構えていて、ちょっとトンがった風情がクールでカッコいいなと。オーディションのときも「絶対にこの役をつかみたい!」と思っていました。候補者の中で一番原作への愛があるのは自分だと思っていたので、生意気ですけど、落ちるわけがないとまで思っていました。だからもちろん決まったときは本当に嬉しくて。撮影へのモチベーションはいつにも増して高かったように思います。公開されてからの反響も大きく、俳優としての自分の可能性を広げてくれた作品だと思っています。

清水尋也
(C) 押切蓮介/双葉社 (C) 2017「ミスミソウ」製作委員会

Q:『ちはやふる -結び-』に続いて公開される『ミスミソウ』も漫画の実写化作品です。どのようなことを意識しましたか。

映画という違う媒体に昇華するので、単に原作通りでは面白くないですよね。原作との違いを見せたいし、オリジナリティーは出したい、とは思うんです。今回の場合、台本上ではグロテスクな部分もカットせず、原作通りに振り切って書かれていました。原作通りのフィールドが出来上がっていたので、僕たち俳優は無理に原作を意識して動きを制限することなく、自由に演じることが出来たと思います。

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一問一答 PRIVATE

清水尋也

Q:女の子を「いいな」と思う瞬間は?

いろいろありますが、ご飯をおいしそうに食べているとき(笑)。男の子の前ではあまり食べられないという人よりも、よく食べる人が好きです。

Q:外見的な好みは?

アクティブな人が好きですけど、ボーイッシュというより、女の子らしさはやっぱりほしい。髪の毛も短過ぎない方がいいですかね。だからといって、くるぶしくらいまで長くても困りますけど!(笑)

清水尋也

Q:小説と漫画、どちらが好きですか。

文字を読みたい時期と絵を見たい時期といったふうに波があります。小説も好きですが哲学書なども読みます。その時々に自分が欲しているものを摂取するという感覚ですね。

Q:サッカー、バスケなどのスポーツのほか、バンドを組んでベースをやったり、幅広いことに興味があるんですね。

自分に何が向いているのかわからなくて。もともと親がサッカーが好きで、FC東京の試合を観に行ってたんです。それで兄が先にサッカーを始め、僕も3歳で始めて。でも小学校に上がってクラブ活動を選ぶとき、サッカーがなかったんですよ。バスケットボールは屋内でやるし、汚れないからいいかな~と勢いで始めました(笑)。音楽も、パッと興味が湧いたんです。そのタイミングでたまたま知り合いからベースを譲り受け、ちょっとやってみようかなって。なので自分から「これをやりたい!」と始めたものはあまりないんですよね。

Q:俳優の仕事も、最初は事務所の方に声を掛けられたとか。

そうですね。でも兄(清水尚哉)が先に俳優の仕事をしていたので、最初は逆にやりたくないと思っていたんです。撮影現場で怒られて泣いて帰ってきたりしていたので「そんな大変そうなことしたくない!」と。

清水尋也

Q:一方で「俳優は天職」ともおっしゃっています。

「ダメだったら止めればいいかな?」という生半可な気持ちで始めたのですが、やってみたら楽しくて。もともとは前のめりなモチベーションはなく、何が正解かもわからない。でも作品を重ねるごとに少しずつ実力のようなものがつき、漠然とですが、前より成長していると実感出来てそう思うようになったのかもしれません。どこかの時点で急に「天職だ!」と思ったわけではないんです。

Q:普段から映画はどのように観ていますか?

片っ端から観るという感じは1本、1本の価値をあまり感じられないので、好きではありません。小学生のときに読書感想文がありましたけど、「好きな本を読んでその感想を書きなさい」という課題なら30分で終わるんですが、「この本を読んだ感想を」と言われると急にやる気がなくなるへそまがりなタイプで(笑)。映画も人から「絶対に観た方がいい」と強く言われると逆に観られなくて……。

清水尋也

Q:好きな映画として『ユージュアル・サスペクツ』(1995)と『メリーに首ったけ』(1998)を挙げられていましたね。

『ユージュアル~』はある作品のために監督から観てほしいと言われ、『メリー~』はキャメロン・ディアスが好きで、出演作を片っ端から観ていた時期に観ました。あとヒース・レジャーが好きで『ダークナイト』(2008)も大好き。ミステリー、恋愛もの、アクションというジャンルごとに、好きな映画がそれぞれ1本ずつあればいいんですよね。それで笑いたい気分なら(テレビコメディー・シリーズの)「ミスター・ビーン」を観よう! とか。「ミスター・ビーン」は母親の影響で見始め、人生で最初にハマった映像作品でした。小さいころはテレビシリーズのVHSを全巻持っていて、擦り切れるまで観ていました。

Q:『ヒミズ』(2011)を観て、染谷将太さんに憧れたそうですね?

僕が15歳、兄が19歳くらいのときに観ました。『ヒミズ』の撮影は染谷さんが19歳くらいで。僕も14歳でこの仕事を始めていたので、「兄貴と同じ年でこれをやったのか、すごいな!」と衝撃を受けて。そのときに「僕はこの仕事を続けないといけない」と思ったんですよね。

清水尋也

Q:目標とする俳優は?

いません。目標にしたら、コピーにしかなれないと思うので。そうではなく、目標とされるような人になりたいです。将来、「清水尋也のような役者になりたい!」と思ってもらえるよう頑張りたいです。

Q:俳優としての野望は?

人と似たようなことはしたくなくて、少しズレた位置にいたい。染谷さんがまさにそうで、僕も映画のキャスティングを考えたときに一人だけ浮かぶ位置にいたい。そこを目指すのは難しいことでしょうが、難しくないと挑戦するのも面白くないとも思うんです。

取材・文:浅見祥子 撮影:上野裕二

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インフォメーション MOVIE INFO

『ちはやふる -結び-』

清水尋也
(C) 2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

末次由紀の大ヒットコミックを原作にした青春ドラマの続編。全国大会での激闘から2年後を舞台にして、競技かるたに打ち込む高校生たちのさらなる戦いを活写する。監督の小泉徳宏、広瀬すず、野村周平新田真剣佑上白石萌音矢本悠馬森永悠希ら前作のスタッフ、キャストが結集。新たなキャストとして、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」などの優希美青、『くちびるに歌を』などの佐野勇斗、『森山中教習所』などの賀来賢人らが参加する。

映画『ちはやふる -結び-』は3月17日より全国公開

オフィシャルサイト>

清水尋也(しみず・ひろや)プロフィール

清水尋也

生年月日:1999年6月9日
出身:東京都
身長:186cm
血液型:O型
趣味・特技:サッカー、バスケットボール、楽器(ベース、ギター、ドラム)、読書、ダンス(HIP HOP)、RAP(フリースタイル)

芸歴: 「高校入試」(2012・フジテレビ系)でテレビドラマ、『震動』(2012)で映画デビュー。『渇き。』(2014)、『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(2015)、『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015)、『ハルチカ』(2016)、『逆光の頃』(2017)などの映画に出演。現在、連続ドラマ「anone」(日本テレビ系)、「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」(テレビ東京系)が放送中。映画『ちはやふる -結び-』(3月17日公開)、『ミスミソウ』(4月7日公開)、『3D彼女 リアルガール』(今秋公開)などが控える。

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