『アナと雪の女王』日本版の歌声に現地クリエイター大感激!新作の現場を訪問
全世界で大ヒットし、日本でも洋画アニメ史上最高のヒットを記録し社会現象になった『アナと雪の女王』。その待望の新作が、先日アカデミー賞で長編アニメ賞を受賞した『リメンバー・ミー』と一緒に同時上映される。新作『アナと雪の女王/家族の思い出』は、前作の後、アナとエルサが2人で迎えるホリデーシーズンを描いた22分の短編だ。祝日の準備を始めたアナとエルサは、自分たちには祝日に行う伝統行事がないことに気づく。それを知った純真な雪だるまのオラフは、2人のために伝統を探す冒険に出るが……。先日、この新作『家族の思い出』のフィルムメイカーたちに話を聞くために、ロサンゼルスのバーバンクにあるディスニー・アニメーション・スタジオを訪れた。(取材・文・写真:細谷佳史)
1993年にスタジオに入って以来、『ノートルダムの鐘』や『塔の上のラプンツェル』アカデミー賞受賞作『ベイマックス』などを手がけたベテラン・プロデューサーのロイ・コンリは、『家族の思い出』には、世界中の人たちが共感出来る普遍的なテーマがあるという。
「僕たちの誰もがホリデーに毎年行う伝統を持っている。それらは家族ごとに違うんだ。この作品でキーとなるテーマは、家族と伝統だ。僕たちはみんな、この映画をやりながら、自分たちの伝統について話し合った。そして、ホリデーとは、自分の家族と会って一緒にすごさない限り、本物の“ホリデー”にはならないってことを知ったんだ」。
コンリはまた、新作におけるアナとエルサの関係が新しい段階にあることを教えてくれた。「1作目では、彼女たちは離れていて、一緒にならないといけなかった。(でも)今の2人は一緒にいて、ある意味、家族になるということは、どういうことなのかを、もう一度学ぶことになる」。
今回演出を手がけたのは、エミー賞を受賞した短編「ウェイン&ラニー クリスマスを守れ!」のケヴィン・ディーターズとスティーヴィー・ワーマーズ=スケルトンのコンビだ。2人は、今回の新作が『リメンバー・ミー』とペアで同時上映されることに興奮していると語る。「『リメンバー・ミー』の何がとても素晴らしいかというと、(アメリカとは)違う文化だけど、そこにもまた、“家族と一緒にいること”というこの作品と似たテーマがある点だ。それは今の世界を考えると、とても重要なメッセージだよ。その映画と一緒に上映されることをとても誇りに感じている」(ケヴィン)。
『アナ雪』シリーズの大きな見どころに、素晴らしい歌とミュージカルシーンがある。新作には、4つの新曲が登場するが、なかでもアナとエルサが最後にデュエットで歌う「When We're Together」は圧巻だ。
また取材当日、日本語版を初めて視聴したというケヴィンとスティービーは、神田沙也加と松たか子の歌の素晴らしさにも感動していた。「圧倒されたわ。私たちみんなが、初めて日本語版を観たの。本当に素晴らしいと思った」(スティービー)、「座って映画を観ながら考えていたよ。『ソングライターたちがここにいたらとよかったのに!』ってね。彼らも、2人の歌をとても楽しんだはずだよ。とても素晴らしかった」(ケヴィン)。
『家族の思い出』のもう一つのお楽しみは、いつものディズニー/ピクサーアニメ同様、多くのイースター・エッグ(隠し要素)が隠されている点だ。映画の後半、オラフが乗るソリの中身に是非注目してもらいたい。
映画『アナと雪の女王/家族の思い出』は3月16日より『リメンバー・ミー』と同時上映