旅行に行きたい!北海道&沖縄映画 厳選23作品
大自然と涼しさ、おいしい食べ物を求めた北海道、きれいな海&まばゆい太陽、南の島でリゾート気分の沖縄。夏休みに旅行に行くなら……どっちがお好み!? 国内屈指の人気旅行スポット北海道&沖縄の魅力が詰まった厳選の23作品を紹介します。
【北海道編】
『幸福の黄色いハンカチ』(1977)
第1回日本アカデミー賞を総なめにした記念すべき作品。高倉健ならではのぼくとつとした名演技と最後の黄色いハンカチのシーンにグッとくる。2010年にはデジタルリマスター版がリバイバル上映されるなど、時代を超えて愛される名作。
『シムソンズ』(2006)
2002年のソルトレークオリンピックに北海道の小さな町から挑んだ、4人の少女の実話を基にしたカーリング映画。ぶつかり合いながら進む青春の物語を、北海道出身のボーカリストYUKIが歌う JUDY AND MARY の曲が彩る。少女の一人から仲間への「ありがとう。あたしのこと見つけてくれて」という言葉にはオバチャンも思わず涙。コーチ役の大泉洋のネイティブな北海道弁、ドラマ「おっさんずラブ」の「はるたん」こと田中圭の陰のある表情などの見どころも。平昌オリンピックで銅メダルに輝いたLS北見の活躍を受けて、北海道内で先ごろデジタルリマスター版がリバイバル上映された。
『探偵はBARにいる』シリーズ(2011・2013・2017)
札幌在住の作家・東直己の小説が原作の、ススキノを舞台にした大ヒット探偵シリーズ。毎回死にそうな目に遭う探偵・大泉洋の激しいアクションと、助けに来るのは遅いけどいないと困る相棒・松田龍平のとぼけた味わいが魅力。
『Love Letter』(1995)
雪の小樽が印象的な岩井俊二監督の長編デビュー作。大ヒットし、中山美穂、豊川悦司らキャストがその年の映画賞を総なめした。また、韓国でも人気を博し、「お元気ですか?」が流行語になったり、劇中の舞台である小樽に韓国人観光客でにぎわうなど、北海道といえばの映画の一つ。
『駅 STATION』(1981)
北海道の増毛町、雄冬岬、札幌市などを舞台に、オリンピックの射撃選手でもある刑事と3人の女性の出会いと別れを3部構成で描いた人間ドラマ。高倉健が刑事を、3人の女性をいしだあゆみ、烏丸せつこ、倍賞千恵子が演じ、シリアスかつ情緒あふれる作品に。
『居酒屋兆治』(1983)
函館で居酒屋・兆治を営む英治を高倉健が演じ、監督・降旗康男、撮影・木村大作のトリオで同名小説を映画化した人間ドラマ。加藤登紀子演じる主人公の妻が放つ「人が、心に思うことは、誰にも止められないもん」は名台詞。
『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)
浅田次郎の直木賞受賞作を、高倉健主演で映画化した人間ドラマ。北海道のローカル線、幌舞線の終着駅・幌舞で駅長を務める筋金入りの鉄道員(ぽっぽや)・佐藤。廃線になる幌舞線とともに定年を迎える男が人生を振り返る。
『遙かなる山の呼び声』(1980)
北海道の牧場を舞台にした、山田洋次監督の人間ドラマ。高倉健演じるわけありの男と、倍賞千恵子・吉岡秀隆親子の交流が、大自然の風景とともに描かれる。ラストの直接言葉を交わさない高倉と倍賞の演技と、それを見守る周囲の人々の善意あふれるシーンがしみる。渥美清と畑正憲がユーモラスな脇役で出演。公開から38年を経て、阿部寛&常盤貴子でテレビドラマ化が決定し、この秋、NHKのBSプレミアムで放送が予定されている。
『銀の匙 Silver Spoon』(2013)
荒川弘の同名コミックを吉田恵輔監督が実写映画化した青春ドラマ。北海道の農業高校を舞台に、酪農実習や部活に苦悩しながらも仲間たちと絆を深め、図らずも将来の夢と希望を見出す主人公の姿が愛おしい。北海道の雄大な自然だけでなく、縁遠い酪農カルチャーも覗くことができる。
『しあわせのパン』(2011)
スローライフを体現したドラマに思わず北海道に行きたくなる。パン屋を営む夫婦を演じた大泉洋と原田知世のゆるい空気感もいい。
『ぶどうのなみだ』(2014)
『しあわせのパン』に続く大泉洋主演、北海道映画シリーズ第2弾。北海道の自然感がいい。キャストのふしぎなコスチュームも相まってファンタジーのような世界観。
『海炭市叙景』(2010)
作家・佐藤泰志の遺作を熊切和嘉監督が映画化したオムニバス・ストーリー。北海道・函館をモデル(撮影はオール函館ロケ)にした架空の地方都市を舞台に、さまざまな事情を抱えた人々が必死に生きる姿を描く。
『私の男』(2013)
流氷に閉ざされた北海道と東京を舞台に、孤児となった少女と彼女を引き取ることになった男、二人の閉ざされた世界が描かれる。北海道の雄大な自然を、時代の移り変わりに合わせてフィルムとデジタルを駆使して捉えた映像は必見。
【沖縄編】
『ソナチネ』(1993)
北野武の監督4作目で、北野が主演を兼任し、沖縄の抗争に助っ人として送られたヤクザを演じる。名カメラマン・柳島克己が捉えた青い空と海、砂浜などギラギラとした沖縄の映像美と、血なまぐさいバイオレンスとの対比が鮮烈。
『怒り』(2016)
『悪人』の李相日監督&原作・吉田修一が再タッグを組んだサスペンス。八王子で起きた夫婦殺人事件を巡る謎が、千葉、東京、沖縄と三つの場所にまたがって展開する。沖縄では、広瀬すず&森山未來が登場。とりわけ広瀬の、これまでのイメージを一新する体当たりの演技が話題になった。
『涙そうそう』(2006)
妻夫木聡と長澤まさみがダブル主演を務め、血のつながらない兄妹にふんした物語。嵐がくれば駆けつけ、どこまでも妹思いな兄を熱演した妻夫木の演技に号泣必至。監督は『いま、会いにゆきます』の土井裕泰。
『リリィ・シュシュのすべて』(2001)
市原隼人演じる主人公の中学生・雄一を中心にした岩井俊二の美しくも残酷な青春映画で、沖縄・西表島は物語の転換となる重要なパートとして登場する。雄一、親友の星野(忍成修吾)ら中学生グループのメンバーが映したビデオカメラの映像というのも印象的で、優等生の星野がいじめっ子に変貌するきっかけとなるいくつかの事件が捉えられている。ツアーの案内人となる市川実和子の美しさも白眉。
『てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~』(2010)
世界で初めてサンゴの移植産卵に成功するという快挙を成し遂げた、金城浩二氏の実話を基に描いた感動作。ナインティナインの岡村隆史が体当たりの演技でいい味を出している。
『カフーを待ちわびて』(2009)
南の小さな島で雑貨店をしながら愛犬のカフーと暮らす不器用な青年と、突然現れ彼の家に居ついてしまう謎の女性。沖縄の美しい景色を背景に描かれる若い男女のピュアなラブストーリー。
『ホテル・ハイビスカス』(2002)
沖縄で小さなホテル・ハイビスカスを営む少女と、その周りをとりまく人々との触れ合いを描いた人間ドラマ。沖縄の文化がしっかり反映されており、島の人たちの距離感や何気ない会話からも、場所の雰囲気や良さが伝わってくる。
『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』(2018)
1972年に実現した沖縄返還の裏側を描いたテレビドラマを再編集して映画化した作品。交渉に奮闘した実在の外交官である千葉一夫さんを、井浦新が人間味豊かに演じている。「返してもらうんじゃない、取り戻すんです」という主人公の言葉が胸に響き、今も取り戻せないものを突き付けられる。
『ナビィの恋』(1999)
沖縄の島に里帰りした孫娘(西田尚美)とその祖母ナビィ(平良とみ)の、二つの恋の行く末を描く。沖縄民謡だけでなくケルト民謡やオペラのアリアなど、さまざまな音楽が使われている。生きるかなしみをユーモアで包み込む、おじぃおばぁが愛らしい。
『深呼吸の必要』(2004)
都会から来た軟弱な若者達が沖縄の大自然と向き合い、島の人々の温かさに触れ、成長する姿を描いた青春群像劇。当時、次代を担う有望な若手俳優と言われていた、香里奈、谷原章介、成宮寛貴らがメインキャストとして名を連ねている。