食べる8人の女優たち
小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香ら8人の人気女優が集結。年齢、職業、価値観も異なる8人の女たちの日常を通し、人生を謳歌することの大切さを描く映画『食べる女』(9月21日公開)のテーマの一つである「食」にフォーカス。8人の女優が、劇中に登場した絶品料理の中でお気に入りのメニューや食へのこだわりまで、ざっくばらんに語りました!(取材・文:今祥枝)
<お題>
1:劇中登場するメニューの中でおいしかった料理
2:「食べること」でのこだわり
3:「食べること」とはズバリ?
小泉今日子(古本屋主人/雑文筆家:餅月敦子役)
1:手羽先の岩塩焼き
作るのもすっごく簡単なので。家でもよく人に出したりしています。
2:その時に食べたいものを食べる
特にこだわりというこだわりはなく、その時に食べたいものが、その時の自分にとって必要なものなんだろうと思うんです。今日はどうしてもジャンクフードが食べたいという日もあれば、さっぱりした和食が食べたいという日もある。でも、若い時より断然、食べることは楽しくなってきているように思います。美味しいと感じることや、食べたものが自分の体、精神を作り上げているんだろうなというのは、今の方がわかりますね。それは衰えがあるからだと思う。衰えを補ってくれているという感覚があるから、今の方が食べるのが好きという感覚があるのではないかと。とはいえ、全て手作りがいいとか、そういうことを押し付けるつもりもなくて。
3:人間の最も野生的なところ
沢尻エリカ(書籍編集者:小麦田圭子役)
1:春雨と牛ひき肉の中華風煮込み
もう匂いからして食欲をそそるものがあって、本当においしかったです。このシーンだけでなく、ほかにもお料理を食べるシーンがあるのですが、わたし自身食べることが大好きなので、食欲旺盛なドド(圭子の通称)と一緒だなあと思いながら、撮影ではあるけれど、みんなでワイワイ言いながら楽しく美味しくいただきました。
2:好きなものを何でも食べること
撮影中は節制したりすることもありますが、それ以外のときは何でも好きなものを“ノーストレス”で食べようと決めています。
3:生きること
前田敦子(制作会社アシスタント・プロデューサー:白子多実子役)
1:鯵のサワークリーム和え
どれも美味しかったのですが、一番感動したのは冒頭の宴のシーンでいただいたこの料理ですね。初めていただいたのですが、もう本当においしかった! 同じシーンで食べた「菜の花の昆布〆め」も味がしみていておいしかったし、ごはんや「道草」の宴のシーンで出された「人参の明太子和え」もすごくおいしかった。どちらの宴のシーンでも、特にわたしと沢尻さんは食べることに専念していました(笑)。沢尻さんは朝からずっとごはんを我慢していて、「この撮影で食べることにかけているから!」とおっしゃっていて、さすがプロだなあと。多実子を筆頭に、メインの8人の女性たちはよく食べるという設定ではあるのですが、みんな「まだカットかからないで!」という感じで、カットがかかっても本気で食べ続けているぐらい美味しかったです(笑)。
2:体にいいものを食べる
体にいいものを食べたいと思っているので、そういう食材があるお店にはよく行くし、割と詳しい方じゃないかなと。スーパーフードとかオーガニックのものを選んでシェイクにしたり、そういうことがすごく好きだし、体にいいと聞いたら、それがどう体にいいのかを調べて落とし込む作業も楽しいですね。食に対しては、結構オタクだと思います(笑)。
3:次に進むための準備
広瀬アリス(古着ショップ店員:本津あかり役)
1:卵かけごはん
すっごく美味しかったです! 久々に卵かけご飯を食べたというのもありますが、やっぱり美味しいものはずっと変わらず美味しいんだなって思いました。あと、美味しいものを無心に食べている時って、すごく幸せを感じる時間だと思いました。卵かけご飯はダイエットとか気にせず、お茶碗に2.5杯くらい食べましたけど、とても幸せでした(笑)。単純ですけど、心もおなかも満たされて元気が出てきて、より撮影を頑張ろうと思えました。
2:お肉を食べる
お肉を食べることが多いかもしれないです。牛でも豚でも鳥でもラムでも、どんなお肉でも結構食べています。何か強くなりたいなって思って(笑)。
3:幸せ
全てを忘れて、黙々と、美味しい美味しいって言いながら食べる。それが多分、わたしにとって1日の中で一番幸せな時間だと思います。
山田優(BARロマ手伝い:茄子田珠美役)
1:卵かけごはん
わたしは劇中、食べるシーン自体はあまりないのですが、メインキャストの8人全員が、それぞれに卵かけごはんを食べるシーンがあるんですね。これがもう、本当にすっごく美味しかった! 卵がすごく美味しいなあと思ったら、やはりというか1個280円もする卵で(笑)。食べたのは1年ぶりくらいだったのですが、こんなに美味しかったんだと感激しました。
2:温かいものを食べる、バランスをとること
家での食事で心がけているのは、温かいものを食べることと、肉や魚、野菜などのバランスには気をつけています。自分がちょこちょこといろいろなものを食べたいタイプなので、なかなか難しい時もあるのですが、おかずは3品くらいは作りたいなあといつも思っています。
3:生きること、幸せを感じる瞬間
ご飯は食べなきゃ生きていけないし、やっぱりわたしは美味しいご飯を食べているときに幸せを感じるので。あと、わたしは食べることも、人にご飯を作ることもすごく好きなので、わたしの作った料理を食べて、みんなが美味しそうな顔をしているのを見るのが本当に嬉しいし、幸せを感じます。
壇蜜(耳のパーツモデル、2児の母:米坂ツヤコ役)
1:ツナのサンドイッチ
いただいたお料理はどれも美味しかったのですが、自分でも作ってみたいなと思ったのは子供たちとピクニックに行く時に持っていく「ツナのサンドイッチ」。普通はツナと玉ねぎを入れるのですが、映画のレシピはツナとセロリなんですよ。ぜひ自分でもやってみたいと思いました。ツヤコのお弁当は洋物の料理が多いのですが、わたしもお弁当はサンドイッチ派です。
2:食欲に忠実であること
食べることって、気づいたら買っていたとか、気づいたらお店に入っていたとか、無意識の欲を引っ張りやすい、甘美な感情だと思います。自分自身が、それに振り回されちゃうんだなと。だから、これまでは「食べることが好き」と素直に言えない部分があったというか、気を付けないといけないなと思っていたんですね。でも、最近では欲に振り回されることで味覚がもっと刺激されるといいなと思うようになったので、ほどほどに欲には忠実にいようと思っています。
3:良し悪しのサンドイッチ
良しも悪しも美味しくいただいて、それが自分の血肉になるのかなと思います。
シャーロット・ケイト・フォックス(主婦:豆乃・リサ・マチルダ役)
1:道草特製肉じゃが
これまでに他の作品でも、4回ほど肉じゃがを作らなくてはいけない仕事があったのですが、いまだに作れないので(笑)。日本料理としては、一番最初に肉じゃがを作れるようになりたいです。
2:しっかり食べて運動すること
今まで、本当にいろいろなダイエットを試してきたんです。でも、結果として今思うのは、美味しいもの、体にいいものを、しっかり食べて、しっかり運動をすることが一番大事だと思っています。
3:家族
料理をすることだけでないのですが、それが恋人や子ども、誰に対してであれ、誰かのためにご飯を作るということは、そこに愛情があって気持ちがある。だから、とても美味しいのだろうし、受け取る側も優しい気持ちになれるのだろうなと思います。
鈴木京香(ごはんや「道草」女将:鴨舌美冬役)
1:鯵のサワークリーム和え
本当に美味しかったです。どこか北欧のお料理のような感じがして。でも、作り方をうかがったらすごく簡単で、自分でも試してみたいなあと思う一品でした。それから「菜の花の昆布〆め」のように、ただお浸しにするのではなく、ひと手間を加えて美味しさを増すようにするといった、素朴だけれど素材の味を生かした料理が多いんですね。だから映画を観ていただいた方にも、すぐに真似をしてもらえるのではないかなと思っています。撮影の時も、みんなで本当にたくさんいただきましたし(笑)。
2:本当に食べたいものを食べる
一食一食が貴重です。撮影が始まると思うように食事を摂れないこともありますし、食にこだわりを持っているとやっていられない状況も多いので。だから、それ以外の時は、自分が本当に食べたいものは何かをよく考えてメニューを選んでいます。撮影の合間も、スーパーに寄って帰ったりしています。家で食べられる一食って、すごく大切なのでこだわります。
3:生きること
やはり自分の体に入れるものだから、食べることは絶対におろそかにはしたくないですね。これからもしっかりと“食べる女”で行きたいと思います。
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