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斎藤工さんが…!別府駅前が大パニックになった日

まほの別府ブルーバード劇場日記

 みなさん、こんにちは! 19歳のときに、わたし森田真帆はシネマトゥデイで「まほのハリウッド日記」 というエッセイを書いていました。シネマトゥデイも、当時はFLIXムービーサイトといいましたっけ。懐かしい~。そこから間もなく20年。連載執筆中に生まれた息子はもう高校3年生になり、私の体重も15キロほど増加いたしまして、やばいったらありゃしません。そんなわたしですが、ひょんなことから3年前に温泉天国としても有名な大分県別府市に温泉つかりに一人旅をしていたとき、別府駅前にある小さな映画館と運命の出会いをしてしまいました。その劇場の名は別府ブルーバード劇場。昭和の時代から48年続くこの映画館の館長・岡村照さんは現在87歳でバリバリの現役です! 

斎藤工さんご来場で別府駅前大パニック!&館長が乙女全開!の巻

48年続くブルーバード劇場の映画館の館長・岡村照さん

ブルーバード劇場
別府のブルーバード劇場の前で照館長とわたくし・森田です!

 照館長は、まだ39歳のときに旦那さんを亡くし、以来48年間、娘二人を育てながら、たった一人でこの劇場を支えてきました。映画愛に溢れ、映画館を女手一つで切り盛りしている照館長に初めてお会いしたとき、かつて松田聖子が言っていた「ビビッときた」を感じちゃって、わたしは照館長に心底惚れ込んでしまったのです!……そして現在、私は記者業の傍ら、別府と東京を毎月のように往復しつつ、大好きな別府ブルーバード劇場を盛り上げるべく日々頑張っております! この日記は、かつてのまほのハリウッド日記のような、かる~くてゆる~い、わたしのブルーバード日記でございます。

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照館長、斎藤さんのハグに顔を赤らめる

 最近、照館長がほのかな恋心を抱いているのが、俳優の斎藤工さんです。斎藤さんは、2016年に起きた熊本・大分の震災直後、ご自身が主催している、子供たちにすこしでも映画館体験をしてもらおうという素晴らしい活動シネマバードのイベント一環としてブルーバードを訪れました。

 現在、御年87歳の照館長が「あのとき斎藤さんにな、わたしがギューッてハグしたら、斎藤さんがわたしの背中をポンポンポンって叩いてくれたんよ。優しいやろ~」と当時を思い出しながら頬を赤らめる姿は超乙女! ……とはいえ、あの時はマジで、ほんと~にやばかった~~!!! 

 普段の平日は数人しか来ないようなブルーバード劇場が、斎藤さんがきてくれた時は80人の定員に対して200人以上の人が劇場前に大行列を作るというどエラいことになりましてね。午後から開始のトークショーだったので、その日は朝の8時までフツーに爆睡していたわたしの元に、いきなり照館長から電話が! 半分寝ぼけて出ると「真帆ちゃん~、すぐにきて! 大変なことになっちょん!」と館長のうわずった声だけでただならぬ事態であることは明らか! これは、完璧にエマージェンシーコール! 一体何が起きているんだっ!?

 というわけで大急ぎで支度して、なんだなんだどーしたのよ、と急いで劇場に向かいました。そしたらですね、別府駅周辺が……え……えええ~っ! 

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こ、この行列は!……大パニック!

別府ブルーバード劇場
こ、こんな満席状態みたことなかった~! 斎藤さんとニコニコの照館長!

 ブルーバード劇場って、JR別府駅から駅前通りを海に向かって200メートルほど下りていくと右側に見えてくるんです。でもその日、劇場まで行こうとしたら駅前から延びるめちゃくちゃ長い行列が見える! え? いやいや、まさか! まさかね! そんなわけないよな! と思って大行列を辿っていくとまさかのブルーバード劇場じゃん! 受付には「満員御礼!」と満足げな照館長のかたわらで、娘さんのみきさんとお手伝いのはるみさんが、あまりにもレアな女子たちの大行列を前に、蛇に睨まれたカエルのように、いやいやメデューサに固められた石のように! ただただ立ち尽くしておりました。す、すごすぎるぜ斎藤さん!

 私を見つけるやいなや、「真帆ちゃん~! どうしよう! 大変!」と駆け寄ってきた二人に、「ど、どどどうしましょう」と私もあたふた。「どうしよう」「どうしましょう」の永久キャッチボールがしばらく続いた後、はたとひらめいたのがあれです、ディズニーランドのショーでも採用されている抽選システム!

 ディズニーじゃ、最近スマホで抽選できたりするけど、こっちは完全手作りです! レポート用紙を引きちぎって、手作り感満載の抽選券を慌てて作りましたとも!

 そしてさらに手が震えたのが抽選です。だってハズレた方にはごめんなさいをしなければいけないから。できれば、全員すし詰め状態に詰め込みたいくらい、普段は一人でも来てほしいお客様がたくさんいるのに、その方に帰ってもらわなければいけないことを思うと本当にふるえました。ハズレた方の中には泣き出してしまわれる方もいて……申し訳なかったので、温泉回数券で許していただいたりして……あのときハズレちゃった方、本当にすみませんでした! ああ、今思い出しても胸が痛い! でも一方で、超満員になった劇場に「昔みたいや!」と喜ぶ照さんを見て、わたしも嬉しかったなあ。

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やさしい斎藤さんが再び

 そして、先日、ななななんと斎藤工さんが再びブルーバード劇場にやって来ることになったのです。

 今回は斎藤さんがブルーバードでロングラン上映をしていた監督作『blank13』のトークショーしてくださることが決まったのですが、それが決まったのはほんの数日前! でも今回はパニクることなく、前回の教訓を生かして<メールで予約のみ!>っつー作戦を決行し、大行列は無事に回避したのでした。「経験は財産なり」ということわざを聞いたことがありますが、まさにこのときが使いどき! あの時の失敗から、学びましたぜ! 

 とはいえ、なかなかこんな大人数のお客様をお迎えすることはないので、粗相があってはいかん! とみんなでドキドキしながら観客のお客様を迎える準備を進めていると、照館長が一人ウキウキ口紅を引いてる! 女子力ハンパないっす!

 雨の中、きてくれた斎藤さんに、「水も滴るいい男って、このことやね~!」と乙女モード大全開だった照館長! そしてそんな館長と、優しい口調でおしゃべりをする斎藤さん。マジでオットコマエですねん! 照館長、最後には「これにサインくださいな。うふふふ」と、財布に直接サインをもらうという暴挙に出ておりました。トークショーも大盛況だったし、観客一人一人に丁寧に挨拶をしてお見送りしてくれた斎藤監督のおかげで、照ちゃんの寿命もかなり伸びたと思います。斎藤さん、また素敵な映画を持ってブルーバードに来てくださいね~!(つづく)

第2回Beppuブルーバード映画祭に向けて、クラウドファンディングを開始致しました。良かったら皆様ご協力をお願い致します。

→映画ファンにたまらない老舗劇場!別府ブルーバード劇場で最高の映画祭を開催したい!

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