涼しくなれる!?極寒映画で猛暑対策!
今週のクローズアップ
あつ~い、あつ~い。日々暑すぎますね。「暑い」と言っているとさらに暑くなってしまいそうですが「暑い。暑すぎる」という言葉が止まりません。そして暑くなる。ならば寒い映画を観て「寒い。寒すぎる!」と言っていたら涼しくなるのでは? 真夏にこそ観るべき寒~い映画を紹介します。(編集部・海江田宗)
■圧倒的映像美の極寒世界『レヴェナント:蘇えりし者』
レオナルド・ディカプリオが悲願のアカデミー賞主演男優賞を獲得した作品。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が厳寒の未開拓地に足を踏み入れたハンターの姿を描き、オスカー常連の名カメラマン、エマニュエル・ルベツキがアカデミー賞撮影賞に輝いた(イニャリトゥ監督も監督賞を受賞)。圧巻の映像は猛暑とは真逆の極寒のシーンばかり。夏の暑さへの感謝を思い出す。
■ラストに極寒あり『タイタニック』
こちらもディカプリオの出演作。豪華客船タイタニック号の海難事故をジャック(ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)のラブロマンスとともにジェームズ・キャメロン監督が描いた映画史に残る名作だ。タイタニックの船内はまさに豪華客船という感じで快適そのものだが、ラストの沈没シーンの寒さは異常。「あ~、これが夏の海だったら……」と涙を禁じえない。
■タイトルから冬があふれている『北の零年』
「北」そして「零」。タイトルからしてかなり寒そうである。明治政府の命令で北海道への移住を余儀なくされた人々が、北の大地で懸命に生き抜いていく姿が描写される。「絶対に気温“零度以下”じゃん!」と思わせる寒そうなシーンばかり。『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督がメガホンを取っており、吉永小百合、渡辺謙、香川照之といった名優たちが出演。吉永小百合にはなぜこんなにも冬が似合うのか。答えは雪の中である。
■心温まる『鉄道員(ぽっぽや)』
降旗康男監督と高倉健がタッグを組んだ『鉄道員(ぽっぽや)』。素朴で不器用な佐藤乙松(高倉)の生き様に心温まるが、この特集で重要なのは心温まることではない。むしろ寒くなりたい。雪がしんしんと降る中で、どんな時も鉄道員としての誇りを持ち、駅のホームに立ち続ける様子はなんとも言えず寒そうである。しかし、寒くなりたいと思っていても心が温まってしまう。そんな映画だ。
■クリスマスの定番『ホーム・アローン』
クリスマスになるとついつい観たくなってしまうのが、マコーレー・カルキンが主人公ケビンを演じた『ホーム・アローン』だ。ケビンが一人取り残された家にやってきたハリー(ジョー・ペシ)とマーブ(ダニエル・スターン)の泥棒コンビをケビンが様々な仕掛けで撃退しようとするストーリー。そのトラップはハリーの頭を焼いてしまうような熱い仕掛けもあれば、「寒さ」を利用したものもある。
■原題は“Frozen”!『アナと雪の女王』
日本での最終興行収入が254億8,000万円(日本映画製作者連盟調べ)に達した大ヒットアニメーション作品。『アナ雪』の略称で親しまれた本作の、“ありの~ままの~”タイトル(=原題)は、『Frozen(フローズン)』。近所のコンビニで売られている、真夏に涼しさを届けてくれる商品の名前のようだ。松たか子が日本語版の吹き替え声優を務めたキャラクター・エルサが、歌いながら氷で作り上げたお城が避暑地にピッタリなことは言うまでもない。
■猛吹雪!『ヘイトフル・エイト』
鬼才クエンティン・タランティーノ監督がつくりあげた密室ミステリー『ヘイトフル・エイト』。クセ者ぞろいの登場人物8人が山小屋という密室に閉じ込められたのは猛吹雪のせいだった。タランティーノ作品ならではのセリフの応酬もすごいが、寒いシーンの描写も寒さ抜群! もし自分がこんな状況に追い込まれたらと想像するだけで、寒すぎて自分の体も痛くなるほどだ。美術監督として日本から種田陽平が参加している。
以上、駆け足でお送りした極寒映画特集はいかがでしたか? 駆け足したくない暑さは映画で吹き飛ばしてしまいましょう! 水分補給も忘れずに!