ADVERTISEMENT
映画たて・よこ・ななめ見!

ウーマン村本『未来のミライ』に涙が止まらない理由

映画たて・よこ・ななめ見!

 ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、村本が愛してやまない細田守監督の新作アニメーション『未来のミライ』をななめ見しちゃいます!(取材・文:シネマトゥデイ編集部・森田真帆)

WOMAN
(C) 2018 スタジオ地図

『未来のミライ』
主人公のくんちゃんは4歳の男の子。両親がかまってばかりいる、生まれたばかりの妹ミライちゃんがどうしても好きになれずにいたくんちゃんは、ある日、中庭で未来からやってきた“未来のミライちゃん”と出会い、不思議な旅を繰り広げる。

ADVERTISEMENT

村本が中川パラダイスにガチプレゼン!

WOMAN
くんちゃんと不思議な旅を繰り広げる未来のミライちゃん (C) 2018 スタジオ地図

村本:今回は特に、マジで語らせてほしい! 中川に、この映画がいかに素晴らしいかってことをガチでプレゼンするわ! 僕は細田守監督の作品が大好きでね。『未来のミライ』も、すごく観たかったんです。まず、どの作品にも共通するのが、突き抜けるような空の青さと、日常にいるような普通のキャラクターたち。それが大好き!

中川:普通の映画やと、登場人物って個性的であることがほとんどやん。村本は、逆に皆が普通な感じだから良いっていうこと?

村本:そう。良い意味で個性がないねん。家族の映画って、子供がいない人間からすると、あんまり共感できない部分もある。けど、細田監督の映画を観ていると、自分の親だったり、まだ見ぬ子供だったり、自分自身の家族の物語を観ているような気持ちになる。主人公のおじいちゃんやおばあちゃんが、自分のおじいちゃんおばあちゃんみたいに感じられて、涙が止まらんのよ。

中川:なるほどな、感情移入しやすいってことか。

村本:そう。それに、どの映画も絵がめっちゃ綺麗やし、今年の夏は、『未来のミライ』が全てやなって、俺は感じてんねん!

中川:お前、テンションやばいな今日(笑)。

ADVERTISEMENT

村本、おばあちゃんの昔話を思い出し涙!

村本:主人公の“くんちゃん”は、まだ4歳。そこに、ミライちゃんっていう妹が生まれるんやけど、どこの家庭でもある通り、お父さんもお母さんも妹の方ばっかりに気を取られるようになって、くんちゃんは面白くないわけや。寂しくてかまってほしくて、つい意地悪をしてしまう。そんな時に家の庭に出たら、“未来からきたミライちゃん”や、俺はかつて王子様やったんや! って言うてくる謎の男が出てきたりする。その男の正体が、また面白い。

中川:ひと夏の、不思議な体験を重ねていくみたいな感じやな。

WOMAN
くんちゃんの、ひと夏の不思議な体験に共感! (C) 2018 スタジオ地図

村本:そう。時には、タイムスリップみたく、いろんな時代でいろんな人に出会っていく。時にはその相手が、幼い頃のお母さんやったり。現実なのか、非現実なのか、本当にあったかどうかわからない不思議な体験。でも、そういうことって子供の頃ならあったと思うねん。小さい子供にとって、夏ってすごく特別な季節やから。

中川:母親の子供の頃とかって、知らんもんな。気にしたこともないし。

村本:そうやろ。おれは子供の頃、めっちゃおばあちゃん子で、昔の話を聞いて育ったの。だから実際に見ていなくても、おばあちゃんの子供の頃を、まるでセピア色の映像みたいに頭の中で描くことができた。それをアニメにして見せてもらっている感じやったから、その辺りのエピソードとかは、ずうっと泣いてたな。

ADVERTISEMENT

村本、思わず家族に連絡

中川:『未来のミライ』って、観る前はぶっちゃけ悪い評判を聞くこともあったから、「どうなんやろ」って思ってたのよ。だからこそ、観てない人に村本の熱が伝わるとええんやけど。

村本:この映画はな、想像力や、どれだけ自分の家族のことを愛しているかってことを試されると思うねん。なぜなら、家族の絆を描いていると思うから。俺なんて、映画を観た後ですぐにおとんに電話してさ。「なんや急に?」って言われたら、「ちょっと声を聞きたくて」って(笑)。そんで、くんちゃんと同じくらいの歳の息子がいる弟にもLINEして、「この映画を子供に観させて」って伝えて。「わかった」って返ってきた後も、「いつ観る?」ってしつこく送ってたら、既読スルーや。

中川:しつこすぎんねん(笑)

村本:弟の過去に遡って、ボッコボコにしてやりたいわ!

WOMAN
自分の家族について思いをめぐらした様子のウーマンラッシュアワー

中川:でも、そこまでして人に勧めたい映画ってすごいよな。それに、新しい家族を持つと、自分の親のこととか、あんまり考えないようになんねん。だからこれを観て、もう一度、自分の親のことを考えてもらうのもええかも。

村本:ほんまやで! この映画はな、「ドラゴンボール」に出てくる筋斗雲(心が綺麗な人じゃないと乗れない雲)と同じ。この映画で心が震えたかどうかで、ピュアさがわかるわ。レビューが悪くても、自分の心が震えたならそれでええねん! 人の評価なんて、絶対に気にしちゃあかん! 周りがあれこれ言うから観ないってのが一番良くないぞ!

ADVERTISEMENT

これだけは言いたい!ななめ見ポイント

WOMAN
パラダイスじゃなくてよかった? くんちゃんのお母さんとお父さん (C) 2018 スタジオ地図

村本:この映画でくんちゃんは、お母さんにも、お父さんにも子供時代があって、そうやって、家族のいろんな歴史がつながって今の自分があるんやってことに気づいていく。映画の中のピースをつなぎ合わせて行けば、最終的に、自分自身の家族の物語で、自分の映画やってなる。それがわかってから、俺はずっと泣きっぱなしやったわ。

中川:うちの息子は6歳で、年齢もくんちゃんと近い。そのころに、お父さんとお母さんの出会いのエピソードとか知れたりしたら、なんかいいよな。

村本:くんちゃんの場合は、2人の歴史が素敵やったからいいけど、もしお前の息子やったらかわいそうやなぁ。中川の過去にタイムスリップなんかしてしまったら最悪やで。

中川:いやいや! なんも怪しいところないし! 奥さんはもともと俺のファンやったわけやし。素敵な出会いしてるがな。

村本:いや! もっと過去の父さんの子供時代に戻って目撃する、中川が好きな女の子の縦笛を吹いている姿なんて見たら、きっと家族のことを大嫌いになって帰ってくるで(笑)。

映画『未来のミライ』は全国公開中
※記事内容には個人の意見が含まれています

ADVERTISEMENT

ウーマンラッシュアワー・プロフィール

2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。

村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。

村本大輔ツイッター

中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。

中川パラダイスツイッター

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT