『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』~漫画連載:憑依系女子、夢野映子の1日
憑依系女子夢野映子の1日
劇場公開時から口コミで話題となっていた『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ホラー映画ファンとしてはもちろん見逃せない作品です。
《あらすじ》平和な田舎町で立て続けに児童失踪事件が起こる。ビル(ジェイデン・リーバハー)の弟ジョージーも大雨の日に外出し、消息がつかめなくなってしまった。悲しみに暮れるビルの前に突然“それ”は現われる。“それ”の目的や正体は何なのか。
不気味なピエロ、ペニーワイズの怖さは健在ですが、一般的なホラー映画に比べると視覚的怖さは控えめです。この映画の怖さは目に見えない部分かと。連続児童失踪事件があってもあまり関心を示さない大人たちや、「負け犬」と呼ばれる少年少女たちの抱えている問題は深刻で根深い。それらは誰もが少なからず抱えている問題と重なる部分があるのかもしれません。
一方、怖さの部分とは対照的に青春要素も強いのが、この映画の特徴です。欧米の青春映画といえば、少年少女たちが無防備な姿で川に飛び込み、性的興味にドキドキする……というのがお決まりですよね。この映画にはしっかりとその描写がございます。少女の可憐さと大人の色気を併せ持つべバリー(ソフィア・リリス)に興味を隠せない男子たち。一体どうしたらそんな状況になるのでしょうか。私も川に飛び込めば甘酸っぱい青春を過ごせたのでしょうか。ホラー映画って案外キラキラ要素が強いことが多いので、私のように部屋で一人で鑑賞していると意図せず涙がこぼれることがありますよ!
ヤナマリ的見どころ
・紅一点べバリーを巡る三角関係
・昔の資料にさりげなく登場するペニーワイズ
・作り込まれた地下世界
柳本マリエ プロフィール
17歳で渡米したことをキッカケに人生の歯車が崩れ出す。まったく紳士ではないイギリス人と4年間も付き合ったり、フランス郊外の知らない街で迷子になったり、色んな夢を追いかけていたら絵日記ブロガーになっていました。現在は肩に乗るネコと暮らしています。ブログ「17歳からのイングリッシュ」毎日更新中!