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祝『あみこ』アンコール上映決定!ちらし配りから超満員の初日まで裏側レポート

若手女性監督に密着!

シネマトゥデイ×ぴあフィルムフェスティバル連動企画連載(第2回)

 PFFアワード2017で観客賞を受賞して以来、海外の映画祭などでも話題になっている『あみこ』。山中瑶子監督は映画会社を通さず、自ら配給、宣伝も担当して劇場公開し、大ヒットを記録しアンコール上映も決定! 地道に活動したちらし配りの様子から超満員だった公開初日までに密着し、その裏側をお届けします!(取材・文:壬生智裕)

山中瑶子
左から、大下ヒロトさん、山中監督、春原愛良さん。

 音楽家の坂本龍一が「ちょっとびっくりするぐらいにパワーのある、おもしろい映画であることを保証します」と語るなど、山中監督の才気あふれる演出が光る『あみこ』ですが、友人たちに映画制作のスタッフを依頼し、役者もSNSで声を掛けるなど、手作り感満載の映画となっています。それだけに「わたしたちだけで作った映画だから、今回は配給会社をつけずに自分たちで全部やってみたい」と語った山中監督。しかしどれだけいい映画を作っても、ただそれだけではお客さんはやってきません。映画を観てもらうためにも、宣伝活動は非常に重要となるのです。

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山中瑶子
よろしくお願いします!

 現在、山戸結希監督が企画・プロデュースを務める『21世紀の女の子』の中の一編を制作中で、多忙を極める山中監督。その合間をぬっての宣伝活動はなかなか大変なものがありますが、映画を観てもらうため自らシアター・イメージフォーラム、テアトル新宿、渋谷ユーロスペースといったミニシアターの前に立ち、『あみこ』のちらしを配ります。映画を観てもらいたいという思いは、キャスト陣だって一緒! ということで、主人公あみこ役の春原愛良さん、そしてあみこが恋をするアオミ君役の大下ヒロトさんも駆けつけ、山中監督と一緒に映画館前を行きかう人たちにチラシを手渡します。やはり映画館前は映画好きな人が多く、比較的受け取ってくれる人が多い様子。赤を基調に、あみこがにらみつけるようなビジュアルのちらしも人目を引いたのでしょう。ちらし配りを終えて、山中監督は「宣伝に関しては、できるだけのことはやったかなと。ちらしを手に取ってくださった方に中には『これ観たかったんです』と言ってくれる人もいらっしゃいました。手作り感のある映画ならではの宣伝ができたと思います!」と充実した表情を見せました。

山中瑶子
チケット売り切れちゃいました~。
山中瑶子
満員御礼!

 そうした宣伝活動を終え、9月1日。いよいよ初日です。21時からの上映にもかかわらず、この日のチケットは早々に売り切れてしまいました。そこで急きょ「スーパーレイトショー」と題して、22時半からの上映を追加することになりましたが、こちらのチケットも次々と売れていきます。山中監督も「これは66分という中編映画だからできたことですが、今日1日だけで207人ものお客さまに来ていただくこととなり。すごく大きな出来事になったと思います」と満足げな様子を見せました。

山中瑶子
立ち見のお客さんも!

 そしていよいよ上映時間が近づき、会場には入場を待つ長蛇の列が。本当にたくさんの人がこの日を待ち望んでいたことでしょう。「あちこちの映画祭を回って、自分の映画を待っているお客さまの様子を見るのが好きだと気付きました」という山中監督は、その長蛇の列をこっそり見て「自分が並ぶ側だったことを思い出して、高揚した気持ちになりました」と振り返っていました。劇場内は超満員で、補助席の出る大盛況となりました!

山中瑶子

 そして上映終了後に舞台あいさつでは、超満員の観客を前にした山中監督が感極まった様子であいさつを始めました。山中監督がこの映画を作ろうと思ったのは19歳で、キャストの春原さんと大下さんは18歳。彼らにとってはほぼ初めての映画だったということ。映画学校に行っていたもののなじめず、何の後ろ盾もないまま手探りで映画を作っていたということ。ひと言ひと言の言葉をかみ締めるようにポツリ、ポツリと語りました。言葉をうまく紡ぎ出すことができず、時折もどかしそうな様子を見せる山中監督ですが、そのあふれんばかりの思いは観客の心にも届いたようでした。そして、あみこ役の春原さんが「瑶子(監督)さんとは共通点が多くて。あみこを演じることができて良かった」と語ると、アオミ君役の大下さんも「完成する前はどうなるのか不安もあったんですが、完成した作品が本当に面白くて。良かったです」とホッとした様子をみせました。

山中瑶子
山中瑶子

 上映後のロビーでは、山中監督、春原さん、大下さんによるサイン会を実施。こちらも本当に多くの観客が長蛇の列を作り、思い思いに3人に熱い感想を送っていました。その温かい言葉の数々に、山中監督も緊張が解けた様子で、自然と笑顔がこぼれていました。そして「スーパーレイトショー」終了後にも舞台あいさつ、サイン会を実施。終電間近にもかかわらず、大勢のお客さまが参加し、山中瑶子監督という新たな才能の誕生を目撃したのでした。

 9/1(土)から1週間のレイトショー上映は連日超満員で、急遽4日間開催されたスーパーレイトショーも含め、観客動員数は1179名を記録しました。この記録はポレポレ東中野において、1週間上映のレイトショー史上過去最多とのことです! 大ヒットを記念し、9/22(土)~10/5(金)21:00から2週間のアンコール上映が決定。山中監督、おめでとうございます!

ぴあフィルムフェスティバル

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