ウーマンラッシュアワーが泣かされた!韓国映画『サニー』
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、日本版のリメイク『SUNNY 強い気持ち・強い愛』も話題になっている『サニー 永遠の仲間たち』をななめ見しちゃいます。「ベタなやつやと思っていた!」と語っていた2人が大号泣!(取材・文:シネマトゥデイ編集部・森田真帆)
『サニー 永遠の仲間たち』
あわただしい日々を送る主婦ナミは、母の見舞いに訪れた病院で、ガンに侵された高校時代の親友ハ・チュナと25年ぶりに再会。チュナの願いをかなえるため、強い絆で結ばれていた高校の仲間たち“サニー”のメンバーを探すナミの脳裏に、1980年代後半の青春の日々がよみがえる。
食わず嫌いだった韓国映画
中川:めっちゃよかった! 韓国映画、完全にナメてました。素晴らしかったわ~。
村本:俺も、めっちゃ韓国映画ナメてた。けど、あの高校時代にタイムスリップしてさ。仲良し少女たちがケラッケラ笑うの観て、もう愛おしくなったわ。
中川:少女漫画の世界を見ているみたいやったな。
村本:主人公(ナミ)の高校時代も、もかわいい性格やったー。めっちゃダサくてかわいい。
中川:そうそう。彼女がテンション上がりすぎたときに見せる謎のステップとか、全然リズム感なくておもろい。いや、芸人でもあんな動きなかなかできひん。
村本:日本にいてもさ、女の子にとって韓国って、とっつきやすいと思うねん。韓国アイドルとかドラマとか、とっかかりがあってハマりやすいのかなと。でも男って、そもそもそれがないから、韓国映画もドラマも観ようとはせんわけよ。
中川:確かに、うちもオカンが「チャングムの誓い」とか観ているけど、男は観いひんかな。大河ドラマとかさ。
村本:だから、俺の場合は韓国映画って言われると、ベタベタの恋愛ドラマみたいなイメージが強かった! だから最初は、この映画を観るのもかなり嫌やってん。しかも今回は、仕事終わって夜中に帰って来てから観て。でも途中で寝るどころかもう午前3時くらいまで目もバキバキで夢中。最後は号泣して鼻詰まって眠れなくなったわ! 号泣!
中川:俺も、2回観てもうたわ。
村本:俺も! っていうか、お前が2回観るってめちゃくちゃ珍しいやん。普段は流血ものしか観ないサイコパス野郎のくせに!
おっさん2人の大号泣したシーンとは?
中川:俺、海外の映画のキャラクターを覚えんのが結構苦手。でも、この映画は、全員の顔と名前がちゃんとわかって、昔のサニーのメンバーが出てきても「あ、こいつはあの子やな」とかわかるから、めっちゃ感情移入して観てたわ。
村本:わかるわかる。もう全員が可愛い! 一人残らず抱きしめたくなった!
中川:それはヤバイけど(笑)。まぁ、そう言ってしまう村本の気持ちわかるよ。現代の仲間たちに会いに行くシーンも、昔の自分たちの回想シーンも全部良くて、2時間超えの映画なのに、観ている途中にふと、あと40分しかないって気づいたとき、終わってほしくなかったもん。
村本:なんかこの映画、泣けるし、笑えるし、忙しい! 特にヒロインが、自分にものすごく冷たくしてくる友達に「どうして私に冷たいの?」っておでん屋さんで問い詰めるシーン。あそこがめっちゃよかった。それこそ俺、笑いながら泣いてたわ(笑)。
中川:俺は、グループの中にいた、自分が大好きなメンバーが、(ビデオメッセージで)未来の自分に向かって「ヤッホー、未来の自分。あなたは今ごろミス・コリアだね!」って言うところ。その子が実は今は……っていうな。現実がほんまに残酷で、悲しかったなぁ。
村本:あれはヤバかった~。マジでヤバかった! 今も思い出して泣けるわ。大人になるって、こんなに残酷で辛いことなんだーって思って。実は俺、あのシーンがラストシーンでもいいんかなって正直思っていたわけよ。でもラストはすごく明るくて前向きな終わり方だったのが救いやった。冒頭で友達がガンで……って展開を観たときは、「ああ、そういう泣かせにくる映画なんやな」って思ったんやけど全然違うで!
生きづらい女子たちの自分解放映画!
村本:正直、女子高の話って、自分がリンクできるかどうか不安なところがめっちゃあってん。俺の学校は男女共学やったから、女子高のこと知らんし。でもさ、嫌な奴がおって、問題が起きたら喧嘩して、自分たちのグループ作ったり。実は男子とあんま変わらんねんなぁってことがわかりました! 女同士の友情に、初めて憧れたわぁ。
中川:ほんま、特にサニーは仲が良いよな。おばちゃんになって、久しぶりに会っても、時間を全然感じさせずに仲良くいられる。
村本:自分のオカンもさ。昔はあんな風に可愛い女子高生やったんやなって思ったらめっちゃ愛しく思えたわ。同窓会に行って、久しぶりに同級生に会っても、普通はみんな大人の顔するやん。でもこの映画のキャラたちはみんな、一瞬にして子供の頃に戻っちゃって。
中川:お金持ちと結婚して、おしゃれなマダムになっているヒロインのキムナミ! あの子が、旦那にも子供にも気を使いながら生きている姿は切なかったなあ。だからこそ、自分自身をさらけ出して、制服着て踊りまくるところは爽快やった。
村本:俺が思うに、最近の女の人はすごく圧迫されていると思うんよ。この歳になったら結婚しろとか、この歳を超えたら、子供を産まなきゃいかんとかさ。雑誌にしてもそうやで。女性は20代、30代になったら読む雑誌とか、オカンが読む本とか全部決まってたりする。男なんて、おっさんでも「少年ジャンプ」買うてたりめっちゃ自由やん。この映画はさ、そんながんじがらめの中で生きてる女性たちが、自由だった頃の自分たちと一緒に自分を解放する映画。最高やん!
村本、日本版に期待大!
中川:これ、日本でもリメイクされたわけやけど、めっちゃ楽しみ! 渡辺直美の役だけ、(韓国版の)誰を演じるのかすぐにわかったわ(笑)
村本:ほんまにぴったりな役やんな。しかも韓国版は、ちょっと前の世代やったけど、今回は俺らの時代の1990年代って言うからめっちゃ楽しみ! 女優さんも、俺らが10代の頃から人気の女優さんばっかりで懐かしいよな。
中川:そうそう。ともさかりえさんとか、俺らの頃から、めっちゃ人気やった!
村本:俺は、(高校時代のキャスト)池田エライザちゃんが大好き! でもさ、広瀬すずちゃんは大変やったろうな。だって、韓国版のナミ役やろ? あの若かった頃の女の子(シム・ウンギョン)、演技うますぎやった! あの田舎感がぴったりやねん。田舎の学校で、一番可愛いっていう顔やし(笑)。
中川:ほんまやなぁ。あの役を、広瀬すずちゃんがどんな風に演じてはるんやろ。
村本:日本でリメイクするって聞いて、心から「がっかりさせんなよ!」って思ったわ。ちょっと好きになりすぎたからリメイク版はかなり期待するし、その分映画を観る目も厳しくなる。だからこそハードル高くて、めっちゃ楽しみやけどな!