『検察側の罪人』~漫画連載:憑依系女子、夢野映子の1日
憑依系女子夢野映子の1日
木村拓哉さんと二宮和也さんの共演で話題の『検察側の罪人』。話題になっている理由は単なるキャスティングだけではなく、それぞれの化け方にいい意味で裏切られるからではないでしょうか。
《あらすじ》都内で起きた老夫婦殺人事件。担当するのはエリート検事の最上(木村)と部下の沖野(二宮)。最上は複数いる容疑者の中から、一人の男に狙いを定め執拗に追い込む。しかし沖野は一向に手ごたえを得られず、最上の捜査方針に疑問を抱く。
まず驚いたのは二宮さん演じる沖野の尋問シーン。好青年の見た目とは裏腹に、出るわ出るわ罵倒の数々。思わず舌が切れそうになるほどのめまぐるしい会話量は圧巻です。このとき尋問を受けるのは酒向芳さん演じる松倉。この松倉が主演2人に並ぶ存在感でした。ビジュアルのインパクトもさることながら、過去の事件を話すときの目つき腰つきが松倉という男を見事に演じ切っていて、全員に嫌悪感を与えます。
一方、事件の指揮をとるのは木村さん演じる最上。これが今までの“キムタク像”を完全払拭するキャラクターでした。まず天下のキムタクが家庭内で邪見に扱われているんですね。それがまた思いのほか妙に板についていて「こういうほうがリアルかも……」などという妄想が膨らみます。加えて、コレクター癖があったり、過去の事件の影響で人の誕生日に執着する節があったり、明らかに今までの爽やかなキムタクとは異なります。まるで闇堕ちしたヒーローのようで、私は好感度爆上がりでした。今後も悪役が増えてほしいと密かに願っております。
ヤナマリ的見どころ
・沖野vs松倉の狂気あふれる尋問シーン
・スーツを脱いだキムタクの美しい筋肉
・謎の赤い食べ物や謎のダンサーズなど散りばめられた不気味な描写
柳本マリエ プロフィール
17歳で渡米したことをキッカケに人生の歯車が崩れ出す。まったく紳士ではないイギリス人と4年間も付き合ったり、フランス郊外の知らない街で迷子になったり、色んな夢を追いかけていたら絵日記ブロガーになっていました。現在は肩に乗るネコと暮らしています。ブログ「17歳からのイングリッシュ」毎日更新中!