『ファンタビ』新作の気になる10の疑問!
ファンもびっくりのサプライズがたっぷりの『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。観ている間はドキドキワクワクの連続だけど、観終わってから、あれって何だったっけ? という素朴な疑問が。そんな疑問をスッキリさせよう。(平沢薫)
※本記事はネタバレを含みます。映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします!
【Q1】グリンデルバルドの牢にいる魔法動物は何?
獄中のグリンデルバルドの足元にいて、馬車では“アントニオ”と呼ばれて抱き上げられるのに、あっさり放り出される。あの魔法動物は映画では説明がないけれど、書籍「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 映画オリジナル脚本版」(英語版)では“チュパカブラ”と書かれている。
この動物は「幻の動物とその生息地」に記載がなく、シリーズ初登場。名称は、南米で目撃される家畜の血を吸う未確認生物と同じ。「X-ファイル」シーズン4第11話にも同じ名のモンスターが登場するが、姿はかなり違う。
【Q2】グリンデルバルドと一緒にいる女性は誰?
詳しい情報は未発表だけど、役名はロジエール。これは『ハリポタ』で純血の血筋とされる“聖28一族”の名。ヴォルデモート卿の信奉者である“死喰い人”にも同じ名字のエバン・ロジエールがいるので、彼と関係があるのかも?
演じているのは、テレビドラマ「ザ・コレクション」などのフランス出身女優ポピー・コービー=チューチ。
【Q3】蛇に変身する女性の名前“ナギニ”って、どこかで聞いたような?
それもそのはず、“ナギニ”はハリー・ポッターの宿敵、闇の魔法使いヴォルデモートのペットの蛇の名前。本作のナギニは、あの蛇のかつての姿だ。後に、この蛇はヴォルデモートが魂を分けて隠した“分霊箱”の1つに。映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)などに蛇の姿で登場、ネビルにグリフィンドールの剣で倒される。
【Q4】ユスフや魔法省の役人が言う「タイコ・ドドナスの予言の書」って?
ユスフや魔法省のトラバースが話すこの予言書は、シリーズ初登場。ユスフはこの書にクリーデンスのことが書かれていると考えているが、真相は不明。予言といえば、『ハリポタ』にもヴォルデモートを倒す者についての予言があったし、『ファンタビ』でも予言が重要になるのかも?
参考までセリフに出てくる予言の原文と直訳を見てみよう。
A son cruelly banished 無残に追放された息子
Despair of the daughter 娘の絶望
Return, great avenger 偉大な復讐者が帰還する
With wings from the water 翼と共に水から
【Q5】ダンブルドアの授業を受けてる生徒、マクラーゲンって誰?
ダンブルドアの授業中、やってきた魔法省の役人たちに生意気なことを言う男子生徒は、若いマクゴナガル先生に「マクラーゲン!」と叱られる。この名前は、映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2008)『ハリー・ポッターと死の秘宝』シリーズに登場したコーマック・マクラーゲンと同じ。彼と何か関係があるのかも。
コーマックはハリーたちの1年先輩のグリフィンドール寮生。ロンと魔法界のスポーツ、クィディッチのキーパーの座を争ったり、ハーマイオニーに迫ったりした。
【Q6】ダンブルドアが鏡を見るとグリンデルバルドが映るのはなぜ?
この鏡は映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)に出てきた“みぞの鏡”。“みぞの”は“のぞみ”を逆に並べたもので、この鏡は見る人の心の底にある願望を映し出す。本作でダンブルドア自身が言うように、2人の仲はかつては「兄弟以上」。原作者J・K・ローリングがダンブルドアはゲイだと明言していることも思い出しておこう。
2人が親しくなったのは、ダンブルドアがホグワーツを卒業した夏。田舎の実家で精神的に不安定な妹の世話をしていた彼は、グリンデルバルドと出会って大親友になり、一緒に“死の秘宝”を研究した。が、彼との考え方の違いに気づき、さらに彼らの対立に絡んで妹が亡くなり、それ以来、彼とは会っていない。
ちなみに、本作でダンブルドアがリタに「妹を愛していた?」と聞かれて「十分ではなかった」と答えるのは、この出来事を踏まえたもの。
【Q7】ニコラス・フラメル老人って誰?
ダンブルドアがニュートに教えた“パリの隠れ家”は、ニコラス・フラメルの家。フラメルは“賢者の石”の創造した錬金術師で、ダンブルドアの旧友。彼が戸棚を開くと見える赤い石は“賢者の石”だろう。
その後、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』でヴォルデモートが復活のためにこの石を盗もうとするが、ハリーがそれを阻止する。ダンブルドアはハリーに「フラメルと相談して石を破壊した」と語っている。
【Q8】“破れぬ誓い”って?
“破れぬ誓い”とは、魔法使い同士が交わす誓いで、どちらかが破ると双方が死んでしまう。本作で、ダンブルドアがかつてある人物とこの誓いを交わしていたことが分かる。
この誓いは映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』にも登場。ドラコ・マルフォイの母親ナルシッサが、スネイプ先生と“スネイプはドラコの任務を手助けする”という“破れぬ誓い”を交わした。
【Q9】オーストリアのヌルメンガード城って?
映画の最後にグリンデルバルドたちがいる城は、“オーストリアのヌルメンガード城”と字幕が出る。これは、グリンデルバルドが築いて敵を投獄し、後に自分が収監されることになった牢獄と同じ名前。この城が牢獄に変わっていくのかも。
【Q10】ダンブルドアの家族構成はどうだったっけ?
これまでの原作と映画では、ダンブルドアの家族は、両親と、3歳年下の弟アバーフォース、4歳年下の妹アリアナのみ。父はダンブルドアのホグワーツに入学前にアズカバンに収容されて、後に獄中死。母と妹はダンブルドアがホグワーツを卒業した年に死去したという設定だった。
が、本作でグリンデルバルドが、ダンブルドアの家族について、驚愕の発言をする。果たしてこの発言は正しいのか?
ダンブルドアの父親の獄中死がいつだったのかが不明なので、発言が正しい可能性もある。しかしグリンデルバルドは監獄の看守を3度も変えたほど口の上手い人物なので、嘘をついている可能性も?
この発言の真相は、これから明かされていくはず。このシリーズは全5作、物語はあと3作続く。今から続きが待ち遠しい!
【おまけQ】グリンデルバルドが持っている杖は何?
あれは強力な魔力を持つ“ニワトコの杖”。「3つそろえると死を制する者になる」と言われる“死の秘宝”の1つで、他の2つは“蘇りの石”と“透明マント”。グリンデルバルドは若い頃に、この杖を杖職人から奪った。
この杖は、後にハリー・ポッターとヴォルデモートの戦いのキーアイテムに。ヴォルデモートはこれを手に入れようと、獄中の老いたグリンデルバルドを訪れる。