大掃除のダルさからアナタを救う!モチベUP映画
今週のクローズアップ
いよいよ2018年も終わりに近づき、大掃除の季節になりました。でもなかなかやる気が起こらずについつい映画館に行ったり、家でDVDを観たりしちゃう……という“大掃除までのグダグダ”も毎年恒例。そんなときは掃除意欲をアップさせてくれる映画を観て、大掃除を楽しんじゃいましょう!(編集部・吉田唯)
掃除の後はコーヒーで一服!
『バグダッド・カフェ』
DVDなどのジャケットにもなっている、女性が給水タンクを長いブラシで掃除するシーンがあまりに有名な本作。舞台はアメリカ西部の砂漠の真ん中にある寂れたモーテル「バグダット・カフェ」。そのモーテルにしばらく宿泊することになったドイツ人旅行者・ジャスミンの掃除ぶりには、心の奥底に眠っている“掃除欲”を刺激されます。
ジャスミンが通された部屋はホコリまみれで、とてもキレイとはいえない状態。彼女は、そんな部屋に掃除機をかけピカピカにしたかと思えば、モノにあふれた宿のオフィスや看板、給水タンクまで、モーテルのあらゆるところをキレイにしてまわります。
白いシャツをドロドロにしながらモノを整理し、天井のシーリングファンの汚れをふき取り、床をピカピカに磨き上げる……そんな掃除シーンの連続には、心もスッキリ。ジャスミンのように、普段放置していた場所や頑固な汚れにも立ち向かうエネルギーが湧いてきます。
アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた主題歌「Calling You」の優しい音色と、劇中に登場するコーヒーも印象的。掃除が終わった後には「Calling You」を聴きながらコーヒーで一服して、映画の世界観に浸りたくなってしまいます。
それは本当に必要?モノと向き合う
今やすっかり断捨離という言葉が定着していますが、そのモノが本当に必要かどうか判断するのは整理整頓の基本。でも欲しいモノは尽きず、どんどん増えるばかり……。そんな“モノにあふれた”生活を送っていた青年ペトリの実体験から生まれた映画が、『365日のシンプルライフ』です。
ペトリは失恋の傷から心機一転立ち直るため、ちょっと行き過ぎともいえる方法でモノに向き合います。その方法とは、「持ち物を全て倉庫に保管」「1日1個だけ倉庫から持って帰ることができる」「1年間何も買わない」「これを1年間続ける」という4つのルールのもと生活するというもの。
映画の冒頭では、何にもモノがないガランとした部屋から飛び出したペトリが、真っ裸で雪道を全力疾走し、倉庫でコートをゲットします。そこまでやらなくちゃいけないのか!? とツッコみたくなってしまう幕開けですが、映画が進んでいくにつれ、モノのありがたみを感じたり、モノに支配される生活への不安を抱いたりするペトリと一緒になって、「人生で本当に自分を幸せにしてくれるモノとは何か?」と考えてしまうはず。ついつい「今後使う機会があるかも」とモノを残してしまいがちな人は、ペトリから思い切りの良さを学べます。
掃除を楽しくする音楽!
『SING/シング』
掃除が嫌でいつまでも延期しちゃう……そんなときは軽快な音楽でテンションをアゲてみると、いつもとは違った気分で掃除も楽しめちゃいます。かわいい動物たちがたくさん登場する『SING/シング』は、そんなシチュエーションにピッタリの一本です。
本作の掃除シーンは他とは違ってかなりユニーク。なんと、主人公であるコアラの劇場支配人バスター・ムーンが、自分の体をスポンジ代わりに洗車するのです。フワフワの体を泡まみれにして洗車に勤しむ姿はとってもキュート! 布巾代わりに同じく自分の体を使って水をふき取る大親友のヒツジ、エディとのコンビネーションもバッチリです。
劇中では、バスター・ムーンが愛する劇場にかつての活気を取り戻そうと、歌のコンテストを企画したことから騒動が巻き起こります。ハツカネズミや、ゾウ、ブタ、ヤマアラシ……さまざまな動物たちが紡ぎ出す歌は力強く、希望に満ち、心を揺さぶられるものばかり。本作のヒットナンバーにノリノリになりながら掃除すれば、憂鬱な気分も吹き飛ばせちゃいます。
掃除欲を刺激される!
『魔女の宅急便』
掃除といえばホウキ、ホウキといえば『魔女の宅急便』! 本作の主人公は、ホウキに乗って空を飛ぶ魔女・キキ。キキにとってホウキはやはり“空を飛ぶ道具”だからか、掃除シーンではホウキではなくブラシが登場します。
相棒の黒猫・ジジにそっくりな人形を修理してもらう代わりに、絵描きの少女の部屋を掃除することになったキキ。トレードマークの黒いシンプルなワンピースが濡れないように腰のあたりで裾を結び、四つん這いになってブラシで懸命に床をゴシゴシ。そのブラシの音を聞いているうちに、なぜか同じように掃除をしたくなって手がうずうずしてしまいます。
ジブリ作品といえば、美味しそうな食事に代表される細かな生活描写が特徴。本作にも、ホウキやブラシだけでなく、たくさんの掃除道具が登場します。部屋にさりげなく置かれたバケツやモップ、長い間使っていない部屋の窓を開けたときに舞い上がるホコリ……そうした日常の些細な物事をしっかりと描き込むことで、魔女というファンタジーな題材をとても身近な少女の成長物語へと作り上げています。
侍に学ぶ“丁寧”の重要性
『ちょんまげぷりん』
180年前の江戸から現代にタイムスリップしてきた侍・木島安兵衛を錦戸亮が演じた本作。観ていて思わず背筋がシャンとするくらい、一つ一つの家事を丹念にこなしていく安兵衛からは、忙しい日常のなかで忘れていた大切なことを学べます。
安兵衛は、タイムスリップした先で母・ひろ子(ともさかりえ)とその息子・友也(鈴木福)の二人が暮らす家に居候することに。お礼に一切の家事を引き受けると申し出ます。彼の誠実で芯の通った人柄は家事にも反映されていて、床の雑巾がけや障子の張り替えもとにかく丁寧。冷蔵庫の収納の仕方にまでこだわる姿は、まさに整理整頓の鑑です。
あらゆることがスピーディーに進んでしまう現代において、家事に時間をかけることは無駄と思われがちですが、たまにはゆっくりと掃除することも大切。そのゆったりとした時間が、心までスッキリとさせてくれます。