DCヒーロー・アクアマンを熱演!ハンサム俳優ジェイソン・モモアの軌跡
いま、全世界のアメコミ映画ファンの期待を一身に背負う男がいる。俳優ジェイソン・モモアだ。DC映画『アクアマン』(2月8日全国公開)で主演を張る彼は、現在39歳でありながら、世界的に大きな飛躍を遂げようとしている。やや遅咲きの印象がある彼は、これまでどのような俳優人生を送ってきたのだろうか。その軌跡を振り返ってみよう。(文:zash)
故郷ハワイで俳優デビュー
ジェイソン・モモアは1979年8月1日アメリカ・ハワイ州生まれ。アイオワ州ののどかな平原で育ったモモアは、モデルとしてキャリアをスタートさせる。21歳の頃、故郷であるハワイへと舞い戻ったジェイソンは、ファッションブランド「タケオキクチ」で知られるデザイナーの菊地武夫に見いだされる形で、モデルデビューを果たし、コンテストで優勝するなどの実績を残す。1999年には鍛え上げられた肉体美と端正な顔立ちを買われ、当時、舞台をハワイへと移動し、大きな改革が行われようとしていた大ヒットテレビシリーズ「ベイウォッチ」のジェイソン・ローン役に抜擢。俳優として初の仕事を手にすると共に、メインキャストという大役を任されることとなる。
「ベイウォッチ」は1989年から2001年まで続いた長寿ドラマで、主演のデヴィッド・ハッセルホフをはじめとしたキャストがスローモーションでビーチを走る姿が大きな話題となった。モモアはシーズン10から若手キャストを引っ張る存在として44エピソードにわたり出演し、一躍、お茶の間の人気者に。2005年からは、人気テレビドラマ「スターゲイト SG-1」のスピンオフ作品である「スターゲイト アトランティス」にレギュラー出演。モモアが演じるロノン・デックスは、故郷を追われ、常に命を狙われているという役どころだった。人を殺す能力にも長けたどう猛なキャラクターながらも、そこに人間臭さも織り交ぜた好演で人気を博した。
「ゲーム・オブ・スローンズ」で魅せた存在感
テレビドラマで活躍の場を広げてきたモモアにとって、最大の出世作と言っても過言ではない作品……それは米HBOが手掛けるドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」であろう。ジョージ・R・R・マーティン原作「氷と炎の歌」を映像化した超大作に、2011年の放送開始当初から出演。モモアが演じたのは、ドスラク人の長カール・ドロゴ。のちに‘‘ドラゴンの母’’と呼ばれるようになるデナーリス・ターガリエン(エミリア・クラーク)の夫となるキャラクターだ。野性的かつどう猛なキャラクター像を持ち前の魅力で体現し、大きな注目を集めた。特筆すべきは、その出演したエピソード数。モモアの出演というのは実は10エピソードほどしかなく、これまで7シーズンにわたって放送されている同作においては極めて少ないと言っても良いだろう。しかし、モモアの演じたカール・ドロゴというキャラクターは「ゲーム・オブ・スローンズ」視聴者の脳裏に鮮明に焼き付いている。それは、ジェイソン・モモアという俳優が見せた圧倒的な存在感がなせる業なのかもしれない。
テレビを飛び出し、映画界へ
デビューから長らくテレビを主戦場としてきたモモアは、ついにハリウッドの大作映画への出演を果たす。2011年公開の『コナン・ザ・バーバリアン』は、ロバート・E・ハワードの小説「英雄コナン」を基に、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『コナン・ザ・グレート』をリブートした作品。同作で主人公コナン役に抜擢されたモモアは、持ち前のカリスマ性と圧倒的存在感を武器に、次世代のアクションスターとしての片鱗を見せる。続く、2012年の『バレット』ではシルヴェスター・スタローンと敵対する元傭兵のキーガン役を好演。ハリウッドのレジェンドであるスタローンとの共演に臆することなく、見事に渡り合ってみせた。クライマックスでの二人の肉弾戦は映画ファンなら一見の価値ありだ。その野性味あふれる容姿で比較的、悪役を演じることが多かったモモアだが、2015年、その印象をガラリと変えるスーパーヒーロー役に大抜擢されることになるのだった。
DCヒーロー・アクアマン爆誕!
2015年の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』より、DCコミックスを代表するスーパーヒーロー・アクアマンを演じることになったモモア。単独映画を前に2017年の『ジャスティス・リーグ』でもバットマンやワンダーウーマンらと共にスクリーン狭しと大活躍し、全世界のアメコミ映画ファンから大きな期待を寄せられてきた。
アクアマンというキャラクターが原作で初登場したのは、1941年の「More Fun Comics 」第73号。これまで80年近い歴史を誇る、DCコミックス界のいわばレジェンドだ。海底王国・アトランティスの女王だった母と人間の父との間に生まれたアーサー・カリーが、超人的なパワーを身につけ、水陸問わず外連味に溢れた活劇をみせる作品として根強い人気を獲得した。モモアが演じる以前にも、アクアマンはテレビドラマ「ヤング・スーパーマン」やいくつかのテレビアニメに何度も登場している。そんなアクアマンの単独映画が2019年に公開となる。一足早く鑑賞を終えたファンから絶賛の声が多数寄せられており、大いに期待して間違いないだろう。海洋生物を率いて戦いに挑むモモアの演技にも注目したいものだ。
ワイルドな風貌だけど、実はお茶目で可愛い‘‘モモアマン’’
髭を蓄えたワイルドな風貌と身長193cmという体格の良さ、演じる役柄もどう猛なものが多いことから、少々強面な印象が強いモモアだが、実はとてもキュートでお茶目な一面を持った男でもある。イベントに出席した際には、突如“ハカ”(ニュージーランド先住民の民族舞踊)を踊り始めたり、ファンとのコミュニケーションの場ではそのたくましい筋肉で包み込むようなハグをしたりと、容姿とのギャップが魅力の彼はファンから“モモアマン”の愛称で親しまれている。2018年に来日した際には人気ラーメン店に通い詰めるなど、日本では生粋のラーメン好きとしても有名だ。そんなモモアは、毎年恒例のTC Candlerが選ぶ「世界で最もハンサムな顔100人」2018年版にて堂々の一位を獲得。改めて、世界がジェイソン・モモアに熱視線を送っていることがうかがえる結果となった。
DCヒーロー・アクアマンを熱演し、今後ますます人気俳優となっていくこと間違いなしのモモア。一度ハマってしまったら最後、ギャップ萌えな一面も持つ彼の魅力に抗うことはできない。