2019年期待のホラー映画たち!
今週のクローズアップ
2019年もすでに2か月がすぎてしまいましたが、暑い夏を冷やすホラー映画の季節はこれから! 恐怖のピエロにあの殺人鬼、呪いの人形、死んだペットも帰ってくる今年の期待作を一部ご紹介します。(編集部・入倉功一)
予告からコワすぎ!『ゲット・アウト』監督の新作
『アス(原題) / Us』 3月22日より全米公開
アカデミー賞で脚本賞に輝いた『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督が新たに描くのは“自分”と向き合う恐怖。アメリカ版の予告編によると、4人の黒人家族が、バケーション先で自分たちにそっくりな“ドッペルゲンガー”たちに襲われるさまを描くようです。とにかく不気味な笑顔で襲ってくる自分たち(Us)がコワすぎ! 『ゲット・アウト』では、人種間の差別意識を巧みに織り交ぜた構成で観客の度肝を抜いたピール監督だけに、今回の作品も一口にホラーと言い切れない名作の予感プンプンです。
ペットが蘇る墓地に埋まったのは…
『ペット・セマタリー(原題) / Pet Sematary』 4月5日全米公開
1980年代に映画化もされたスティーヴン・キングの名作ホラー小説を再び映像化。都会のボストンから、自然に囲まれたメイン州に引っ越してきた一家に降りかかる悲劇と、埋葬したペットが蘇るペット霊園(ペット・セマタリー)がもたらす恐怖を描くという、基本的なプロットは同じようです。予告編からは、静かに迫る恐怖を描いたサイコロジカルスリラーといった雰囲気が漂っています。ジェイソン・クラークやジョン・リスゴーといった実力派俳優の出演も期待大です。
あの殺人鬼がようやく日本上陸
『ハロウィン』 4月12日より日本公開
アメリカでは昨年のハロウィンに公開された、伝説のホラーシリーズ最新作がようやく日本公開です。鬼才ジョン・カーペンター監督が1978年に生んだ殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズが、再び故郷の街に帰ってきます。1作目の正当な続編となり、オリジナル版でヒロインのローリーを演じた“スクリームクイーン”ジェイミー・リー・カーティスがカムバック。マイケルとの対決に挑みます。リブート版を含めるとすでに10作を数える『ハロウィン』シリーズに決着をつける一本になりそうです。
本当にあった!?メキシコの怪談
『ラ・ヨローナ~泣く女~』 初夏日本公開
中南米に伝わる都市伝説を映画化。ラ・ヨローナ(泣き女)とは、夫が不貞を働き、夫が最も愛する子供たちを溺死させてしまうが、後悔の念に駆られ子供を求めて彷徨い続けている……とされる怪異で、1970年代のアメリカを舞台に、ラ・ヨローナに自分の子供を狙われた女性の恐怖が描かれます。プロデューサーは『死霊館』シリーズのジェームズ・ワン。『アナベル』『死霊館のシスター』に続く、まさかの『死霊館』ユニバース参加が期待される一本としても注目です。
歌って踊れる青春ゾンビ映画!
『アナと世界の終わり』 5月31日より日本公開
イギリスの田舎町を舞台に、ゾンビパニックに直面した女子高校生アナの奮闘と青春を、歌と踊りで描くコメディーミュージカル。ゾンビを血祭りにあげながら『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』的なミュージカルシーンが繰り広げられるさまは超シュール! 主人公のアナをはじめ、負け組高校生たちが奮闘する青春映画としても期待の一本です。
水深は固定のシャークムービー続編
『47ミーターズ・ダウン:ザ・ネクスト・チャプター(原題) / 47 Meters Down: The Next Chapter』 2019年全米公開
オリからサメ鑑賞を楽しんでいたらワイヤーが切れて深海へ! アイデア勝負でサメの恐怖を描いたスリラー『海底47m』にまさかの続編が登場です。一部では、1メートル深くなった(?)『48 Meters Down,』になるとうわさされたタイトルですが、水深は47mに固定された模様。続編らしいタイトルに。前作の姉妹から人数は倍になり、10代の女子4人組のサバイバルが描かれるということです。
呪いの人形再び!
『アナベル』第3弾 7月3日より全米公開予定
実話ベースの心霊ホラー『死霊館』(2013)に初登場して以来、出会う者全てを呪ってきた恐怖の人形“アナベル”の由来を描くスピンオフ映画の第三弾。今回は『死霊館』の主人公である心霊研究家ウォーレン夫妻が、アナベルを引き取った際の出来事が明らかに。プロデューサーのジェームズ・ワンによると、アナベルが安置されている、ウォーレン夫妻のオカルト博物館に収められた呪いのアイテムが悪霊によって解放されてしまうということで、『死霊館』ユニバース最強レベルの怪異が描かれることになりそうです。
X-MENなのに怖い!異色のヒーロー映画
『ザ・ニュー・ミュータンツ(原題) / The New Mutants』 8月2日より全米公開
ウルヴァリンやデッドプールなど、数々の人気キャラクターを生んできた『X-MEN』シリーズのスピンオフ……なのですが、予告編の雰囲気は完全にホラーテイスト。突然変異で異能に目覚めた若きミュータントたちが直面する精神的な恐怖を描いた作品になるようで、ヒーロー映画の可能性を広げる一本としても期待大ですが、これまで何度も公開延期が繰り返されており、ついにはネット配信のうわさがささやかれる状況に。無事スクリーンで観られるのかも気になるところです。
呪いのピエロ再び!
『イット:チャプター・ツー(原題) / It: Chapter Two』 9月6日より全米公開
日本でもスマッシュヒットとなった『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)の第2章。アメリカの田舎町で、子供たちの命を狙う殺人ピエロ、ペニーワイズ。かつて彼を退けた子供たち“ルーザーズクラブ”の面々が、事件から27年後、再び集まった故郷で本当の恐怖と向き合うことになります。ジェシカ・チャステイン、ジェームズ・マカヴォイなど、大人になったルーザーズクラブのメンバーを演じる実力派スターの共演も見どころです。
懐かしの顔ぶれで傑作ゾンビコメディー復活!
『ゾンビランド:ダブル・タップ(原題) / Zombieland: Double Tap』 10月11日より全米公開
ゾンビパニックで崩壊したアメリカを舞台に、オタクの引きこもり青年に、屈強なアウトロー、ゾンビ殺しのプロ、詐欺師の姉妹の逃避行を描いた人気コメディーの続編。監督のルーベン・フライシャーはもちろん、ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリンらオリジナルキャストが集合。全米公開日も、前作からほぼ10周年となる10月11日が予定されていて、ファン感涙ものの一本になることは確実です。
ハイテク仕様のチャッキー大暴れ?
『チャイルズ・プレイ(原題) / Child's Play』 6月21日より全米公開
アナベルの先輩といっても過言ではない(?)殺人鬼の魂が乗り移った人形の大殺戮を描く名作ホラーのリメイク版。最新版の予告編によると、今回のチャッキーはハイテク満載の最新鋭オモチャになる模様。まさかのSFホラーへと生まれ変わるのかもしれません。大ヒットホラー『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のプロデューサーコンビ製作ということで、近年は新作を作ってもビデオスルーになってしまうなど、低迷気味のシリーズを仕切り直す一本となるのか。
これが本当のリアル脱出ゲーム?
『エスケイプ・ルーム(原題) / Escape Room』 全米公開中
日本でも大人気の脱出ゲームがハリウッドで映画になった! 命がけの脱出ゲームに招待された6人の男女が、密室からの脱出を目指す本作は、本国アメリカで、公開初週で製作費の2倍を稼ぎ出す好スタートを記録中。謎解きはもちろんですが、脱出に失敗した参加者の死に様も見どころになりそうです。
あのカルトホラーが終幕!
『スリー・フロム・ヘル(原題) / 3 from Hell』 2019年全米公開予定
人気ミュージシャンにして、ホラー映画監督としても一定の評価を受けるロブ・ゾンビが、デビュー作『マーダー・ライド・ショー』(2003)で生み出した殺人一家・ファイアフライ家の凶行を描くシリーズ第3弾。詳細は明らかになっていませんが、シリーズ完結の一本になる模様。1作目を王道のスプラッターホラーに仕上げたと思いきや、2作目の『デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~』(2005)を、ドン引きものの犯罪を重ねる一家に思わず感情移入してしまう、アメリカンニューシネマテイストの傑作に仕上げたゾンビ監督が、次にはどんな仕掛けを見せてくれるのでしょうか。
そのほかにも、現在公開中のリメイク版『サスペリア』や、全編PC画面で進行するシチュエーションホラーの続編『アンフレンデッド:ダークウェブ』(3月1日公開)、自分が殺される日を何度も繰り返す恐怖を描いたホラー映画『ハッピー・デス・デイ(原題) / Happy Death Day』など、今年も期待のホラーが続々。日本公開未定の作品もありますが、どの映画もスクリーンで観られることを祈りながら今年も恐怖の世界にどっぷりつかってください!