ダリルとヘンリーが試される!“囁く者”の恐ろしさもちょっとだけ判明【ウォーキング・デッド シーズン9】
今週のウォーキング・デッド
シーズン後半も3回目を迎えてますます勢いに乗ってきた! 今回はストーリーが大きく展開。次に向けての前振りもたっぷり詰まってる!(平沢薫)
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン9について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド連載:第11回
<これから観る方向け:ネタバレなし>ダリルとヘンリー、それぞれが試される!“囁く者”の恐ろしさもちょっとだけ判明!
今回は、ウォーカーの皮を被った“囁く者”のリーダーの娘、リディア(キャサディ・マクリンシー)に関するストーリーが大きく展開。それとは別に、王国にいる人々のドラマもある。この2つの出来事が描かれる、お得なエピソードだ。
リディアをめぐるドラマでは、ダリル(ノーマン・リーダス)とヘンリー(マット・リンツ)、それぞれの信念が試される事態が起きて、2人の精神的な葛藤も描かれる。このシーズンの「ウォーキング・デッド」は、“どうやって生き延びるか”の先にある“どう生きるか”というテーマに踏み込んでいくようだ。
また、“囁く者”たちについても少しずつ明らかに。今回は、彼らの生存戦略のうち、生まれた赤ん坊をどのように扱うかがわかる。それが、普通の人間とはかなりかけ離れていて、この集団の恐ろしさが見えてくる。
そして前回に続いて今回も、“演出”で魅せるシーンがある。耳が聞こえないコニー(ローレン・リドロフ)が、人間の背丈よりも高く成長したトウモロコシ畑の中でウォーカーたちに追われる状況が、彼女の主観映像で描かれて、迫力満点。こういう凝った演出も、シリーズの好調ぶりを証明している。
<もう観ちゃった方向け:ネタバレあり>ダリルがリーダーっぽくなってきた!?王国の人々が幸せそうで、逆に心配に
今回は、冒頭からサプライズなオマケ付き。なんとジーザス(トム・ペイン)が!……と思ったら、過去のシーンだったが、こういうサプライズはちょっと楽しい。亡くなったキャラの再登場といえば、セリフ中のみの登場だが、イーニッド(ケイトリン・ネイコン)がリック(アンドリュー・リンカーン)の息子カール(チャンドラー・リッグス)のことを語るシーンもあり、その言葉が胸を打つ。彼女がカールをどう思っていたのか、言葉にするのは初めてかも?
そして今回は、2つのドラマが展開し、次への前振りもたっぷりなサービス回。まず、1つは前回のラストから続く、ヒルトップの人々VS.“囁く者”の対決。“囁く者”のリーダー、アルファ(サマンサ・モートン)が娘リディアを返せと要求。ダリルは前回、リディアが自分同様、虐待されていたことを知ったので、それを拒む。が、リディアと交換に、彼らが捕らえたルーク(ダン・フォグラー)とアルデン(カラン・マッコーリフ)を戻すと言われると、葛藤しつつも要求に従うことを決意する。
ここで気づくのは、ダリルの変化。彼はリーダーとして行動するようになってきた。アルファに「リーダーは誰か」と問われると「誰だっていい」と言うが、ひとりでアルファの前に行き、彼女と交渉する姿は、もはや実質的にはリーダー。彼の判断に納得できないヘンリーに「耐えるんだ」と言い聞かせるあたりも、これまで一匹狼で自分の好きなように行動していたダリルとは大違い。ダリルの成長ぶりに驚かされる。
もっともその後、ヘンリーが「耐えられない」と置き手紙していなくなったのを知ると、ひとりで彼を探しに行こうとするところは、いつものダリル。やっぱり性格は、そんなに急には変わらない? ただし今回は、その彼に同行者が登場。ろう者のコニーが一緒に行く。彼女は今回も“囁く者”の赤ん坊を助けたし、次回も何かやりそうだ。
それにしても、ヘンリーがリディアを見つけたとして、はたして彼女は彼についてくるのか? ヘンリーとリディアの今後が気になる……。
今回のもうひとつのドラマは、王国の人々が映画館で上映用の電球を手に入れようとする話。この出来事に絡んで、エゼキエル(カリー・ペイトン)とキャロル(メリッサ・マクブライド)の相思相愛ぶり、2人とジェリー(クーパー・アンドリュース)の信頼関係、そして夢想家エゼキエルらしい理想主義が描かれる。エゼキエルが、ミショーン(ダナイ・グリラ)が考えていた、各コミュニティー共通の“憲章”に賛同して、それを額に入れたがるのも彼らしい。
しかし、この王国の状況があまりに美しくて、逆に不安になってしまうのが「ウォーキング・デッド」ファンの悲しい性。これって、何か悲惨な出来事が起こる前触れってこと? 王国の人々がまだ、“囁く者”の存在も、ジーザスの死も知らないのも気に掛かる。また、キャロルたちが馬車で去る背景に、看板のようなものの裏に何かの“マーク”が描かれていたのも不安要素。このマークにどんな意味があるのかは、これから描かれるはず。
そして今回の最大の前振りは、“囁く者”のリーダー、アルファが娘リディアを取り戻した理由だろう。リディアが言っていたように、“囁く者”は通常、敵に囚われた者は救出しない。となると、リディアを取り戻したのには、理由があるはず。それが気になって、また来週が待ちきれない。