「ゲーム・オブ・スローンズ」最終シーズンのヒントを出演者たちが思わずポロリ!
ゲーム・オブ・スローンズの魅力
人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のため2月19日(現地時間)にイギリス・ロンドンのコリンシアホテルで行われたインタビュー取材に、デナーリス役のエミリア・クラーク始め主要キャストが結集。彼らの発言には、最終シーズンのヒントが続々。この壮大な叙事詩の最後はどうなる!?(平沢薫)
ゲーム・オブ・スローンズの魅力 連載:第7回
ジェイミー役ニコライ・コスター=ワルドーがあの噂を否定!ジョン・スノウの親友サムが重要な役目を果たす!?
最終シーズンは、出演者たちにとっても力が入った作品。なので、彼らは自分が演じるキャラクターについて熱く語っているうちに、うっかり最終シーズンについて触れてしまうことがある。ドラゴンの女王デナーリス役のエミリア・クラークは、ジョン・スノウ(キット・ハリントン)との関係について語りながら、「彼女はジョンによって、物事の新しい側面を発見する。そんなことをしてくれたのは、カール・ドロゴ(ジェイソン・モモア)以来、初めて。彼女は新シーズンでは、その新たな可能性を深く探ることになる」と発言。デナーリスの考え方には、なにか大きな変化があるのかもしれない。
また、ジェイミー役のニコライ・コスター=ワルドーは、エンディングについて「この作品に限らず、どんなドラマでも、キャラクター全員がめでたしめでたしというのはあり得ない」と言いつつ、彼が第4話で死ぬという噂については「本当に? それにお金は賭けない方がいいよ」とも断言。彼が前シーズン最終話でサーセイ(レナ・ヘディ)の元を離れたのも大事件だったが、それについては「彼女はまた妊娠している。2人の最後の子供になるかもしれない。でも、彼が決断する時がきたんだ。その決断は2人のためのものじゃない。ただ2人の関係がそこで終わるのかは、想像に任せるよ」と今後については明言を避けている。
一方、前シーズンの最後にウィンターフェルに着いた、ジョン・スノウの親友サムは新シーズンで活躍しそうだ。演じるジョン・ブラッドリーによれば、サムには2つの性格がある。「サムは、自分が勇敢じゃないと信じ込んでいるから、考える時間があると怖気づく。しかし考える暇がないときは勇敢になる。ホワイト・ウォーカーを退治したときや、ジリ(ハンナ・マリー)にキスしたときがそうだった。新シーズンにもそういう場面がある。彼は自分が臆病だということを忘れると、まったく別の面が浮かび上がってくるんだ」
スターク家の姉妹サンサとアリアは演じる女優2人も対照的?
そして、ソフィー・ターナー演じるサンサと、メイジー・ウィリアムズ演じるアリア、前シーズンで再開したスターク家の姉妹も新たな一歩を踏み出す。ソフィーは「サンサは多くの苦境を乗り越えて、自分の望みが明確になった。だから、それを得るために確信を持って邁進する。新シーズンでは、彼女のそういう姿が見られるわ。信じるものに全てを賭ける彼女は、とてもクールよ」。メイジーも付け加えて「サンサとアリアは性格も能力も違うけど、前シーズンの最後には力を合わせた。新シーズンでは、2人の関係や変化がもっと描かれる。2人は別の難関を生き延びたから、異なる知恵を持っているの」という。
そんな対照的な姉妹を演じる2人にふさわしく、最終シーズンのラストを隠した方法も対照的。撮影前、主要出演者たちは、各自が演じるキャラクターの全体像を表した「絵コンテ」を渡されたが、そこには隠さなければいけない「ネタバレ」がたっぷり描かれていた。そこで、アリア役メイジーは「怖くなって、絵コンテにラップをかけて画を隠して、それを階段の下に隠したわ」。一方、サンサ役のソフィーは「わたしは壁に堂々とかけていたわ。そこでクリスマスパーティーをしたのに、誰も気が付かなかったのよ」と笑顔で語った。
出演者たち自身が振り返って分析!「ゲーム・オブ・スローンズ」はこういうドラマだ!
そして、出演者たちの発言からは、最終シーズンを撮り終えた今だからこそ実感する、このシリーズの魅力も見えてくる。デナーリス役のエミリアは、デナーリスが抱える奴隷制度の問題は、作品全体のテーマでもあると考えている。「デナーリスは自分が奴隷だったことがあるから、奴隷解放は彼女自身にとっても大きな課題。でも、権力と自由という問題は、この作品全体のテーマだと思う。人間というものは、権力と持つといかに視点が曇るのか、権力者は自我を捨てることができるのか」
さらに、デナーリスの行動は、本作の魅力を象徴しているという。「この作品の魅力は、善悪の境界線がはっきりしていないところだと思う。全シーズンを通して、どのキャラクターも、常に誰もが同意できるような行動をするとは限らない。人間は、常に正しく振る舞うことが可能なのか? それが全シーズンを通してのテーマの一つだと思う」と。
同じような魅力を、アリア役メイジーは、本作のキャラクター描写に感じている。「このドラマには、完璧な英雄はひとりも登場しない。登場人物は、欠点のある人間ばかり。誰からも愛されるキャラクターはいない。わたしが演じるアリアもそう。好感を持てない要素があるから、人物像がリアルで、ドラマが面白くなるんだと思う」
一方、アリアの姉、サンサ役のソフィーは、この作品が現実を反映しているところが魅力だという。「この作品が描く世界が、わたしたちの生きている現実とそれほどかけ離れているとは思わない。残念なことだけど、現実でも性的虐待は起きているし、人々は惨殺されている。ドラマが、そういう問題について会話するきっかけになれば素晴らしいわ。会話は問題の解決への第一歩になるかもしれないから」
そして、サム役のジョン・ブラッドリーは、彼がずっと演じてきたキャラクターの重要性に気がついた。「サムは、この番組を見ている“あなた”なんだよ。サムは戦場が怖いし、ずば抜けた戦闘能力もない、普通の庶民だ。いわば、観客にいちばん近い存在なんだ。彼が怖いと思う時、ドラマを見ているファンも同じように感じているはずだよ。だけど、彼が弱いから、周囲の人々が偉大に見える。周囲の過酷さが強調される。サムはシリーズ全体を通して、そういう重要な役目を果たしてきたんじゃないかな」
最終シーズンには、こうした出演者たちの熱い思いも反映されている。この壮大な叙事詩はどんな結末を迎えるのか。4月15日の放送開始が今から待ちきれない。
「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」はBS10スターチャンネルにて4月15日より<世界同時放送>
「ゲーム・オブ・スローンズ」は、スターチャンネルオンデマンド、Hulu、Amazonプライム・ビデオなどで視聴可能