ついに最終話！シリーズ史上“初”がたっぷり【ウォーキング・デッド シーズン9】
今週のウォーキング・デッド
ついにシーズン最終話！ここでもいい意味で裏切ってくれるのが「ウォーキング・デッド」。とはいえ“シリーズ初”をたっぷり見せてくれるというサービスも。これだから、次のシーズンもついて行かないわけにはいかない！（平沢薫）
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン9について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド連載：第16回
＜これから観る方向け：ネタバレなし＞ついにシーズン最終話！ゾンビ映画ファンへのサービスもたっぷり！
今回は、ゾンビ映画ファンにはうれしい場面が続出するので、このジャンルのファンなら必見。監督はグレッグ・ニコテロ。彼はこのシリーズの特殊効果メイク担当で、2013年からは製作総指揮にも参加し、今回が29話目の監督作となるベテラン。このシーズンの第1話も、シーズン後半開始の第9話も、彼が監督だった。そのニコテロが、ユニークな状況にいるウォーカーたちをじっくり見せてくれる。
もちろん、ドラマ面も見せ場あり。特にキャロル（メリッサ・マクブライド）、リディア（キャサディ・マクリンシー）、ニーガン（ジェフリー・ディーン・モーガン）には大きな出来事があるので、ファンは見逃せない。
そして、シーズン・フィナーレのお約束、次のシーズンに向けての前振りも必見。これを見ておかないと、次に進めない！
＜もう観ちゃった方向け：ネタバレあり＞ニコテロ監督のゾンビ愛が炸裂！そしてキャロルとリディアが切ない！
シーズン・フィナーレのドラマがこの静かさでいいんだろうかと思っていると、最後の最後にビッグなサプライズがやってくる。無線機から見知らぬ女性の声が「もしもし、誰か聞いてる？」。つまり、また新たな集団の出現だ。
もちろん、シーズンごとに新たな集団と遭遇するのが本作のお約束。だけど、今度の集団が、無線機を日常的に使っているなら、ある程度恵まれた環境で生活している人々なのかも。だとすると、ただの生存競争とは違う、別の次元のドラマが描かれるのかもしれない。数話前からユージーン（ジョシュ・マクダーミット）が無線機を修理していたのが、次のシーズンへの伏線だったとは。
と、早くも気持ちは新シーズンに向かうが、その前に今回のエピソードを堪能しよう。今回の見どころは「ウォーキング・デッド」史上初の“雪の降り積もる世界”が登場すること。そして“雪の世界のウォーカー”が描かれること。何しろ雪は本シリーズ史上初。このシリーズのロケ地はずっと温暖で湿潤なジョージア州なので、雪は特殊効果になる。これまで描かれなかったのは、予算の関係もあるかもしれない。
今回のグレッグ・ニコテロ監督は特殊効果メイク担当でもあり、きっとずっとやりたかったのに違いない、雪の中のウォーカーの描写は力が入りまくり。積もった雪の中から出現するウォーカーたちのシーンは圧巻。ウォーカーとの格闘でツララを武器に使うというアイデアもナイス。ウォーカーは極寒の中では凍るという新事実も発覚、ダリル（ノーマン・リーダス）がウォーカーの凍った頭部を丸ごと破壊する場面もクールだ。
また、人間ドラマの面では、キャロルとニーガンそれぞれに大きな変化が起きる。なんとキャロルがエゼキエル（カリー・ペイトン）と別れる。以前の彼女に戻り、エゼキエルに「おとぎの国での暮らしは後悔しないわ」と言って指輪を外して返し、別れを告げ、アレクサンドリアに向かうのだ。
キャロルには、その前にリディアとのドラマがある。リディアは人々の死に責任を感じて2度も死のうとするが、そのたびにキャロルが救う。キャロルは何も言わないが、そのたびに、キャロルがかつて幼い実の娘をウォーカーのせいで失ったこと、シーズン4では幼い少女を殺さなければならなかったことを思い出さずにはいられない。次のシーズンでは、キャロルとリディアの物語が描かれるのではないだろうか。キャロルが向かうアレクサンドリアには、リディアとダリルも向かっている。
そして、ニーガンは牢獄から解放される準備が整ってきたような。彼はまず、寒さのせいで暖炉のある場所に連れて行かれ、次にジュディス（ケイリー・フレミング）を救って負傷したせいで病室に入った。彼はこのまま牢獄を出るのかも。ジュディスを追いかけたのもそのため？ これも次のシーズンへの前振りのような？
そして、ラストは無線機からの声。しかも今回、囁く者たちとのドラマはまったく進展していない。人々は、彼らが提示した境界線を守って暮らしているが、彼らとの関係がこのままで済むはずがない。となると次のシーズンは、囁く者と新たな集団、まったく異なる2つの集団とのドラマが展開する？ これだから「ウォーキング・デッド」はおもしろい！