宮沢氷魚、メンノンから飛び出したサラブレッド
イケメン発掘調査隊
『映画 賭ケグルイ』宮沢氷魚(みやざわ・ひお)【第135回:イケメン調査隊】
インタビュー INTERVIEW
Q:初めて映画出演のオファーが来たときの感想は?
ドラマを何作かやらせいただきましたが、ずっと映画にも出たくて。その気持ちがピークのときにこのお話をいただきました。しかも「賭ケグルイ」の映画化で。でもどの役をやるのだろう? と思っていたら、オリジナルのキャラクターと判明したんです。これは原作からヒントを得られないので役づくりは大変だろうなと。原作のキャラクターを再現することへの期待に応えなきゃいけないというプレッシャーはありませんが、何もないところから立ち上げていくので。
Q:『映画 賭ケグルイ』の舞台はギャンブルの強さで自身の所属する階級が決まる超名門学園。そこでご自身は「非ギャンブル」を掲げる白装束集団「ヴィレッジ」を率いる村雨天音を演じられました。人間離れしたカリスマ性のある指導者というより、ごくナチュラルに演じていたのが印象的でしたが?
ほかのキャラクターは原作の雰囲気を再現して、かなりぶっ飛んでいます。それで村雨は設定としては一番遠くに感じるかもしれませんが、彼が感じているものや背負っているものは意外と人間らしい。いろいろと考えた結果、裏をかいてリアルにやったら面白いかな? と思ったんです。それでナチュラルを目指した結果、ほかの強烈なキャラクターとのコントラストが生まれた気がします。英勉監督からは初めてお会いしたときから、「カッコイイ村雨天音をやってくれ」と言われ、「それならできます!」と答えました。普段 MEN'S NON-NO でかっこつけさせてもらっているので(笑)。そこで培ったフォルムの出し方、雰囲気の作り方を上手く村雨役に活かそうと思っていました。現場でも監督はシーンを終えるごとに、「カッコイイね~」と決まり文句のように言って下さって。気持ちよくもあったし恥ずかしくもあったのですが、監督のリクエストには応えられたのかなと。
Q:村雨は、ある壮絶な過去を抱えていますよね?
本当ですよね……。あのシーンで初めてワイヤーアクションに挑戦したのですが、楽しいのかと思ったら意外と大変でした。体のあちこちにワイヤーをつなぐベルトを仕込み、どうしたらリアルに見えるのか? ワイヤーが絡まないようにするには? と飛び方をいろいろと考えながら何回かリハーサルをします。それでも一人で飛ぶなら何回も同じ事ができますが、相手がいる場合は多少のズレでも危険で。あらかじめ飛び方に型をつけ、このタイミングでこっちの足で踏み切って、僕はあっちに飛ぶなどと相談しながら20回以上は飛びました。最初は楽しかったのですが体にかなりの負担がかかり、だんだんと悲鳴を上げるようになって。アクション俳優さんって大変だなあと。
Q:村雨が過去に負った傷に、精神的にすんなり寄り添えましたか?
僕自身、弟と妹がいるので、「もし村雨のようなことがあったら自分はどうするだろう?」と考えて、そのリアルな感情を村雨役に当てはめていきました。弟妹を大事にしているので、そこは意外とすんなり感情移入できましたね。
一問一答 PRIVATE
Q:劇中で、ギャンブルに必要なものは「駆け引き、読心術、ここぞというときの勝負強さ」というセリフがあります。この3つのうち、ご自身が自信のあるものは?
駆け引きはダメなんですよね~。顔に出るのですぐバレちゃいます。でもいろいろな現場で「勘がいいね」と言われることが多いので、読心術かも。言わなくてもやってほしいことがわかるといわれるのは、個人的にもうれしいですね。
Q:モデルの仕事を経験したことで表現の楽しさを知り、役者を目指すことに?
もともとモデルをやる前から役者をやりたいと思っていましたが、いきなりなれるわけでもない。身長もあって見た目も個性的……なのかわかりませんが、まずはモデルから始めようと勧められたんです。並行して演技のワークショップやレッスンもやり、2017年に役者デビューしました。
Q:モデルの経験が役者業に活きていると思いますか?
間違いなく、活きていると思います。モデルの仕事で培ったカメラ前に立って洋服を格好よく見せるとか、自分のいい角度を知るとか。逆に役者の仕事のあとで雑誌の現場へ行くと、「雰囲気変わったよね?」「画面越しの存在感が出てきた」などと言ってもらえるのがうれしいです。モデル業と俳優業、両者にプラスの影響がある気がします。
Q:役者をやったことで具体的な変化が?
意識的に何かを変えたわけではないのですが、無意識に自信が生まれたのかなと。カメラが怖いわけではありませんが、何度やってもその前に立つと緊張感があります。そのなかで自信を持って自分の素の状態でいられる、それができるようになったのはたぶんここ1~2年です。
Q:役者を目指したのは、映画に関わりたいという想いがきっかけに?
役者をやりたいという想いがもともとあったので、映画をやりたいからというわけではありません。ただドラマを何本かやらせていただくうちに、映画館で自分を観てみたいという想いが高まって。映画館は座席についたら、映画が始まってから終わるまでその場にいるしかない。作品に100%集中し、ほかの観客の方と時間を共有して楽しめます。そこが醍醐味ですよね。そんな映画というものに参加したいという想いが強くて。
Q:デビューから出演作が続きましたが、振り返って、自分にとって一番大きな作品は?
ちょっと忙し過ぎて……気づいたら今日に至るという感じで。強いて言うなら昨年秋から冬にかけてやらせてもらった舞台「豊饒の海」です。もっとも長い期間、一つの作品と向き合えたという感覚があります。朝から晩まで役について考えたり相談したり、それで本番をやってみて違うなと思ったら修正したりして、日々進化していく。それを体験して改めて演じる楽しさ、難しさ、辛さ、そして達成感を知りました。まだほんの少しですけど、自分のレベルを上げられた作品かなと。また機会があれば改めてもう一回やってみたいと思えた作品でしたね。
Q:ではコロッと話題を変えて、好きな女性のタイプは?
ものすごくコロッと変わりましたね(爆笑)!
Q:以前、「友達に紹介したら、すぐに打ち解ける人」とおっしゃっていましたが?
それは変わりません。僕のほとんどを知ってくれている友達から理解を得られなかったら、「この人と続くのかな?」とちょっと不安になります。僕が大事にするものを、同じく大事にしてくれる方が好きです。
Q:女性の見た目の好みは?
ショートカットが好きですね。ロングでもいいんですけど、一番はロングだった人がショートになった瞬間で。
Q:それは女性にぐっとくる瞬間ということ?
ぐっとくる瞬間、プラス、ロングからショートになって、その状態が好きで……って、これ伝わりますかね(笑)? ハッとしますしね……ただのワガママなんですけど(笑)。
Q:理想のデートは?
ディズニーランドに行きたいです。先日仕事で行かせてもらったらカップルがたくさんいて、改めていいなって。ものすごくベタですけど。友達と行ってもいつも乗り物に専念しちゃいますが、好きな人とならパレードも楽しいだろうなって思いました。
Q:好きな映画を1本挙げるなら?
『アベンジャーズ』シリーズ。もうすぐ新作が公開されますよね。僕が小学生か中学生の頃にロバート・ダウニー・Jrの『アイアンマン』を観て、超カッコイイと。以後、『アベンジャーズ』関連の映画がどんどん公開されたのである意味、僕の青春は『アベンジャーズ』のメンバーでできています。
Q:ご自身は英語も堪能なので、ハリウッド映画に出るのもまったくの夢ではないのでは?
でも『アベンジャーズ』のメンバーにアジア人はいないんですよね……ショックです。新キャラで、村雨を出してもらえないですかね? 違和感ないと思うんですけど、どうでしょう(笑)?
取材・文:浅見祥子 写真:上野裕二 ヘアメイク:森上マリコ スタイリスト:井田正明
インフォメーション MOVIE INFO
『映画 賭ケグルイ』
ベストセラーを記録した河本ほむらと尚村透のコミックを原作にしたドラマの劇場版。ギャンブルの勝敗で運命が決まる学園に転校してきた謎の少女が挑む勝負の行方を追う。メガホンを取るのは『トリガール!』『3D彼女 リアルガール』などの英勉。『君の膵臓をたべたい』などの浜辺美波、『世界でいちばん長い写真』などの高杉真宙、『ルームロンダリング』などの池田エライザらが出演する。
宮沢氷魚プロフィール PROFILE
生年月日:1994年4月24日
出身地:アメリカ・サンフランシスコ
身長:184cm
趣味・特技:野球、釣り、陸上、クロスカントリー、サッカー
芸歴:「MEN'S NON-NO」専属モデル。2017年にテレビドラマ「コウノドリ (第2シリーズ)」で俳優デビュー。以後、「トドメの接吻(キス)」「R134/湘南の約束」「僕の初恋をキミに捧ぐ」等のドラマに出演。「BOAT」「豊饒の海」と舞台にも意欲的に取り組む。『映画 賭ケグルイ』で映画初出演を果たした。
『映画 賭ケグルイ』は5月3日(金・祝)より全国公開
(C) 2019 河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「映画 賭ケグルイ」製作委員会