どうなる?『スター・ウォーズ/エピソード9』河原一久が大胆予想
「スター・ウォーズ セレブレーション・シカゴ2019」で初映像が公開され、タイトルも明らかになった『スター・ウォーズ』最新作。秘密主義のJ・J・エイブラムス監督のもと、公開までストーリーは明かされないでしょうが、どうしても気になる! ということで、『スター・ウォーズ』シリーズを研究する第一人者であり、字幕監修も手掛けた河原一久氏に最新作がどうなるのか、大胆予想を語ってもらいました。
※ご注意:なおこのコンテンツは『スター・ウォーズ』シリーズについて、ネタバレが含まれる内容となります。
ついにレイの出自が判明する!
スカイウォーカー家をめぐる壮大なサーガが完結するといわれる本作。新3部作を通して大きな謎であったレイが何者なのかの謎がついに明かされます。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開当時はルーク・スカイウォーカーの娘もしくはオビ=ワン・ケノービの娘説がありましたが、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で結局レイの両親はルークではなく、何者でもないことが判明しました。とはいえ、スカイウォーカー家と無関係の少女がいきなりライトセーバーを使いこなし、カイロ・レンと互角に戦うほどの強いフォースを持っているとは考えにくい。河原氏が考える “レイの出自”とは? 驚きの答えが返ってきました!
Q:レイは一体何者なのでしょうか?
僕の考えでは、レイはアナキン・スカイウォーカーの生まれ変わりです。そうであれば、すべての謎が腑に落ちる。ライトセーバーのコアとなるクリスタルは持ち主であるジェダイと強力な絆で結ばれています。だからレイが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の惑星タコダナでアナキンのライトセーバーに呼び寄せられ、ルークやカイロ・レンのビジョンが見えたのも、その時オビ=ワンが「レイ」と呼びかけ、彼女のことを知っていたことも、彼女がアナキンの生まれ変わりなのであれば説明がつきます。そして、同作のラストでカイロ・レンと戦った際、そのライトセーバーがカイロ・レンではなく、レイの手に飛び込んでいったことも彼女がアナキン本人なのであれば納得できます。また、『最後のジェダイ』でレイがダークサイドの洞窟で「両親に会いたい」と言って現れたのが、他ならぬレイ自身だったことは、彼女が“フォースによって生を受けた存在”であることの現れだと思います。
Q:レイがアナキン自身である必要があるということですか? 血のつながった子孫ではなく?
アナキンはフォースにバランスをもたらす “選ばれし者”だと予言され、たしかに『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』のラストでパルパティーンを倒したかに見えますが、戦いはその後もファーストオーダーとレジスタンスという形に変わっても続いています。そういった意味ではフォースのダークサイドは健在なままであり、決して“バランスをもたらした状態”にはなっていません。その原因はアナキンがシスになってしまったことで予言が成就しなかったからです。そこで今度は肉親を失う恐怖を生じさせず、純粋に愛情(及び肉親)を求める完全な孤児として生まれ変わることで、アナキンは己の使命を新しく“レイ”という姿でやり直そうとしているのではないでしょうか。そうなるとレイは正しく“スカイウォーカー”なのであり、アナキンがレイとして蘇ったことで銀河にフォースのバランスをもたらすのであれば、それこそ“ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー”つまり“スカイウォーカーの復活”となります。いずれにせよ、レイの出自や使命に関しては、『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』でルークの父親や妹の秘密が序盤で明かされたように、今回も映画の冒頭30分あたりで早々に明かされると思っています。
邦題はどうなる?
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の時は12月公開で同年1月に、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の時は12月公開で同年2月の時点ですでに邦題が発表されていました。今回はようやくタイトルが『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー(原題)』であると判明しましたが、邦題はまだ発表されていません。ポイントとなるのは“ライズ”が何を意味し、どう訳されるかということ。過去に『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』が原題のままのカタカナ表記だったこともあり、今回もその可能性はありますが、過去に字幕監修も手掛けた河原氏の予想はかなり明確です。
Q:ズバリ、邦題はどうなるでしょう?
『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの復活(もしくは再生)』がいろいろな意味にもとれるのでいいと思います。レイがアナキンの生まれ変わりということも含め、今回は“再生”がテーマになるはず。アナキンは父親がおらず、ミディ=クロリアンから生まれたとされているので、まさにキリスト教の処女懐胎です。そのアナキンがレイとして生まれ変わったのなら、これぞキリストの復活を意味するという、宗教的なストーリーが成り立ちます。そうなるとやはり、ライズは復活と訳すのが適当だとは思いますが、ストーリーの詳細を知らない中で邦題をつけるのは難しいと思います。変なタイトルになるくらいなら、カタカナで原題のままでもいいと思いますけどね。
まさかの大予想を語った河原氏。的中していれば、かなりの衝撃と感動をもたらしてくれるストーリーとなりそうです。ストーリーが明かされない以上、どうなるか希望を含め自由に予想できる楽しみがあり、ファン同士のコミュニケーションも図れるので、盛り上がること間違いないでしょう。予想が当たるか当たらないかではなく、楽しんだ者勝ち! 壮大なサーガの完結を大いに予想し、語りながら公開を待ちましょう!!(取材・文:香取亜希)
映画『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』(原題)は12月20日より全国公開