海辺に“映え”すぎ!逗子海岸映画祭をレポート
神奈川県の逗子海岸でゴールデンウィークの期間、4月26日から5月6日に行われた逗子海岸映画祭をレポート! 音楽や食事、アート、スポーツなどを楽しみ、夜は海辺で映画を上映する同映画祭の魅力に迫りました。(編集部・梅山富美子)
今年で10周年の逗子海岸映画祭とは?
逗子海岸映画祭とは、写真家の志津野雷さん、逗子にあるシネマカフェ「CINEMA AMIGO」を運営する長島源さんを中心に、クリエイターやアーティストの集まりである「CINEMA CARAVAN」が企画したもの。2010年から一年に1度、彼らのホームグラウンドである逗子で「Play with the Earth(地球と遊ぶ)」というコンセプトのもと開催。昼間はさまざまなイベントを催し、夜は1日1本の映画が上映される体験型の映画祭として地元からも親しまれている同映画祭は、今年で10周年を迎えました。
逗子海岸までたどり着くと巨大な白いテントと、入場ゲートの「ZUSHI BEACH FILM FESTIVAL」と大きなスクリーンが目に飛び込んできます。ここが最初のフォトスポット! この日上映される作品『The North Face Selected Films』のイメージイラストを写真に収めます。
『The North Face Selected Films』では、日本で行われているアウトドア・ドキュメンタリー映画祭のバンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバルで上映された作品の中からファッションブランド The North Face が厳選した6作品を上映。世界各地の自然に囲まれた環境に住む人々にスポットが当てられた映像となっています。
今年のラインナップで注目したいのは、4月28日に上映されたインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』。日本でも今年1月に公開され口コミで話題を呼んだ本作は、インド人の青年とパキスタン人の少女による国や宗教を超えた絆を描くハートフルストーリーです。
ほかにも、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を基にしたファンタジー映画『ネバーエンディング・ストーリー』、名バンドの歴史を紐解くドキュメンタリーの金字塔『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の続編『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』、『ダージリン急行』『サヨナラCOLOR』『父を探して』『Play with the Earth』(CINEMA CARAVAN代表・志津野雷オリジナル作品)と幅広いジャンルの作品が上映されました。
なお、期間中にチケットが一番早く完売した5日に上映されたのは、『アンダーグラウンド』のエミール・クストリッツァ監督によるコメディー作品『黒猫・白猫』だったそうです!
楽しみ方たくさん!
ゲートを通り抜けるとここは海外では? と思わせるインスタ映えなお店がたくさん。ドライフラワーや美しい工芸品、移動式のメリーゴーランドに目を奪われます。DJブースからは、オシャレな音楽が流れて気分は上々です。
女性を中心に行列ができている場所をのぞくと、フェイスペイントのコーナーがありました! 友だち同士で顔に描かれた絵を見て、お互いに写真を撮り合う姿にほっこりさせられました。(こんな青春送りたかった!)
いい匂いがする方へ向かうと食欲をそそるサンドウィッチやカラフルなソーセージ、パンケーキが販売されていました。フードコーナーでは、毎日違う店舗が食事を提供。映画のテーマに合った食事や、地元の人気店が出店しています。ちなみに、空腹に耐えきれず葉山夏みかん味のソーセージをいただきました。
さらに奥へ足を進めると巨大なスクリーン前に到着。映画の上映前には、ビーチサッカーをする子どもたちの姿や、会場に設置されたスケートボード場でスケートボードを楽しむ人がいました。子どもたちの弾む声に、思わず笑みがこぼれます。
ほかにも、マッサージのリラクゼーションコーナーや、お客さんの体調に合った漢方を調合したお茶の販売も。日頃の疲れをリフレッシュできること間違いないです!
野外で観る映画は格別!
映画を観る前から盛り上がるイベントがあり過ぎる本映画祭。家族連れやカップル、友だち同士で来た人たちが写真を撮ったり、海を眺めたり、お酒を飲んだり思い思いの時間を過ごしていました。
日が沈み、ライトアップされた会場はとても幻想的。上映が始まると、大勢のお客さんで埋め尽くされます。この日は曇り空でしたが、会場は熱気に包まれていました。
かすかに聞こえる波の音と潮風を感じながら、上映作品の『The North Face Selected Films』の映像美に思わず感嘆の声が出てしまいます。作品の1つである『LOVED BY ALL: THE STORY OF APA SHERPA』では、エベレストに21回登頂したというアパ・シェルパさんの人生を通して、ネパールの人々の現実と葛藤が描かれます。過酷な環境で生きる人々の暮らしぶりや、雪を被ったエベレストの息を飲むような景色に目を奪われます。
この野外で映画を観るという心地よい映画体験は、映画をもっと好きになるはず! 来年もまた映画祭が開催されることを願いならが、名残惜しいですが会場を後にしました。