美しきボンドガールずらり!『007』新作情報まとめ
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4月28日からジャマイカで主要撮影が始まった映画『007』シリーズ第25弾。シネマトゥデイでは撮影開始の3日前に、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリ&マイケル・G・ウィルソンとキャリー・フクナガ監督を電話で直撃! 同日行われた会見とインタビューから判明した情報をまとめました。(取材・文:編集部・市川遥)
ボンドガールに選ばれたのは?
本作のボンドガールは3人。まずは、前作『007 スペクター』に出演したフランス人女優レア・セドゥがマドレーヌ・スワン役で戻ってきます。ボンドガール続投は極めて稀ですが、フクナガ監督は「僕たちは前作で彼女のことを少し知っただけだった。彼女についてもっと語るべきことがあると思ったんだ」と説明。レアが「ジェームズ・ボンドと対等で、現代的な女性」と表現するマドレーヌが、どのようにボンドとの関係を発展させることになるのか注目です。
そして初参戦となるのが、『キャプテン・マーベル』でヒロインの親友マリアを好演したイギリス人女優のラシャーナ・リンチと、『ブレードランナー 2049』で主人公の恋人ジョイ(AI)にふんしたキューバ人女優アナ・デ・アルマス。ラシャーナはノーミ役、アナはパロマ役を務めます。
プロデューサーのバーバラは詳細を語らなかったものの、本作は#MeToo運動後のリアルを反映した作品になるそう。3人のボンドガールは「みんな興味深く複雑なキャラクターで、さまざまな方法でボンドと関わることになる」と請け合いました。
悪役は『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック!
悪役は、映画『ボヘミアン・ラプソディ』で第91回アカデミー賞主演男優賞に輝いたラミ・マレックです。フクナガ監督は「記憶に残るような」、ラミは「人々にショックを与え、それでいて共感も持てるような」悪役にしたいとそれぞれ意気込んでいます。
第25弾は、スパイの仕事を離れてジャマイカに移り住んだボンドの平穏な暮らしが、破られるところから始まります。旧友のCIA職員フェリックス・ライターが現れ、誘拐された科学者の救出をボンドに依頼。しかしそれは予期したよりもずっと困難で、ボンドは危険な新テクノロジーで武装するミステリアスな悪役と対峙することに……。テレビドラマ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」の天才ハッカー役で称賛されたラミだけに、テクノロジーに精通した悪役はばっちりハマりそうです。
タイトルと主題歌、ボンドカーは?
二人のプロデューサーいわく、タイトルは未決定。まだ絞り込む段階にもなっておらず、ただ『BOND 25』と呼んでいるそうです。主題歌は、今後数か月で選定作業に入るとのこと。本作のボンドカーは電気自動車になるという報道も出ていますが、これについては否定も肯定もせず、「この映画にはボンドカーが2台出てくる」「アストンマーティンとジャガーランドローバー」とだけ語りました。
シリーズ初の日系アメリカ人監督!
『トレインスポッティング』のダニー・ボイルが「創作上の意見の違い」を理由に降板後、新たに監督の座に着いたのが、フクナガ監督です。映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』やテレビドラマ「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」などで知られる監督で、プロデューサーのマイケルは彼のことを「偉大なストーリーテラー」と高く評価。イギリス人スパイを描く『007』本シリーズでアメリカ人がメガホンを取るのはこれが初ということで、フクナガ監督は「ボンド映画を台無しにしたアメリカ人にはなりたくない(笑)」と多少のプレッシャーは感じていると言います。
それだけに、昨年9月に監督に就任してからは「120%、フルタイム」で『007』新作に取り組んでいるそう。アクションシーンについては「ストーリーと密接に結び付いたものになると思う。アクションシーンの危険度は高いけど、それはキャラクターが経験することとリンクしているからなんだ。ただ『この映画にはアクションシーンが必要』という理由で、アクションを入れたりはしたくない」とストーリーとキャラクター重視のこだわりを明かしました。
ダニエル・クレイグ版ボンドの集大成に?
『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)から6代目ボンドを務めているダニエル・クレイグ]は、5度目のボンドを演じる本作をもってシリーズから卒業する意向を示しています。本作はダニエル版ボンドシリーズの完結編として制作されるのか、という問いには「ダニエルが演じるのは過去4作にわたって演じてきたボンドだから、ある程度はそう言えるかもしれない。でも、新しいストーリーよ」(プロデューサーのバーバラ)、「そう考えたいが、現時点では、何においても『ストーリーが何を必要としているのか』ということを重視している」(フクナガ監督)という回答でした。
Q役のベン・ウィショー、マネーペニー役のナオミ・ハリス、M役のレイフ・ファインズらボンドを支えるおなじみのメンバーも続投。バーバラいわく、「Qはこの映画でも最高の役で、ボンドとの絡みがたくさんある」「本作にはQと猫のシーンがある」そうで、Qファンにはたまらない作品となりそうです。撮影はジャマイカのほか、ノルウェー、イタリア、ロンドンのパインウッド・スタジオで行われ、2020年の日本公開を予定しています。