石井裕也に見出された唯一無二の新人、細田佳央太
イケメン発掘調査隊
『町田くんの世界』細田佳央太(ほそだ・かなた)【第136回:イケメン調査隊】
インタビュー INTERVIEW
Q:オーディションで1,000人もの応募者の中から主役を射止め、プレッシャーもあったと思いますが、作品とはどう向き合ったのですか?
町田くんはとても難しくて、どんなキャラクターなのかうまくつかめなかったんですが、リハーサルのとき、石井裕也監督から「町田くんは神様」という共通ワードを投げてもらったんです。そこから「何か迷ったら神様のほうへ行け」と言われて「神様」という共通ワードがあったから、役づくりもできました。
Q:そんな町田くんと自分が重なると思うところはありますか?
僕も町田くんぐらい、人に優しくなれたらなと思うんですけど……(笑)。似ているなと思うところは、町田くんはわからないことに対して、しっかりと考える。僕も割とそういうタイプなんです。何か問題やわからないことが出てきたときには逃げることはしなくて「何でだろう?」と考えることが多いので、そこは重なっているかもしれないですね。
Q:原作の漫画を役づくりの参考にしたのですか?
いいえ。監督から、あまり原作を意識しないようにと言われていました。演技が固まることを心配されたんじゃないかと思います。
Q:共演者の方々が主役クラスで超豪華でしたね。
すごくプレッシャーを感じました。でも、これだけすごい方たちとお芝居しなくちゃいけないと思ったら、プレッシャーに負けている場合じゃない。逆に自分から食らいついていくぐらいじゃないといけないと思って、スイッチが切り替わりました。でも、余裕はなかったですね。そのとき、太賀さんと岩田(剛典)さんが「学校どうなの?」と話しかけてくださって。おかげで緊張がほぐれて、お芝居に臨めました。
Q:その中でも、印象に残っている共演者の方はどなたですか?
ほとんどの方と一対一でお芝居をやらせていただいたので、本当に皆さん、すごい方たちなんだと改めて思いました。その中でも、池松(壮亮)さんとのシーンが印象に残っています。バスの中で出会って、降りてから二人で本音をぶつけ合うシーンがあるんです。演じているときもすごく楽しかったですし、カットがかかってカメラ位置が変わっているときもニヤケが止まらなかったんですよ。何でこんなに楽しいんだろうという、謎の高揚感みたいなのがあって。そのとき、初めてお芝居が楽しいと明確に思えたんです。そして、そんな風に思わせてしまう池松さんってすごいなと思いました。
Q:クライマックスのシーンで、ワイヤーアクションにも初挑戦していますね。
実を言うと、急降下、急上昇する遊園地の絶叫系のアトラクションが苦手なので、ワイヤーで吊らされたのは、正直怖かったです。セット内でもものすごい勢いで上がったので、天井に頭をぶつけるんじゃないかと(笑)。グリーンバックで撮影しているので、出来上がりは想像もできませんでしたけど、完成した作品を観たら、感動しました。
一問一答 PRIVATE
Q:好きな映画は?
映画『セトウツミ』です。お芝居の参考にしようと思って観たんですけど、会話のテンポや間合いってこういうことなのかなと、ヒントをもらいました。
Q:好きな俳優は?
池松壮亮さんです。
Q:憧れの俳優は?
俳優になった以上は、その人が目標というよりはその人も超えるつもりでやらなきゃと思っているので。憧れの俳優さんは決めないようにしています。
Q:好きな女性のタイプは?
優しくて支えてくれるような女性がいいですね。
Q:ルックスは?
えっ!? あんまり考えたことはなかったですけど、しいて言えば、髪型はショートがいいかな。
Q:もしも理想のデートをするとしたら?
夏祭りデートしたいですね。浴衣デートが憧れです。
Q:人からはどんな性格って言われますか?
素直だということはよく言われます。その次が大雑把ってこと。それから、ヘンなところが細かいです。たとえば、ハンバーガーを食べたら、その包み紙を絶対にきれいにたたみたいんです。そうじゃないと気が済まなくて。教科書が机の上にあったら、教科書の位置を机の端に揃えたいです。そのほうが落ち着くんです(笑)。
Q:1日オフの日があったら?
大体、家にいることが多くて。家で映画かバスケットの動画を見ています。
Q:カラオケがお好きだそうですね。
歌うことが好きなんです。「今からカラオケに行く」と言うと、家族も好きなので、大体一緒に行くことになっちゃうんです。
Q:演じることの面白さをどう感じていますか?
お芝居をすることはもちろん楽しいんですが、役のことやどう役づくりをするかとあれこれ悩んでいる時間も楽しくて面白いと感じました。
Q:今後の目標は?
『町田くんの世界』で得られたことが大きかったので、今後はこの経験を活かして、ジャンルに関係なく、いろいろな役に出会ってさらにたくさんのことを学んでいきたいと思っています。
取材・文:前田かおり 写真:奥山智明
インフォメーション MOVIE INFO
『町田くんの世界』
『舟を編む』などの石井裕也監督が、第20回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した安藤ゆきの漫画を映画化した青春ストーリー。優しい男の子の日常が覆る出来事が描かれる。主演は、1,000人を超える応募者の中からオーディションで選ばれた細田佳央太と関水渚。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子といった俳優たちが共演している。また全編を35ミリフィルムで撮影した。
細田佳央太プロフィール PROFILE
生年月日:2001年12月12日
出身地:東京都
身長:172cm
趣味・特技:剣道、バスケットボール、一人カラオケ
芸歴:小学2年生のとき、テレビ出演に興味を持ち、母親が履歴書を送ったことがきっかけで芸能界入り。CM出演や登場人物の幼少期役を演じることはあったが、本格的な演技は今回が初めて。現在WOWOWにて放送中の連続ドラマW「悪党 ~加害者追跡調査~」(瀬々敬久監督)で東出昌大演じる主人公の少年期役を務めるなど、今後が期待される。
映画『町田くんの世界』は6月7日より全国公開
(C) 安藤ゆき/集英社 (C) 2019 映画「町田くんの世界」製作委員会