『チャイルド・プレイ』チャッキーの残虐な歴史を振り返り!
今週のクローズアップ
殺人人形・チャッキーが人々を恐怖に陥れるホラーシリーズ『チャイルド・プレイ』の新作が7月19日に公開される。過去作7作品を一挙に振り返ってみた。(100%ネタバレ!)(編集部・梅山富美子)
チャッキーという殺人人形の存在は知っていたけれど「人形に殺されるなんてなんて間抜けな!」と観てもいないのに『チャイルド・プレイ』シリーズを少し鼻で笑っていたアラサー編集部員の梅山。1988年の1作目から、7作目『チャイルド・プレイ ~チャッキーの狂気病棟~』(2017)までを一気見! すべて観終わるころには、どこか憎めないチャッキーに惚れてしまうレベルまで到達したので、残虐な歴史と共にチャッキーの魅力も紹介していく。
■チャッキーとアンディの戦い!『チャイルド・プレイ』1~3作目
1作目では、なぜチャッキーが殺人人形なのかが判明。湖畔の絞殺魔であるチャッキーことチャールズ・リー・レイ(ブラッド・ドゥーリフ)は、警察に追われておもちゃ屋に逃げ込み、銃で撃たれてひん死状態になるがおもちゃのグッド・ガイ人形に魂を移すことに成功する。そう、チャッキーはもともと人間だったのだ!
チャッキーは、少年アンディ(アレックス・ヴィンセント)の家でグッド・ガイ人形として過ごすが、人を殺すことへの抵抗が一切ないという性質は変わらず。アンディの子守りをしていたマギーに暴力をふるい、彼女はマンションの窓から転落。チャッキーの第一の被害者となった。
さらに、自分を裏切って車で逃げた共犯者エディの家にガスを充満させ着火し、家ごと爆破。不死身になるブードゥー教の術を教えてくれた人物さえも、人間に戻る方法を聞いて即殺してしまう。ちなみに、1作目でチャッキーが殺したのは意外にも4人だけのようだ(ホラー映画が得意でないので、もしかしたら目をつぶっている間にさらに殺しているのかも……)。
人形になり最初に自分の正体を明かしたアンディに魂を移すことで人間に戻れると知ったチャッキーが、アンディの命を狙う『チャイルド・プレイ2』(1990)。チャッキーが殺人犯だと主張し、精神的な病であるとされた母親は、アンディと離れ離れに。とある家に引き取られたアンディの周囲で不可解なできごとが続く。なお、アンディ役はアレックスが続投。監督はトム・ホランドからジョン・ラフィアに代わった。
アンディの里親や学校の先生をナイフなどの武器を使って殺しまくるチャッキーだが、人形なのに傷を負うと血が出て、徐々に不死身の身体ではなくなる。人間に戻ろうと躍起になるチャッキーが痛みにもだえるシーンは、人間味を感じさせる(終盤、チャッキーは気持ちいいほどにアンディたちにやられっぱなしだ)。
アンディ役の俳優がジャスティン・ホウェリンへと交代した3作目『チャイルド・プレイ3』では、復活したチャッキーが、再び人間に乗り移ろうと画策する。一方、16歳になったアンディは陸軍兵学校に入学して、恋や友情を経験する(生きててよかった!)。その様子を陰から眺めるチャッキーはさながら親(!?)のようで、憎めないキャラっぷりを発揮。だが、残虐さはヒートアップしており、ごみ収集車に男性を入れて粉砕したり、実習用の銃に実弾を入れ、誤って人が人を殺すさまを楽しむ姿は不快極まりない!
■チャッキーとティファニーの狂気の愛!『チャイルド・プレイ』4~5作目
アンディとチャッキーの長期に渡る戦いが描かれてきたが、4作目『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』(1998)には、チャッキーが人間だったときの恋人ティファニー(ジェニファー・ティリー)が登場する。アンディとの戦いは一体……とあまりに陽気なテイストの変化に驚きを隠せないが、チャッキーがどこまで暴走するのか期待してしまう自分がいるから不思議だ。
恐ろしい人形カップルへと変化を遂げたチャッキーとティファニーは、DCコミックスのジョーカーとハーレイ・クインさながらの狂気カップルに。2人の愛と欲望に翻弄(ほんろう)されまくる人間たちが不憫で仕方ない。なお、本作には、キャサリン・ハイグルが人間のヒロインであるジェイド役として出演している。
5作目『チャイルド・プレイ チャッキーの種』(2004)では、チャッキーとティファニーが自分たちの子どもを人間に産ませようという暴挙に出る。2人が、子どものために人を殺したいという衝動を抑えようとするさまは滑稽だが、自分の欲求に忠実すぎる性格には羨望さえ感じられる。
■チャッキーVSニカ…!『チャイルド・プレイ』6~7作目
6作目の『チャイルド・プレイ/誕生の秘密』(2013)は、チャッキーの過去に迫るストーリーが展開。古びた洋館に住む足が不自由な女性ニカ(フィオナ・ドゥーリフ)のもとにグッド・ガイ人形(もちろんチャッキー)が届き、その日からニカの家族が次々と不審な死を遂げる。米ハリウッドが舞台だった陽気すぎる前作から一転、ダークなトーンに仕上がっている。
チャッキーは昔、ニカを妊娠中の母親・サラを監禁。サラが隙を見て警察に通報したことから、チャッキーは警察に追われる身となったのだった。ラストシーンでは、チャッキーが再びアンディを訪ねて襲い掛かろうとするが、予想通り返り討ちに遭う。アンディを再びアレックスが演じているのも嬉しい(年齢を重ねた姿に衝撃を受けるはず)。アンディとチャッキー、因縁の対決が繰り広げられるかと思うと興奮する。
2017年の『チャイルド・プレイ ~チャッキーの狂気病棟~』では、精神科の病棟に入院したニカに、チャッキーの狂気が襲い掛かる。ニカの妄想と現実の世界は混沌とし始め、誰がチャッキーに殺されたのかわからなくなっていく。ニカの妄想と、チャッキーは何がしたいのかわかりづらく、あまり爽快感は得られない。
アンディは病院に駆け付けるが、時すでに遅し(もっと早く来て暴れて欲しかった!)。増殖し続けるチャッキー(なんで増えるのか!?)に絶望感しかなく、ニカの身体を手に入れたチャッキーは、人間となったティファニーと消え去る。(本シリーズの一気に観ると、チャッキー役を担当してきたブラッド・ドゥーリフの声が離れないので気を付けて!)
■チャッキーの恐怖再び!『チャイルド・プレイ』新作
恐怖と興奮と刺激をこれでもかと浴びせる本シリーズ。新作『チャイルド・プレイ』は、チャッキーに高性能AIが搭載されており、これまでのチャッキーとは一味違う様子。チャッキーの声を『スター・ウォーズ』のルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミルが務める。マークは、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』の吹替版で悪役・ムスカ大佐の声を担当するなど声優の経験も豊富だ。作品ごとにさまざまなチャッキーの魅力(?)を知ることができる『チャイルド・プレイ』シリーズ。新作も、観客をさらに魅了してくれるはず!